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初めまして。スライム娘

スライム娘。

まだ名前はない。

知能だけはすごく高い。

言葉を理解できるが喋ることが出来ない。

元々スライム達は身体を揺らし

意思疎通をしているからである。


こんにちは。スライムです。

まだ名前なんて無いですし、何よりスライムですし。


私の事を言います。


私はとある村の近くの草むらで

のうのうと暮らしていました。

が、ある日、村の勇者(あああああ)が経験値を稼ごうと

スライム狩りを始めました。


必死に逃げる私と私の仲間たち。

しかし、私の仲間たちは次々と勇者に倒されていきます。

少なくなった私の仲間達。

私はそんな苦しい生活が嫌になり、

神様にお祈りしました。


(平和に暮らして行けますように.....)


そんな事を思いながら

その日は眠りました。


そんな次の日、いい日差しを浴びて

目を開けます。

そしたら、人間になっていた。

という、いきなり展開すぎる事が起こりました。


「な....うぅ〜?」


私の仲間は私の周りに集まってきます。

私の仲間は私に敵意をむき出しにしています。

私はそれが怖くなり

その場から逃げました。


近くの森に逃げて、迷子になります。


「あぁ.....ぅ.....」


一人ぼっちだと思った時、

急に苦しくなって何かこぼれ落ちてきました。

すると草影から誰かやって来ます。

勇者でしょうか?

勇者だとしたら、いっその事ここで倒されてしまいたい。

しかし、思っていたのとは違って、

出てきたのは女の子でした。


「泣いてるの?」


その女の子は話してきます。

女の子を見ると目はひとつしかなく

額から角が2本出てます。

あぁ、これが単眼鬼(サイクロプス)か...。

ぼーっとしていると

女の子が何かを言ってます。

私は我に返りました。


「なうっ!?」


女の子は言いました。


「あのね...裸だと、色々目のやり場に困るから

と、取り敢えず。服を...着よう」


服?服とはなんでしょう?

でも先程から私の体の一部が

不自然な光に包まれています。

私は、これでもいいんじゃないかとその子に伝えます。


「あぅぁ~!あーうぅー?」


(...どうしよう。何言ってるのか全然わかんない)


女の子は眉をひくつかせて

困った表情をしています。

すると向こうから足音が聞こえてきました。

女の子は音に気付き、

私の手を取り、その場から逃げようとします。

が、私はスライム。

そんなに強く引っ張られたら...。


ぷにゅん。ちゅぽん。そんな音が合っていそうな千切れ方をする私の手。

女の子は尻餅をついて凄く痛そうにしています。

女の子は右手に持つそれに気づきます。

顔がどんどん青ざめていき、

口をパクパクさせ、

絶叫まで残り五秒前。よん...さん...に....いち...。


「ぴぃにゃあぁぁぁ~~~っ!!?」


女の子は泣きながら走って逃げます。

千切った私の右手を持ち去って...。


「ぁぅ~...」


女の子が逃げていった方向を見ていたら

誰かがこっちにやってくるのがわかりました。

私はその音の聞こえる方を振り返ります。

草木をかき分けて1人の男性が

やってきました。


「こっちからすんごく可愛い悲鳴が聞こえ...。んんっ!?」


その男性と私は目が合います。

私はこの人を知ってます。

私達を斬り捨てていく勇者(あああああ)です!

私は覚悟を決めて

この勇者(あああああ)に倒されよう。


しかし勇者は

そこから微動だにせず、私をただ見ています。


「ま...、ま....」


私は小首を傾げ、人差し指を

口元に当てます。


「な~...?」


「マジかぁああいっ!!!

ひゃっっほおおおおっ!!!!」


勇者(あああああ)は身体全体で

ガッツポーズを取ると、鼻と口から大量の血を出して倒れてしまいました。


それが私のスライム娘としての生活の始まりです。

勇者(あああああ)

よく名前を決めるところでこれにするよね。

年齢25。

村から出ず、RPGには不向きなニート勇者。

でも意外とそこら辺の勇者よりは強い。

勇者なのに出番はもうないと思っていいよ。

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