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国の宝

リドルは外に出ます。

外は活気に溢れかえっていました。


「おう、お嬢ちゃん。おはようさん。よく眠れたかい?」


「おはよう、おじさん。お陰様で」


外はよく晴れていて、昨日の雨が嘘のようでした。

私は辺りを見回します。


そこに広がる光景はほのぼのとしていて

平和。というのに相応しく思えました。


「ここは穏やかだね」


つい先日まで色んな人達と戦ってきたとは思えない、のどかな所。

あぁ、私が望んでいるのはこういうことなんだ...。


-キッツル廃坑-


「これでここの駆逐は完了しました!」


「うむ。ご苦労」


国王はそう言うと歩みを進める。

その背中はなにかに囚われているようにも思われた。


廃坑の入口付近に差し掛かり、王が歩みを止め

そこに立つ人をゆっくりと見る。


「まさか私に声がかかるとは思わなかったね〜」


「...英雄王の息子が来ないのだ。ならばこうなるのは承知しておるだろう?バーサーカー」


それを聞いてバーサーカーは少し笑った。


「この先を少し行ったところに廃村がある。行ってみるかい、第5国王様?」


....。


よく晴れ渡った空を見上げている老婆は呟きます。


「なんだい、何か嫌な予感がするねえ〜」


その言葉は現実となり、私達の前に現れます。

それは私達にとって最悪の事態であり脅威です。

私の目の前にこの国の王がいるのですから。


「これは実に驚きだ。まさかこの廃村に魔物が住んでいるとは思わなかった。

無駄足にならずに済んだ。礼を言おう」


そう言うと国王は剣を抜き、こちらに構えました。

その剣を見たデプリタは私たちに言いました。


「あれはいかんな。国の宝が出てきちまった

今のワシらでは勝てんぞ」


魔剣ベルゼブブ

貪食と言われたその剣は、相手の血肉を喰らい続ける事により

力を増すと言われている


「魔剣が国の宝なんぞ、世も末だな」


「どれくらい、この剣に血肉を喰らわせただろうか...?

元々はただの聖剣(パラディンソード)だったんだがな...。

当時のワシは若かった。若かった故に過った。

一刻も早く魔王を倒すためにワシは力ばかりを欲した。

もっと強く、誰よりも高みを目指した。

そうしたある日、この剣を握った時、激しい違和感を覚えた。

身体の奥底から湧き上がる力を感じ、敵を斬った瞬間その力が膨張する感覚を感じた。

当時の...いや、今でもワシはこの力に恐れを覚えておる

だからワシは違う形で国王を目指し、それと共にこの剣を封印しようと考えた。

しかし、それは叶わなかった。

何故ならまたこうしてこの剣を手に取り、いま貴様らと相見えているのだからな!!」


「いかん!お前たち下がれ!!何かとてつもないものが来るぞ!」


デプリタは私達にそう叫びました。


「真空衝波斬!」


それはあまりにも一瞬の出来事でした。

国王が剣を振り下ろすと強い突風と共に仲間(モンスター)達が力なく倒れていき

周りの草木が枯れていきました。


「ひっ!?」


ミタマは小さな悲鳴をあげます。

これが魔剣の力なのだと、思い知らされました。


「さあ、行け我が親愛なる同士たちよ!

この力を持って、敵を殲滅するのだ!!」


その声に応えるように兵士たちが雄叫びを上げ私達に襲いかかってきます。

魔剣ベルゼブブ

聖剣(パラディンソード)が血肉を求め続けた結果の一つ。

その剣に贄を捧げれば捧げるほど力を増大させることが出来る。

しかし力を求めすぎると

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