第8話「入学ー!」
僕→ボクに変えていきます。
今回は少し短めです。
第8話「入学ー!」
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歴然とした「力の差」を実感したあと、ボクはその後の日々を魔術の鍛錬と、魔法の習得に費やした。
魔術の鍛錬――式句を推敲して術式を練り上げ、無駄をなくしたり、威力をあげたりする――は比較的さくさく進んだ。
そんで魔法の習得。
これはもっとさくさく進んだ。いやだって、「想像を現実に」って、まさにボクにぴったりじゃないか!
お父さんの魔法のレッスンが始まってすぐに適性が高いことがわかった。
「まずはぁ、指の先に火が灯る想像を……」
「はい」
「……じゃあそれをぉ飛ばし「ほい!」」
「……よろしい」
といったぐあいだ。
たまにリンネ、バルジたちとも一緒に練習がてら遊ぶこともあったけど、頻度はちょっとずつ下がっていった。
ここいら二年の生活はこんな感じ。そして黒の月の今日、ボクは七歳になり、春に当たる翠の月から魔導を学ぶ学校へ入学することとなった。
学校でさらに魔術、魔法を鍛えて、『魔導杯』という大会に参加。そこで入賞すれば勇者選抜戦に参加できる。勇者か、そのパーティメンバーに選ばれれば晴れて国の代表として魔王へ挑むことができる。
魔王に勝てばもう頂点に立ったって言えるから、あの日たてた目標は達成できるって話。
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入学前日
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「これをぉ持っておきなさい」
そういってお父さんがボクに渡してきたのは小指の先ほどの小さな結晶がはまったペンダントだった。
「本当に危ない時はぁ助けてくれるでしょう」
まだこれが何なのかは分からないけど、とりあえず貴重だってことは分かった。
ここいら半年は二人にも全く会ってなかったし、明日の入学式が楽しみだ。