ミタマホーム
和式単眼鬼
中盤あたりのレアモンスター。
和服を着て、額に二つの角がある。
経験値、ゴールド共にガッポリで4%の確率でグッドモーニングスター。アポカリプス、単眼鬼の角が手に入る。
「わかる?私はミタマ。ミ・タ・マ」
「うーあーう〜!」
(..可愛い!)
ミタマの頬が緩む。
ミタマはなにかに気付いて
辺りを見回しました。
「取り敢えず、ここは危険だから
私のお家に行こう」
そう言うとミタマは私の手を取って
その場から離れます。
そんなにまた強く引っ張ったら取れちゃうよ...。
歩く事数十分。
私はとある廃城へと来ました。
-バルチカの廃城-
その廃城の入口に誰かがいます。
「お帰りなさいませ。お嬢。
...?そちらは?」
そちら。と言うのは私の事なのでしょう。
ミタマはその人に言いました。
「私のお友達。服を用意して。
あと、部屋も」
その人は頭を下げると
闇の中へ消えていきました。
「あーぅ?」
「大丈夫。あれはヴァンパイアのカロス。
ここの専属執事よ」
その後、ミタマは私に色々と城の中を案内してくれます。
色んなところに沢山のモンスターがいます。
世界は広いのです!
そして最奥の部屋につきました。
その扉を開けると
巨人単眼とミタマと同じ和式単眼鬼がいました。
「お、おぅ..、随分な身体をお持ちのお友達を連れてきたな。ミタマ。
どれ、ワシがちょっと楽しいことをしよう」
そう言って巨人単眼は私の身体に触れようとします。
けれど、豪快な音と共に
目の前にいた巨人単眼は消えていました。
ふと、横を見てみると
白目を向いて、泡を吹いて崩れ落ちているそれがいました。
「ぺっ、このグズが...。一生寝てろ」
鬼と付くのだから当たり前だけど
その単眼鬼は鬼の形相をしながら
その言葉を吐き捨てます。
くるりと私に向き直したその人は
天使のような笑顔で私を歓迎してくれるのでした。
「あなたがミタマのお友達ね。
ダメよそんな格好じゃ。変なクズどもが寄ってくるじゃない」
この人、笑顔だけどすごく口が悪い...。
「私はミツネ。ミタマの母です」
それを言って次にあそこで崩れてる人を親指で指して
まるで害虫を見るかのような顔で言いました。
「あそこでくたばってるクズはデプリタ。
私の夫でミタマの父親よ。
なんであんなのと結婚したのかわからないわ」
なんとなく分かったのは
この人は口が悪い!という事でした。
「ぅう~?」
「あらこの子、言葉が?」
そう言いながらミツネはミタマの方を向きます。
「この子、言葉は理解できるよ。
言葉が喋れないだけ」
喋れないというか、どう発せればいいのか分かりません。
ミタマはミツネに私がここに住めるように話をします。
それはあっさりと通り、
私はミタマ部屋へと来ました。
部屋に入ると、カゴにカロスさんが用意してくれた服。というものがあったので
ミタマに手伝ってもらい、着ます。
....違和感。
馴染まないので脱ごうとすると
ミタマが私の肩をガシッと掴んできました。
「着てなさい」
その表情はまさに母親譲り。と言えます。
その日から私は言葉の勉強をするようになります。
いえ、ミタマがそれにやる気を見だした。と言った方がいいのでしょうか?
言葉は難しく、大きな壁です。
そして言葉は広く深いのです。
一文字違うだけで違う意味になり、
発音が違うだけで別のモノになります。
数週間後....。
「ぺらぺーら。ぺらぺらぺらぺら
ぺらりんちょ」
ミタマの大きな目が点になってます。
そしてハッと気づいて私に言いました。
「違う!やり直し!!」
それから二週間後。
「こほん。お兄ちゃんはなんで私の事見てくれないのっ!?
私はこんなにお兄ちゃんのことを想ってるのに!!
...わかった。全部あいつが悪いんだ!」
「待って。やめなさい。やり直し」
それから更に一週間後...。
「初めまして皆さん。スライムです。
名前はまだありません。
ふちゅちゅか....。ふてゅ...。ふつちゅ....。
ちゅちゅちゅちゅちゅーっ!!」
自己紹介がうまくできません。
皆は大いに笑います。心が折れそうです。
それでも皆は優しくて温かくて。
私を家族のように迎え入れてくれました。
ここで生活するのは悪くない。
と思えた矢先、カロスさんが急いだ様子で
デプリタさんの元へ向かいました。
嫌な予感とは。どうしてか当たってしまうものなんです。
巨人単眼
初盤の大きな壁。
攻撃力と体力が高く、一撃くらったら初心者は逝きます。
苦労して倒したのに経験値は少ないので
泣いた冒険者も多い。