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新たな仲間

お久しぶりです。少々体調を崩しており、投稿が間に合わず申し訳ありませんでした。短いですが、投稿させていただきます。

 一定距離を逃げ出したところからは、ここに来るまでの道中と同じようにまばらに生命感知や、ヴォルカくんの警戒網に雑魚が引っかかる程度で、特に何事も無かった。もっとも、中層付近なので、少々手強い敵も増えてきた。


 ヒートウルフ三体とウルフ五体の群れとか結構ヒヤリとするものがあった。ジャイアントビートルの番なんかはまるで重機におわれてるような迫力があったし、ビッグアントの上位種のジャイアントアントはヴォルカくんよりも強く、かなり危なかった


「さすがにこの辺からは初見モンスターが増えるな……それも、前通った時にはいなかったやつ」


「半分は初見だね……とりゃ」


 もちに入ってから実に14羽目の兎である。兎は後でピートくんたちのご飯になります


「で、集落から1時間……あれも集落、だよな」


「そうみたいね……私の目が節穴じゃなければ、オークっぽいのが見えるんだけど」


「大丈夫だ、ワタシにも見えてるよ……こりゃまじで鬼系の混成軍の可能性があるぞ」


 汚い茶色のような肌に、腰蓑っていうものを巻き付け、棍棒を持った、イノシシ頭のデブが切り開かれた土地を闊歩している。そばには緑色の肌のゴブリンに、狼やコボルド、はては今まで見たことの無い猫型のmobまでいる始末。狼よりも小型だけど、動きは狼よりも早そうだ


「猫の方は初見だな……うーん、オーク、ゴブリン、コボルド……これ、おーが確認したら速攻で逃げる必要が出てきたな」


「ふむ……」


 オークの強さがわからないし、あの猫もかなり厄介そうなのである。狼ほど数はいないが、その分、狼……ウルフや、ヒートウルフよりも上位の可能性がありそうだ


「どうする?オーガ探してみる?正直、こっから先、いくら4人と1匹とはいえ厳しいと思うんだけど」


「俺もそう思うぜ。1匹2匹ならまだしも、二十三十といたんじゃ勝ち目がないぞ」


 実際、ピートくんフルで動かせればやれなくはないだろう。それでも、オーガやらキングが出てくれば厳しい……でも、なんとなく、ピートくんならやれそうな気がする


「まあ、オークが出てる事実があれば、それなりの数プレイヤーは動くだろ、確かオークにオーガも、ゴブリンと一緒で魔石系のアイテムドロップしたはずだし」


「だな、じゃあまあ、スクショして引き返そう」


 とりあえず隠密能力が1番高かった私が判別がつくギリギリのラインから数枚スクショを撮り、画像を待機中のコーデリアに送っておく。ついでに掲示板の記入もお願いしておいて、改めて周囲の警戒を行う


 しかしオーガかー。強いんだろうなー。素材欲しいなぁ……眷属にできれば即戦力だろうな。特に私は後衛だし、自由に使える前衛は正直欲しいところ。オークは……なんか、汚いからいや。ブルならOKなんだけどね


 ある程度偵察を終えれば、満場一致で帰ることに決定、とりあえず大回りで戻ることに。オーガは見えなかったけど、オークがちらほら混ざっていたのが確認できたのは良かったと思う


 しかしさすがに大回りとなると中層を横切ってしまう。自然、敵の難易度も上がってくる。地面の下から飛び出してくるビッグアントとかならまだ可愛いもので、木の上からゆっくりと降りてくる黒い蛇は闇魔法を使うダークスネークで、隠密能力が高く、しかも生命感知を誤魔化す手段を持っている個体もいる。他には蔦を伸ばしてくる食虫植物的なプラントウィッパーや、狼系モンスターを捕食していたウルフイーターなんかも、とにかくタフでやりづらい


 中でも1番厄介で、強いのが今戦闘中のスクリット・パウクという胴体……頭と腹部だけで人間の胴サイズの足が非常に長い蜘蛛だ


「こいつは、ほんとに、厄介、だ!」


「--」


「ぬぐ、速い……!がっ!」


 そう、まずもって動きが早い。元が蜘蛛だけあって音もほとんど立てずに気づいたら高速で接近しているのだ


 体はそこまで頑丈じゃないけど、牙と足先にあるフック状の爪は剣を弾くくらい硬さがあり、しかも大きい分重さもあるので体当たりされるだけでかなり危険なのだ


「《サンドショット》!」


「おりゃ!AGI特化舐めんな!」


「《エンチャント・スピード》!」


「サンキュー!そらぁ!」


 幸い魔法もそこそこ効くし、そもそもHPや物理防御も特別高くない、だからこそ、速さと不意打ちが非常に怖い


 だって生命感知を使って索敵した後、ウィンドウから目を離して周りを見渡すとその僅かな間に感知範囲外から襲いかかってくるし、おなじみの糸を使った拘束まで仕掛けてくる。これ中層でもかなり強い方なんじゃなかろうか


 感知能力もかなり高い。蜘蛛って確か音に敏感なんだよね。ちょっと喋るだけで気づけばそこに居たりする。


 今回ので7匹目のデカ蜘蛛だが、最後はねねがダガーで脳天をぶっ刺してトドメである。


 最初はもうほんっとに気持ち悪かった。ベニアさんが蜘蛛嫌いで思いっきり悲鳴をあげたから一気に3匹のスクリット・パウクが出てきた時はアギさんが軽く死にかけたほどだ。5匹目からは慣れてきたし、そもそもピートくんムカデで見慣れてたわ


 幸い土魔法がコンスタントに効くので、どうにかなる相手ではあるし、ヴォルカくんも気配を感じ取れるようになったのか吠えて教えてくれる


 ただ、ピートくんが逆に役に立たなくなってしまった


 というのも、ピートくんは地面に潜ってもらってる関係上、音や振動で敵に反応するのだけど……このデカ蜘蛛、ほとんど足音もせず、複数の足の関係か振動もそんなにしない。結果、ピートくんが反応しきれないのだ


 さすがに3匹来た時は反応してくれたけど、3匹とわかっていたせいで下手にピートくんに動かれるとバレちゃう可能性があったので、今回は大人しくしてもらう


 というか、割とオーバーキル気味だったので、日の目を見なかった限定召喚にてピートくんをサイズ10分の1で召喚。元が3メートルどころか5メートル程もあるせいで、10分の1でも50センチ強のムカデである。うん、小さくてもきもいね。


 とりあえず腕にまきつけておく。ローブなのでバレないけど、腕を動かれるとかすかに引っかかれるようなくすぐるような感覚でちょっと気持ち悪い……


 そして、都合10体のスクリット・パウクを倒した時、ちょっと考えてしまったのだ


 ーこの蜘蛛を眷属にしたら強そうじゃないか、と


 10体目のスクリット・パウクは、足が2本欠け、お腹も裂かれているのでこれは無しとして……次、もし、綺麗な状態の死骸が出来たら、眷属化を試してみようと思う。包帯の予備があったら、生きたまま眷属にできなくもないんだけどね。さすがに性能的に渡せません。


 で、あっさりと11匹目と遭遇。しかも、運がいいことに戦闘中だった


 相手は初見のモンスターで、鑑定ではブラッドロストグラスという、毒性の強い植物型のmobである。笹っぽい鋭い葉っぱを振り乱す、根っこが人の下半身みたいな植物だ。葉っぱの表面に毒性があるのか、切りつけられた蜘蛛が、その傷から独特な色味の粘液を勢いよく滴らせている。5分ほど隠れてみていれば、次第に動かなくなってしまうデカ蜘蛛。対するブラッドロストグラスは、その足のような根っこでその着けた傷口に歩み寄り、潜り込もうとする


 そこを手を伸ばし、腕に巻きついたピートくんが素早く伸び、噛みつきと強酸で溶かしてしまう。


 うむ、都合よく綺麗な死骸が手に入った!


 みんなに事情説明をして試させてもらう。そうすると……


「ーーーー……」


「わぉ」


 はい、久々の成功です。


 左の前足と、腹?の付け根あった傷も、ピートくんの時同様消え去った状態で、じっとこっちを見て……これこっち見てるんだよね?複眼?っていうの?目がいっぱいでわかんないんだけど……と、とにかく、指示を待つみたいに佇んでいる


 よし


「君の名前はリットくんだ」


「ーー」


 おぉ、かすかに頷いてくれた……ような気がする


「まじか……成功したのかよ……」


「うん、スクリット・パウクのリットくんだよ、ちょっと待ってね、ステータスとか見てみるから」


 と、移動しつつリットくんのステータスを確認してみる。まあ、ここを抜ければ表層だし、ヴォルカくんたちがいれば余裕だし、少しくらいはいいよね




 《眷属》【スクリット・パウク】【状態・アンデット・服従】種族 魔蟲・蜘蛛型 LV25


 HP (ヒットポイント) 210 [217]


 MP (マジックポイント) 42 [35]


 SP (スタミナ) 126[151]状態アンデットにより(+30)


 STR (筋力) 100 [95]状態アンデットにより(-5)


 VIT (生命力) 84 [96]状態アンデットにより(+12)


 SIZ (体格) 26 [26]


 DEX (器用さ) 113 [108]状態アンデットにより(-5)


 AGI (速力) 168 [172]状態アンデットにより(-6)スキルにより(+10)


 REA (反応速度) 97 [93]状態アンデットにより(-4)


 INT (知力) 16 [13]状態アンデットにより(-3)


 MND (精神力) 26 [22]状態アンデットにより(-4)


 CON (集中力) 40 [34]状態アンデットにより(-6)


 SEN (五感)


 ·視覚 22 [11]状態アンデットにより(-3)スキルにより(-8)


 ·聴覚 155 [173]状態アンデットにより(-2)スキルにより(+20)


 ·嗅覚 32 [28]状態アンデットにより(-4)


 ·味覚 75 [70]状態アンデットにより(-5)


 ·触覚 97 [96]状態アンデットにより(-1)


 APP (魅力値) 7[2]状態・アンデットにより(-2)スキルにより(-3)


 LUC (幸運) 33 [33]


 KAR (カルマ値) 17 [2]状態・アンデットにより(-15)




 ATK 10


 DEF 12


 MATK 3 (MP消費5の場合)


 MDEF 6


 CRI 6%




 ・種族グッドスキル


 《糸生成》Lv無《爪術》Lv4《聴覚鋭敏》Lv5《瞬発》Lv7《隠密》Lv4《毒牙》Lv1《繰糸》Lv6《巣作り》Lv無《罠作成・糸》Lv1



  ・種族バッドスキル


 《打撃弱点》Lv3《魔蟲》Lv8《視力薄弱》Lv5《共食い》Lv3《無感情》Lv無《駆除対象》Lv3《寒冷地行動制限》Lv6《低温時能力低下》Lv7



 ・所持スキル


 《引っ掻き》Lv4《登攀》Lv6《捕食》Lv2《駆動音軽減》Lv3《敏捷値上昇》Lv1《暗殺》Lv1



 ・眷属状態特殊スキル


 《屍》Lv無《食事不要》Lv無《睡眠不要》Lv無《劣化軽減》Lv6《回復魔法ダメージ化》Lv5《光属性弱点》Lv3《服従》LvMAX《意識低下》Lv2


 習得アーツ


 《罠作成・糸》【粘糸拘束】【振動糸】

 《爪術》【クリティカルクロウ】

 《瞬発》【ダッシュ】

 《毒牙》【ポイズンファング】【毒飛ばし】

 《暗殺》【スタブ】



 うん、強い


 攻撃力なんかはヴォルカくんの方が上だし、魔法の適正が無い分、ピートくんの方が有利にも思える。


 でも、特筆すべきはその足の速さと瞬発力、そして天然の暗殺者であるという点だろう。暗殺スキルなんて物騒なスキル持ってるし。


 スタブは所謂バックスタブの様な、不意打ち時に威力が上がるパッシブ的な効果もあるが、このスタブはそこに不意打ちの成功率をもあげるというものだ。実際不意打ちは不意打ちダメージ的なものが隠しステで存在するらしいし


 で、瞬発力と、ヴォルカくん以上の素早さがやはり目に付く。ヴォルカくんの倍近い速さだ


 近接における強さは間違いなくヴォルカくんが強いけど、不意打ち、待ち伏せ、素早さを生かした強襲ではリットくんに軍配が上がるだろう


 このステを見せればねねは感心したように頷いて


「暗殺者を従える闇の魔法使いだな」


 なんて言ってくる。実際闇魔法も使うし、リットくん暗殺スキル持ってるから否定出来ない……くっ……


 ベニアさんは終始リットくんから距離を置いており、アギさんも気持ち悪そうにチラチラリットくんを見ている


 実際気持ち悪い。目が8つあるし、足の先にふさっと毛があるし、体毛っぽいのもあるし


 しかも足音がないせいで気を抜くとすぐ隣にリットくんの目玉が視界に入ってしまい、慣れたつもりでいる私でさえ鳥肌が立つ。


 でもなんか、大人しくて主張しない感じはシャイな子を連想させてちょっと可愛いかもしれない……ピートくんが主張強すぎるだけか


 軽く実戦をしてもらったけど、不意打ちでヒートウルフをさっくりと殺してみせてくれた。薄々気づいてはいたけど、ヒートウルフよりもやっぱり上位の魔物……では無いのか、魔法使わないからでっかい虫でしかないんだよね、リットくん。でも普通に狼よりも危険な2メートルサイズの蜘蛛はやばいと思う


 まあ、そんなこんなでリットくんの様子と連携を調整しつつ、ヴォルカくんにはいつも通り警戒をお願いする。でもリットくん、音に敏感だから、匂いのしないタイプの敵に対してはとっても便利だ。植物系の魔物は、周りが森のせいでヴォルカくんの鼻が効きがたいので、嬉しい誤算である


 そして表層では、新たに加わったリットくんという中層のmobのおかげでとっても楽に抜けることが出来たのであった。


これからもgloをよろしくお願いします!


また、感想も随時受けつけていますので気軽にどうぞ

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