はじめてのおつかい。
皆さんお久しぶりです。ぐりむりぃぱぁです。
最近とても忙しく、風邪を引いたりもあって予定していた日時よりだいぶ遅れた投稿となってしまいましたが、これからも投稿は続けますので、よろしくお願いします。
さて、第4の街へと向かうわけですが、まあ理由って言っても、神殿で移動できるからなのと、レベル上げで使ってた森が使えないから、先に進んで強い敵を倒してレベルをあげたいからなのだ。
と言っても、第4の街のmobってそこまで第3の街周辺のmobと差がないらしいので、第5の街までササッと行くべきかな?
「どうしよっかな?」
スキルポイントなんかも余ってるし、色々スキル取ってもいいけど……これ以上増やすと管理が大変なので一時自重……というかスキルのランクをあげるのにもポイント使うから残しておかないと……
「Vau」 「--」 「ギュァ」
「う、く……くすぐったい……」
ヴォルカくんは足元を警戒しながら歩いてるだけだけど、リットくんはローブの下で抱きついてるし、ピートくんは腕を這い回ってる、そのせいでくすぐったさがすごい。早いとこ慣れるか、布の厚さを変えるかしないと戦闘中にくすぐったさで動きが鈍るとかあるかもしれない。今度ディレスさんとかに相談しておこう
しっかし、ヴォルカくん、リットくん、ピートくん、と3人の眷属ができたのはいいけど、パーティをプレイヤーと組めないのはちょっとしんどい。ひと枠余ってるし、誰か誘っておけばよかったかな?
まあ、すぎたことはしょうがない……あ、そうだ、久々にギルドで依頼でも受けてみるかな?って、自分から依頼受けるのって初めてなんだけど……
とりあえずサルドの街のギルドに。あれ、マユナさんが居る。なんでだろ?
「こんにちはマユナさん」
「あ、コカゲさん、こんにちは、なにか御用ですか?」
「あ、いや、なんでマユナさんがいるのかなーって気になったのと、一度次の街に行って起きたいなーと思って、道中にできる依頼とかないかなって探しに来たんですけど」
「!?」
くわっと目を見開きこちらを驚愕の表情で見るマユナさん。いきなりなんだ
「あ、あのコカゲさんが……あのギルドに顔も出さなかったコカゲさんが……自分から……依頼を……?」
「えっ?あ、はい、いや、まあ自分から依頼を受けるのは初めてですけど……」
「なんでそのランクで初めてなんですか!?」
ギルドに行くより直接mobを狩る方が手っ取り早いからです。
「と、と、とにかく、お仕事受けてくださるんですよね!?」
「は、はい」
マユナさん必死すぎません?
「でしたらこちらはいかがですか?オーク肉を欲しがっている食事処の店主さんからの依頼なんですけど、フォステルの街の周辺ではオークはあまりでないんですけど、サルドの周辺では定期的に出てくるので、それを討伐して行けば、ちょうど良いと思うんですが」
オークか……とりあえず依頼を見てみる。オーク肉、多ければ多いほどいい、一頭分3000、五頭です20000、これは悪くは無いのでは?
「フォステルは料理が盛んな街で、山、川、海水の混じる湖が近いこともあって、とにかく食に関して栄えてるんです。なのでこの手のお肉を持ってきて欲しいって依頼はゴブリン狩り並にいつもあるんですよ」
「へぇ、そうなんですね」
「オークはランクDならば余裕で狩れるレベルの魔獣ですし、コカゲさんでしたら……ねぇ……?」
「いや、ねぇって……まあ、そうですけど」
ヴォルカくんとスケルトンズでも十分行けると思う。数でこられると怖いけど
「他にも、確かいくつかの木材の需要がありましたし、コカゲさんはこの間大量に木を伐採されてましたから、この辺りもおすすめかと」
いくつかの依頼がズラーッと並べられる。ランクD相当の魔獣の討伐が十件、魔獣や魔物のお肉の納品依頼が5件、木材の納品が3件、あとは常設のゴブリン退治や薬草採取の依頼が数件
「……こんなにあるんですねー」
「ここら辺はまだ田舎の方ですから、危険な依頼は少ないですが、それでもその分数が多いため、こういった討伐系は無くならないですからね。採取系も、一般の方には厳しいところでも、冒険者の皆さんなら安全に行けますから、やはり無くなりませんね」
まあ、ここはゲーム的にも当然っちゃ当然な部分だけど、なるほど比較的安全なエリアだからこその需要というものがあるのか。
「……この辺の説明は、ギルドに最初に依頼を受ける時に行うアナウンスなんですよね……」
おっと、またマユナさんが暗い表情に……ごめんなさいって
「受けるのに制限とかってあるんですかね?」
「あ、ここにあげた依頼には制限はありません。受けることが出来る数も、このレベル帯でしたら上限もありませんし、いくつでもお受け可能です」
目の前に並ぶ依頼書は18件。うーむ、面倒だし、ここは全部受けちゃえ
「じゃあ、常設以外の依頼全部受けます!」
「ありがとうございます!これらは全部受付がフォステルなので、そのままフォステルに向かっていただいて大丈夫ですよ!」
「そうなんですね……まあ、またすぐ戻ってくるとは思いますが、ちょっと行ってきますね」
「はい、おかえりをお待ちしていますね」
軽い挨拶を終え、そのままの流れで街の外へ出ます。依頼で受けたmobは一通り戦闘してるので、生命感知でどこにいるか大体わかるからこのまま進んでいく。
1番強そうなのがオーク、めんどくさそうなのがレインクロウという水魔法を使うカラスの魔物で、第三の街から第四の街に行く間で最も多くの被害を出しているmobである。
オークは3から5体のグループで動くことが多いらしいけど、まあどうにかなる。
問題はレインクロウだ。下手するとめっちゃでっかいカラスがぶわぁーって飛んでくるんだ。動画も見せてもらったけど、1羽を矢で落としたパーティが、トドメをさしきれずにいると、大きな声でカラスががぁがぁ鳴くと、どこからともなくレインクロウが大量に襲いかかってきては嘴や鉤爪で攻撃してくるわ水魔法をそれこそ雨のように上空から打ち続けるわで酷い有様だった。もっとも、仲間を呼ばれる前に仕留め切れればただ飛んでるだけのカラスである。
しかも、もしこのカラスにやられると、お金を多くロストする他、装飾品や高価なアイテムを確実に持っていくので、仲間を呼ばれたレインクロウは一種のレイド戦闘状態で、十数人パーティが必須だとか。五の街まで行ったプレイヤーがわざとレインクロウを呼び込んでレベル上げをしてる、なんて話もあるくらいだ。
「他は兎とか鼠とかで簡単なんだけどねー」
左腕をぶんっと振れば袖口からリットくんの爪が出てきて少し離れた位置の鼠を突き刺し、右手を振るえば兎を掴みそっと乾燥。狼や野犬はヴォルカくん率いるスケルトンズが群れ対群れの戦闘で押し勝つ。うーん、順調順調
そうこうしているうち、高かった日もかげり始める。オークは昼夜問わず出てくるけど、レインクロウは夜はほとんどエンカウントしないので少し索敵の範囲を広げる。
「お、オークだ。なんか多いな」
生命感知にオークが引っかかる。既に3体のグループを2つ討伐済みだけど、数が欲しいので討伐するか少し悩む。
あと4体で10体分の報酬だけど、今探知に引っかかってるのは12体のオーク。4体ずつのグループが合流でもしたのかな?
「まあ、ピートくんにたよらずどこまで行けるかちょっと試して見たいかな?まあ、ここに居るんだけど」
「ギュア!」
右腕の袖から顔を覗かせるピートくん。いつもお世話になっております。
隠密を意識しつつ、ヴォルカくんにスケルトンズを率いてもらい左側から包囲をしてもらう。リットくんはキャストオフして側にいてもらう。
ちなみに多く相手に下級のレッサーレイスやレッサーゴーストじゃほとんど歯が立たないので今回は戦力としてはカウントしてない。物理ダメージを受けるレッサーワイトなんてワンパンで素材に逆戻りだった時は思わず声が出たものだ。
「なんか、ほんとにただ合流しただけっぽい」
ふごふご鼻を鳴らすような感じで会話なのかただの呼吸なのかをしているでかい茶色い豚鬼が12体、さすがに威圧感があるな……
オークは速さがない代わりにパワーはすごくて、私は2発くらいまともに攻撃がヒットしたらHPは全損しかねないくらいである。ああでも、防具が今はかなり強いし、もうちょっと耐えられるかな?
「……あれ?あいつ剣を持ってない?」
じわじわ包囲を狭めてる最中に気づく。1頭だけほかよりも何となくがっしりした体つきで、丸太みたいな棍棒の代わりに錆だらけの片手剣を握りしめているのが見えてきた
「上位種ってやつかな?」「ギュアァ?」「ーーー」
ピートくんは首を傾げるように体をひねり、リットくんは相変わらず反応もなく、音もなくオークに近づいていく。
ヴォルフくんも予定の位置に着いたので、リットくんにお願いする。
「適当なやつ糸で縛っちゃえ!」
「ーーーー!」
すすすすす……っと素早い動作でオークの1匹に近寄り、がぶりと噛みつき、オークが驚いてる最中に近くにいた別のオークに糸を絡ませ素早く離れる
「ブモォ!フゴァ!!」
剣を持ったやつがその剣をブンブン振って怒鳴り散らすと、慌てたオーク達がリットくんめがけて殺到する。
「後ろがお留守!ヴォルカくんGO!」
「vawha!gurala!!」
その隙を着くように動いていたヴォルカくんと一瞬遅れてスケルトンズが偉そうな剣持ちオークにとびかかる
「ブギャァ!?」
悲鳴をあげた剣持ちオークに慌てて振り返るオーク、その隙にリットくんがチクチク噛み付いたり糸を絡ませたりしていく。
私は予定を少し変えてヴォルカくんの方へ駆け寄り、剣持ちオークにサンドショットをぶつける
「ブギー!」
「うおぉ!?」
ブンブンとでたらめに剣を振り回される。耐久がそこそこあるスケルトンズが一撃で砕けるのを見て、さすがにまともに食らうのはやばそうだと思いつつ杖で殴り掛かる。
「どりゃ!」
剣に弾かれお腹にはつき刺さらなかったけど、それた先が肩で偶然にもぐいっと押し倒すような形でオークのバランスを崩すことに成功。
「!そぉい!」
右手をぶんっと振れば、隠れていたピートくんが飛び出し、剣持ちオークのお腹に噛みつく。そのままオークにタックルするようにぶつかり、瘴気と呪いにかからせる。ついでにガリガリと爪を立てて引っ掻く。これで毒もバッチリ!
「ブモォ!フガァァ!」
「ぐえ!?」
あまりダメージにならなかったのかお腹を払うような動きで殴られ飛ばされる。うげ、3割持ってかれてる、さすがに後衛だと防御が心もとない!
「こんのぉ……!《サンドショット》!ヴォルカくん達はリットくん援護!」
「vau!」
ヴォルカくんに指示を出しつつ、杖術を発動して素早く構える。
「フゴァ!ブゴォ!」
「ふごふごうっさい!」
【門】の構えをとり、剣持ちオークの振り下ろしを受け止めようとするが、筋力差からか受けが失敗してダメージを受けてしまう。
「うぐ、さすがに強いな!」
咄嗟に離れて構えを物見に変更する。少しだけ視野が広がり、剣持ちオークの動きがよく見える気がする。
「プギィイ!!」
今度は大きく横に薙ぎ払ってくる攻撃を、杖を傾けて受け流し、杖術の払いで強く剣を持つ腕を殴りつける。が、剣を離すことはなく、まだまだ元気な様子。仕込み牙も当たってるから、酸と毒の継続ダメージはあるけど、この調子だとあんまり意味はなさそう。
うーん、さすがに首とか急所に当てないと厳しいか……あ、リットくん達が押され始めてる!ピートくん向こうの援護よろしく!
「ピギュィイ!?」
ポーンっと投げてオークの1匹の頭上に。そのまま口から……これ以上は伏せておこう。とりあえず1匹のオークは犠牲になったのだ。
「さて……一体一とかピートくん以来?ピートくん程じゃないけど……ちょっとピンチ?」
HPバーを見れば残り5割ほどで、対する剣持ちオークはHPが7割残ってる。限定召喚ピートくんと私の攻撃で3割だから、本当に固い。それでも、魔法が効かないわけじゃないからまだどうにかなるね。
「《サンドダスト》《ブラックミスト》!」
視界を奪う系の魔法の二重がけ、これで結構命中が下がるはず!
「うおっとっと!」
大振りな攻撃をやたらめったらとってくるので一旦距離をとる。
「じゃあ、ちょっとMP多めに……《ダークレイン》!」
ピートくん達眷属が戦闘中のオークごとダークレインの範囲攻撃!ダメージは少なくても、動きが遅くなればその分攻撃が通りやすい。
「《ロックボム》!オマケにもう一回は《ロックボム》!」
「ブギャァア!!」
さすがに2回の大技は効いたのか、大声をあげて剣を落とすオーク、しかも足に来てるのか片膝を着いた!これはチャンス!
「《杖技・椿落とし》!」
大きく遠心力を乗せた振り下ろしを剣持ちオークの首目がけて振り下ろす。クリティカルは入らなかったけど、大ダメージは与えられたらしく、残りのHP?2割を切る、これは行ける!
「とりゃ!とりゃ!」
べち、べち!と杖で殴る。たまらず剣持ちオークも腕で頭をかばうが、容赦なく殴る。というかMPはまだしも、SPが切れそうで杖技が使えぬ!スタミナ不足!
「フゴォ!」
「がふっ!」
今度は起き上がり越しに殴られて距離を開けられる。その隙に剣を拾われてしまう。
「でも私相手に距離なんてとっていいのかな?《マッドショット》!」
顔面に向けてマッドショットを放つ。綺麗に顔面シュートが決まり上手く視界を奪ってやった。
「これでトドメ……《ろっくぼ……》あ、MP足りない」
ゴソゴソとポーチを漁って劣化mpポーションを取り出しグイッと一息に
「ふう、まずい、あ、《ロックボム》」
なんか最後は締まらないけど、今使える1番の火力の魔法でトドメを刺す。
「……よし、撃破完了!勝ったー!」
久々に完全に1人で戦ったけど、こういうのも悪くない。
そう思って一息ついた時
「ブゴォ!」
「あっ」
ピートくん達を躱してきたオークに殴られ
久々に死んでしまったのであった。