表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/21

スライムの娘は捕食する

エルフの長弓

森の守護者の証として1人前になったエルフィンに送られる弓。

非常に強度があり、乱暴に扱っても壊れないらしい。

私は笑います。


ただニッコリと

私の選択に自信を持つために。


飛んでくる数本の矢は

私を軽く貫きます。

そんな私を見て、彼女は驚いていました。


「貴女...モンスターなの」


そんな彼女に私は首を縦に振り

肯定します。

するとどうでしょう。

彼女は一瞬にして目付きが変わり、憎悪に満ち溢れんばかりに私を睨みつけます。


「構え!...打てぇっ!!!!」


その言葉が発せられると同時に

たくさんの矢が私めがけてやって来ます。


私は避けず、その攻撃を受けます。

スライムだから私の体はバラバラになってしまいます。

スライムだから...。


「分裂した?」


そう、スライムだから分裂しました。


私の体力の半分を消費して

分裂は行われます。

そしてその分裂も体力が続く限り分裂が可能です。


「隊長!分裂しましたよ!?」


「臆するな!!分裂は体力を削る!

体力尽きるまで削れば勝機はある!!」


やっぱりこれの弱点はわかっているようです。


矢を当てられるたび、私は分裂していきます。

一あった個体が二に。

二つあった個体が四に。

四あった個体が八に...。


あれから幾らか分裂しました。

ざっと128でしょうか?


流石にハイエルフィンの攻撃はやんでしまいます。


「くっ...なんだこいつは?」


「底なしの体力ですかぁ~...?」


底なしではないです。

確かに体力は大分消耗してしまいました。

でも、私の中で、私の中に仲間がいます。

仲間がくれた力があります。


...。


私は、無力だ。

仲間を救えなかった。


「私にもっと力があれば....」


私は、死んでしまったコボルトを見ます。


「...コボちゃん。私に力をちょうだい」


私はコボルトを食べました。


コボルトから体力強化のスキル、物理耐性を習得しました。


「...行こう。仲間が待ってる」


...。


だから私は、この力を最大限に使って

今目の前にいる敵を全力で排除します。


「もう攻撃は終わりですか?

次は私の番でいいですか?」


戦闘において、恐怖を覚えてしまったら

どんなに強い軍勢もあっという間に崩壊してしまいます。


私の分裂達は獲物目がけて襲いかかり、捕食します。


恐怖で泣き叫ぶもの、命乞いをするもの、絶望に狂い叫ぶもの。

その断末魔はものの数分で静まります。


私はそこに居るハイエルフィンのを見ます。


「残ったのはあとは貴女だけです。どうしますか?」


彼女は震える声を抑えて私に尋ねてきます。


「...何が望みなの?」


そんな問いに、私は静かに口を開きました。


「私の望みはただ一つです。

モンスターが平和に暮らしていけること。他者と争わない。

勇者や冒険者達から狙われない。

...これが私の望みです」


それを聞いて彼女は理解し、その条件を承諾し、去ろうとしました。

私は続けて言います。


「...ただ、貴女達は私の沢山の家族を葬りました。

そんな貴女を、私は許せません。

それに、貴女が私の要求をのんだとしても他の脅威(ひと)達が来るでしょう」


「ま、待って..!」


私は口を大きく開けます。


「いただきます」


苦痛と悲願に歪んだ彼女の顔は

もう助からないと悟り、私の中に消えていきました。


「....ごちそうさまでした」

勇者の母

あああああがどうしても勝てない存在。

元最強のバーサーカーだったとか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ