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浩太と敬が彼女を連れて家に泊まりに来るという電話をしてくる件について

今回は浩太が明美と対面し、遊に泊まりの電話をしてくる話です

浩太は遊に自分の告白を見せる間抜けではありません

では、どうぞ

 さて、夫婦ご対面といきますか。まぁ、俺が見たのは未来での浩太と明美さんの姿であり、この時代ではどうなる事やら……未来で香月と同じ系統の女性だっただけにこの時代ではヤンキーとか……信じられん!!だが、見てると面白そうだ。ここで高みの見物と行きますか……


「おい、浩太」

「…………何だ?遊?」


 明美さんと対面するというのにいざ対面となった今、どしてこの男はヘタレるかね……


「この人が未来の俺の奥さん?」


 浩太は信じられないと言った感じで俺に話かけてくる。俺だって信じられないんだ。今のこの状況がな……


「そうだけど?何か問題でもあるのか?」

「俺は未来で無事なのか?」


 浩太は明美さんをそっちのけで俺にばかり質問してくる。さっきから黙っているが、興味津々といった感じだ


「だあぁぁぁ!!めんどくせぇ!!」

「「「「────!?」」」」


 俺の叫び声に浩太だけじゃなく、明美さん、遊華、香月も驚いている。ついでにだが、他の客にも見られているがそんな事知るか!誰が悪い?そんなのヘタレた浩太と俺には高圧的な態度だったくせに未来の旦那に会った瞬間、借りてきた猫のように大人しくなった明美さんが悪い


「ゆ、遊?」

「お、お兄ちゃん?」


 香月と遊華はさっきの叫び声で驚いたのか引き気味に俺を呼ぶ。だが、俺は止めるつもりはない


「浩太、明美さん」

「「は、はい!?」」

「2人とも未来じゃラブラブ夫婦だぞ。それこそ浩太の寝坊癖に明美さんは苦労しているみたいだけどな。だが、浩太は明美さんを愛していたし、明美さんは浩太を愛していたぞ」

「「…………」」


 無言になる浩太と明美さん。今言った事はあくまでも俺の想像だ。だが、俺が浩太達の家に遊びに行った時はそう感じた。何だかんだ言いながらも思い合ってるようにも見えた


「後はどうするかは2人次第だけどな。じゃあ、俺は帰る」


 俺は呆けている浩太達を放置して喫茶店を出た。後は遊華や香月と本人達でどうにかしろ。俺は知らん


「はぁ、敬の告白を面白がって覗いてた奴がいざとなるとヘタレるとは……」


 敬と早川が知ったらどう思うかな?笑う?未来の敬ならきっと笑うだろうな……この時代の敬はどうか知らないけど


「お兄ちゃん!!」

「遊!!」


 遊華と香月が慌てて追いかけてきた。何だ?くっついたのか?


「どうした?2人とも?」

「遊!明美と浩太君が無事に付き合い始めたよ!」

「そうか、でも明美さんと浩太は付き合いだしたか」

「うん、浩太さんはお兄ちゃんが出て行ってすぐに明美さんに告白したよ?」


 ほう、俺が出て行った後すぐにねぇ……アイツまさか……


「はぁ、そういう事か……」

「どうしたの?お兄ちゃん?」

「どうかした?遊?」

「アイツ、俺に冷やかされたくなくてヘタレたフリしてたな……」


 他人の告白を覗きに行こうなんて言い出す奴だ。他人の告白は見たり見せたりしても自分の告白は見せないなんて少し考えればわかる事じゃないか。相手が俺なら尚更な


「お兄ちゃん?どうしたの?」

「いや、なんでもない。浩太と明美さんが幸せになるといいなと思っただけだ」

「遊、それは大丈夫。明美はああ見えて一途だから」

「そうかい」


 俺は家への帰路の途中で携帯を取り出し、そして─────


「“何がとは言わないが、やり過ぎるなよ”っと」


 浩太にメールを出した。俺を騙した仕返しと浩太へのささやかな嫌がらせを込めてな


「お兄ちゃん、誰にメールしてたの?」

「浩太に応援メッセージをな」

「遊、なんてメールしたの?」


 何て答えたものかな……下ネタになりかねない内容だからな。適当に答えておくか


「明美さんと幸せにって送ったんだよ」


 俺はそれだけ言う。おそらくだが、今の時代の遊華と香月に下ネタはキツイだろう……いろんな意味で


「浩太さんと明美さん……幸せになれるといいね」


 遊華、浩太達は幸せになれると思うぞ?10年後でアイツ等に夫婦生活を見てきた俺が保障する


「浩太君と明美はどんなカップルになるんだろうね?」


 香月が心配しているのは浩太と明美さんがどんなカップルになるか?だが、浩太が明美さんの尻に敷かれるのは10年後で俺が見てきている


「俺も浩太や敬に負けないように彼女を幸せにしないとな」


 浩太も敬も彼女を悲しませる事はしない。俺だって遊華達を悲しませる事はしたくない。だが、俺には多分だがこれから厄介な事が待っている。


「お兄ちゃん」

「遊」

「ん?何だ?」

「「私達は十分幸せだよ!!」」

「そうか、それならよかった」


 遊華と香月は俺といて幸せだろう。美月だっておそらく同じ事を言うと思う。浩太と敬に彼女ができたのはめでたい事だ。だが、俺にはやる事がある。そう、それは……


「お兄ちゃん?」

「遊?」


 遊華と香月が不安そうに俺を見ている。ん?どうしたんだ?そんな不安そうな顔して?


「どうした?」

「何考えてたのかな?って思って」

「うん……」

「これから家をどうしようかと思ってな……」


 そう、親父が母さんといきなり出て行った後で香月と美月がやって来た。迷惑じゃないが、4人で住むには広すぎる。今まででも広すぎると言われれば反論できないが、中高生だけの4人と大人2人、学生2人の合計4人とはわけが違う


「今の部屋を私達の居住スペースにして、1階のリビングをお客さんが来た時に通す場所にすればいいじゃない」


 香月の一言で俺が今使ってる部屋と1階のリビングの使い方は決まった。問題は他の部屋だ。


「お兄ちゃん、他のお部屋の事は追々考えていこうよ」

「そうだな」


 他の部屋は追々決めるとするか。別に今すぐどうこうする話じゃない


「電話か……」


 家への道中で携帯が鳴る。相手は親父か浩太か敬だが……


「もしもし?」

『おう!遊か?今夜俺と彼女を泊めてくれ!』


 いきなり何を言ってるんだ?明日は学校だろ?


「いや、泊めるのはいいが、学校はどうするんだ?」

『準備してからそっちに行くわ』

「わかった」


 俺は浩太からの電話を切った。付き合ったその日に彼女と外泊か……浩太も大胆になったものだな


「お兄ちゃん、また鳴ってるよ?」


 遊華に指摘された通り、また俺の携帯が鳴っていた


「もしもし?」

『あ、もしもし?遊?』

「敬か?どうした?」

『今夜、遊の家に泊めてくれないかな?』

「それって彼女と?」

『うん……』


 浩太と敬はどうしてタイミングよく家に泊まりたいなんて言い出したかは知らないけど、まぁ、いいか。どうせ家に両親はいないんだし


「事情はわからないけど、いいぞ」

『え?いいの?』

「ああ、詳しい事は家に来た時に説明するが今、家に両親いないから」

『そ、それって……』

「大丈夫、早川と2人で安心して来い。じゃあな」


 俺は敬の返事を待たずに電話を切った。いずれ説明しようと思っていたが、浩太と敬が一堂に集まる今日がある意味ちょうどいいだろう


「遊?今日家に誰か来るの?」

「そうだよ、お兄ちゃん。家にお客さん来るの?」

「ああ、今日家に浩太と敬が泊まりに来る」

「「そう……」」


 遊華と香月は露骨にガッカリしている表情をしている。あ、そう言えば浩太達が彼女連れてくる事を言ってないな


「ガッカリしているが、浩太も敬も彼女連れてくるぞ?」

「「え?本当?」」


 遊華と香月の表情はさっきのガッカリした表情から一変しパァァと明るい表情に変わった。


「ああ、浩太は明美さんと、敬も彼女とイチャつくだろうから邪魔はされないと思うぞ」


 浩太達も自分の彼女をほったらかしにして俺と絡む事はないだろうし、それ以上にアイツ等の彼女って両方とも肝が据わってる。男を尻に敷くタイプだろうから俺の邪魔をする事はないだろう


「じゃあ、今日はみんなでお兄ちゃんとイチャイチャできるね!」

「だね!遊華ちゃん!」


 遊華と香月は客が来るというのに俺とイチャつくつもりか?まぁ、来る客も彼女を連れてくるから問題はないが……あ、浩太達が来るって事は─────


「晩飯どうしよう……」


 晩飯の問題が出てくる。朝飯もだが、人数が多くなるという事はそれだけ食材が減るという事だ。あとは料理する量も増える。未来でも思ったが、こういう時は焼肉とかすき焼きとかのみんなで1つのものを囲むものが楽だ。


「言われてみればそうだね」


 遊華も俺と同じ問題に行きついたのか、俺の晩飯をどうするか?という悩みに共感してくれた


「みんなで食べられるものがいいよね」


 香月はみんなで食べられるものがいい。と言ったが、みんなでワイワイと盛り上がりながら食べられるものがいいと思い言ったのか、用意が楽だから言ったのかはわからないけど、作るのは楽な事は確かだ。


「だな。仕方ない、浩太と敬が来たら買い出しに行くか」


 浩太と敬もさすがに手ぶらでは来ないとは思うが、人数的な事を考えると多分、足りない。食材も飲み物も両方足りない。俺と浩太と敬の男性陣のみで行くのかみんなで行くのかはわからないが、買い出しに行くのは確定だろう。



今回は浩太が明美と対面し、遊に泊まりの電話をしてくる話でした

次回は浩太、敬、遊とその彼女たちの対面をしようと思います

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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