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俺が恋人となった妹とイチャイチャする件について

今作は「遊びに行くつもりが未来に来ていた件について」のアナザーストーリーです。本編最終話で遊が結婚するまでに何があったかを楽しんで頂ければ幸いです。いきなりですが、今回は遊が恋人となった遊華とイチャイチャする話です。遊と遊華は実の兄妹ではない事が解っていても遊華のお兄ちゃん呼びはまだ抜けそうにありません

 あの日、俺は遊びに行こうといつもと同じように家を出て電車に乗り込んだ。だが、着いた先は俺がいつも遊んでいる街ではなく未来の世界だった。そこで大人になった妹・遊華(ゆうか)と義理の母・羽月(はづき)と義理の姉・香月(かづき)美月(みづき)と出会った。そこから俺はとても賑やかで充実した日常を過ごしていた。だが、そんな毎日が続くはずもなく、俺は遊華と話し合った後で元の時代に帰って来てしまった。俺が遊華に10年前に告白していれば結婚して子供もいたかもしれないと話したからだと俺はそう解釈している。


「遊華に告白して恋人同士になったはいいが、香月と美月は今頃どうしているんだ?」


 自己紹介が遅れたな。知っている人は知っていると思うが、俺の名前は藤堂遊(とうどうゆう)。未来に飛ばされた経験を持つ以外は普通の高校生だ。ついでに言うなら今まで妹だと思っていた遊華に告白し、その妹と恋人同士になった事を報告しておこう


「どうしたの?お兄ちゃん」


 コイツは彼女で妹の遊華だ。変だと思われたら嫌なので一応言っておくが、俺と遊華は実の兄妹じゃない。遊華は藤堂家の本当の子だが、俺は施設にいたところを親父が引き取った子、つまり養子だ。だから、妹を彼女にしようが問題ない。元々俺と遊華は赤の他人なんだから


「未来で出会った人達の事が気になってな」

「ふ~ん、確か義理の母の羽月さんとその娘の香月さんと美月さんだっけ?そんなに気になるの?」

「ああ、今頃どうしてるのかな?って思ってな」

「お兄ちゃん、浮気なの?私という彼女がいながら?」


 いやいや、浮気だなんてとんでもない。純粋に未来で香月は頼れるお姉さまキャラ、美月は天然ポワポワキャラを演じていたから、この時代ではまだそれが続いているのかと思っただけで疚しい事は何もない


「浮気じゃない。ただ、未来の世界ではキャラを演じていたからな。この時代ではそれがまだ続いているんじゃないかと思っただけだ」


 遊華の頭をやさしく撫でる。同じベッドで寝ている俺と遊華は同棲しているカップルか新婚夫婦みたいに思えなくもないかもしれないが、ここは正真正銘俺の家だ。いる場所が親父から譲ってもらった隠し部屋で今は同棲の練習をしているってだけで


「怪しい~、本当は私よりもその2人の方が好きなんじゃないの?」


 何を言いやがりますか?この時代ではまだ会ってすらいない人間をどうやって好きになるんだ?遊華が嫉妬深いのは10年後で嫌と言うほど思い知らされたが、この時代でも嫉妬深いとは思ってなかったぞ


「会ってもいない人間をどうやって好きになるんだ?」


 俺はこの後に写真があるわけじゃあるまいしとは言わなかった。いや、言えなかった。旅行に行った時に記念として撮ったプリクラがある以上、写真がないなんて言い訳が通用するわけがないからな


「いや、写真を見て一目惚れとか?」


 ない話じゃないが、俺はそんな男ではない。それに未来を知っている俺は浮気をしても意味がない事を知っている


「それだと俺はアイドルの写真を見て一目惚れする奴になりかねないんだが?」

「嫌!!お兄ちゃんは私を見て私だけを愛していればそれでいいの!!」


 いきなり叫ばないでくれ……たとえ話だろうが


「さっきのはたとえ話だ。俺が写真に移っているアイドルに一目惚れをするわけないだろ?アイドルは絶対に自分のものにならないんだから」

「本当?本当に一目惚れしない?」

「当たり前だ。写真のアイドルより目の前の彼女だ」


 写真のアイドルより目の前の彼女を愛した方がよっぽどいい。毎日触れられるしな


「嬉しい!!」


 嬉しそうに抱き着いてくる遊華。それを拒否する事なく受け入れる俺。見る人が見れば完全にバカップルだ。ま、ここだと見る人なんていないがな


「不安になり過ぎだ。少しは彼氏を信用しろ」

「うん!!」


 夜だと言うのに元気だな。中学3年生だと言うのに胸の感触伝わってくる。未来で経験済みだが、遊華はこの頃から胸デカかったんだな


「で、もう0時回っているがどうする?寝る?」

「まだこうしてたいな……」


 俺に抱き着いてる遊華からの可愛いおねだり。彼女からの頼みじゃしょうがない。しばらくはこうして抱きしめたままでいますか


「こうして見ると完全に夫婦だな」

「そうだね。ところでお兄ちゃん」

「何だ?」

「羽月さんって人といつ会うの?」

「さぁ?父さんが日時をセッティングしてくれてるって言ってたからな。詳しい事まではわからん」

「そっか」


 忘れていたが、今日は俺が未来から帰って来て2日目だ。言い方を変えると遊華と恋人同士になってから2日目となる。あの日なんて大げさな言い方をしたが、未来に飛ばされたのが昨日の午後1時頃で帰ってきたのが大体2時頃だ。だが、未来に飛ばされていた期間は5月の始めから6月の中頃くらいだ。まぁ、時間を飛び越えたんだから違和感があってもおかしくない


「俺は遊華一筋だが、父さんは美人に弱いから母さんと羽月さんのお仕置き2連発が見れるチャンスかもしれない」

「お兄ちゃん、私一筋は嬉しいけど、お父さんがお仕置きされている姿を見て楽しむなんて趣味が悪いよ?」


 遊華の言っている事は正しいが、起こす時に美人で釣られる親父もどうかと思う


「そうか、じゃあ、試してみるか?」

「何を?」

「俺の趣味が悪いかどうか」

「いいけど、どうするの?」


 俺は1台のノートパソコンを取り出し、起動させた。


「ノートパソコンを起動させて何するの?ゲームでもする気?」

「いや、ゲームはしない。あ、そこのマイク取ってくれ」


 俺は遊華にベッドの端においてあるマイクを取らせパソコンに繋いだ


「さて、じゃあ、実験スタート」


 カメラ映像を出し、親父と母さんが寝ている寝室を拡大した。ふむ、俺達と同じように2人揃って就寝ですか


「2人とも寝ているけど?」

「知ってるよ」


 どんなに深い眠りに就こうが親父は簡単な事ですぐに起きる


「どうするの?」

「まぁ、見ていろ」


 俺は遊華が見ている前でとあるキーワードを言った


「父さん、美人の女性が父さんに会いに来ているぞ」


 そう、親父に会いたい美人がいる。これを言ったら親父はすぐに起きるはずだ


『嘘!?え?どこどこ?』


 ほらすぐ起きた。美人なんているわけないだろ?大体、今は夜中だ。人が訪ねてくるはずもないしな


『遊斗?』


 美人で騒ぎ過ぎたのか、母さんが起きてそのままお仕置きされた。どうだ?これで趣味が悪いなんて言えまい。だが、俺は未来で経験してわかっているのはこれをやると遊華が必ずと言っていいほど嫉妬する。そして、俺も今そういう気分だから仕方ない


「おにいちゃ───むぐ!?」


 遊華が何かを言い出す前にキスをした。俺が親父を起こす時にやる美人で釣る方法は効果的だが、遊華の前でやったり、遊華に後で知られると嫉妬してお仕置きされる。俺も遊華とキスがしたい気分だ。お仕置き回避できて彼女とキスができるなんて一石二鳥だ


「っぷはぁ!いきなりキスなんてズルいよ!!」


 案の定遊華は顔が真っ赤だ。だが、口調はお怒りだが、顔がニヤけてるぞ


「仕方ないだろ。キスしたかったんだから」

「そ、そうだとしても一言言ってほしかった」

「あー、次からはそうする」

「絶対だよ?」

「おう!」


 キスしてたせいで話が脱線したが、親父の話に戻るか


「話が脱線したが、元に戻すぞ」

「うん……」

「父さんは今みたいに起こすと確実に起きる。だが、母さんにバレたらお仕置きされる。ここまではいいか?」

「うん」

「でだ、お仕置きされても学習しないから結局は同じ方法で起きてバレたらまたお仕置きされる。ついでに言うと俺の女性関係にも口出ししてくる始末だ。それこそ彼女をもう1人作ろうぜみたいな感じでな。遊華にもう1度聞くが、父さんのお仕置き2連発は楽しみじゃないか?」

「うん、すっごく楽しみ」


 遊華は俺と同類の人間になった。未来ではヤンデレになるばかりだったからな。こっちの遊華は俺と同類になってくれて嬉しいよ


「父さんを起こす時はこれが効果的だって事が理解してもらったところで、キスの続き、するか?」

「うん……」


 親父と母さんはきっと今頃は夫婦仲良くしているだろう。俺と遊華も恋人同士で仲良くしますか。一線は超えないけどな。まだ学生だし


「遊華、愛してる」

「うん、私も……」


 俺と遊華は互いの唇を貪るような激しいキスをした。未来に行く前だったら思いもしない行為、思いもしない関係になったと思う。だが、今はそうは思わない。同時に俺は遊華と喧嘩をしたり別れるなんてしないと自信を持って言える。だって、喧嘩する前に遊華がヤンデレになる。別れ話をする前に遊華がヤンデレになる。別れ話をしようものなら俺は遊華に殺されるかもしれない


「遊華……」

「お兄ちゃん……」


 キスが終わって2人で見つめ合ってても邪魔が入らないって言うのは素晴らしい。だが、1つだけ忘れている事があった


「遊華、1つ忘れている事があった」

「ん?何?呼び方?」

「いや、それは遊華が俺を名前で呼びたくなったらでいい」

「じゃあ、何?」


 話すべきか否か迷ったが、遊華が未来の事を人に言いふらすとは限らない。まぁ、言わないと思うけど。そして、言っていいものなのか迷うが、遊華を信頼して言っておこう


「未来だと一夫多妻制だった」

「ふ~ん、いいんじゃない?」


 この手の話をするとヤンデレになる遊華だが、今回はあっさり流したな


「どうした?いつもならヤンデレになるのに」

「別に?だって、お兄ちゃんは一夫多妻制になって複数の女性と結婚しても全員まとめて愛してくれるんでしょ?それに、他の女も私と同類にしてしまえばお兄ちゃんを複数で監視できるし監禁しても1日交代で監視していればいいし、私は他の妻とうまくやって行ける自信あるし、そもそも、平凡な女がお兄ちゃんを好きになるはずないから私は安心しているだけだよ」


 前言撤回。遊華は他の人も同類にして俺を監視するつもりだった。絶望すべきかそれとも、喜ぶべきかはわからない


「俺には遊華1人いれば十分だ」

「うん、私もお兄ちゃん1人いればいい」


 俺は遊華1人いてくれればそれでいい。だが、未来では香月と美月も俺に好意を寄せていてくれた。会った時にどうなるかはわからないが、きっと大丈夫だろう。すぐ仲良くなれる気がする。まずは会わないと意味がないんだがな

今回から「遊びに行くつもりが未来に来ていた件について」のアナザーストーリーが始まりました。本編の最終話で遊が結婚するまでの間に何があったか?をストーリーにしました。本当は番外編でやろうと思ったのですが、遊の年齢と結婚するヒロインの年齢等を考慮した結果、番外編の1話じゃ収まりきらなかったのでアナザーストーリーという形を取りました

今回は最後まで読んで頂きありがとうございました

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