そうだ、ピートくんたちをけしかけよう!
忘れてた
ピートくんって、住人にとっては災害みたいな魔物だったっけ。しまった……
別にもうバレてもいいって思ってたんだけど……流石に一般人相手じゃまずかったね
「まあ、うん、とりあえず乗ってくださいね」
問答無用でピートくんの背中にカリヤさんを乗せ、ホフマンさんとエドさんもグイグイ背中を押して乗ってもらう
「ピートくん、行っちゃって!」
「ピッギュァアアアア!!」
ずるぅ……っと視点がぶれない、独特の動きで、急加速するピートくん。いやぁ、快適快適
「ひぃぃぃ!?」
「な、なんという……」
後ろで何やら悲鳴が聞こえるけど気にしない気にしない。全く、情けないなー。カリヤさんを見習いましょうよ。こんなに微動だにしない!あ……気を失ってたんだった
と、とりあえず、この速度なら2、30分もあれば街につくでしょ
「ギュァァア!」
「ピートくん楽しそうだね。やっぱり、全力出すのが楽しいのかな?最終日って言ってたけど、これもう自重せず暴れてもいいかもね」
「ギュッギュァアアア!!」
「はっ……わ、私は何を……ひぃっ!?」
「あ、起きました?大丈夫ですか?」
「ひっ」
「ひ?」
「ひぃああああああああああああああ!!?」
あ……また気を失っちゃった
まあ、いっか
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「じ、事情はわかった。だが、その、あまり街の近辺でそういった危険な魔獣の使役は控えるように頼む」
「わかりました」
はい、ただいま絶賛お説教されています。まあ私がピートくんを全速力で走らせたのが問題なんですけど
門番さんの一人が青い顔して倒れた時は流石に焦ったけど。とりあえず、私がお説教されてる間に3人には事情を説明してもらって、衛兵さんたちと冒険者ギルドに話を通して貰ってます
「まあ、なんだ、その」
「はい?」
「こいつは安全なのか……?」
「私が何か言わなければ基本は安全ですよ」
多分だけど。自由にしていいって言ったらどうなるかはちょっと分かんないかな……
「はぁー……異界の旅人とは、変な連中が多いとは聞いてたが……あんたはダントツだな」
なんかすっごい失礼な事言われてる……掴むぞ!
手をワキワキさせてにじり寄ればしっしっと手を払われた。私は虫かなにかか!
「まあ、とりあえず、私のお仕事はここまででいいですよね?」
「む?なんだ?討伐や救出作戦には参加しないのか?冒険者だろう?」
「参加してもいいですけど……ピートくんが暴れますからね?」
確実に敵味方まとめて一掃、とかになると思う。パーティメンバーでもない限りはピートくんは指示しない限り視界の入るすべては敵みたいなところがあるし
「それは……なるほど、確かに……」
「まあ、私一人で行ってもいいなら……それか、私の仲間たちで行っていいのならまあ、とか考えないでもないですけど」
「うーん、私ではなんとも……今回は、冒険者であるあんたが盗賊を捉えたわけだしな。今回の件は冒険者ギルド預かりになりはずだ。だから、そのへんの話は冒険者ギルドと詰めてほしい」
「あー、なるほど、そういう感じになるんですね」
「もちろん、冒険者ギルドで手が出ない場合などは我々衛兵や、領主の持つ手勢などが動くことになるがな。まあ、組織的なしがらみさ」
面倒だなぁ……しかし、そういうことなら、とりあえずはギルドに行こうかな?元々用事もあることだし
「じゃあ、1度ギルドに顔を出してきますね」
「そうしてくれると助かる。ああ、あと」
「?」
「そのムカデ、えーっと、ぴーと?だったか?は街にには入れるなよ?あと、そんな化け物を使役できるほどの実力者なら問題ないと思うが、流石に夜で暗かったとはいえ、色々目立ってる。噂になるのは覚悟しとけよ?」
おぉ、この人いい人だ。アンデット差別の住人さんたちとは大違いだね
私はお礼を言ってギルドへ向かうことに。もちろんピートくんはアクセサリーに戻しておくよ
……うーん、夜とはいえ、流石にプレイヤーが多かったからか視線感じるなぁ……
まあ、無視無視。しばらくしてギルドに着けば、カリヤさんとアイロスさんがギルドの職員さんとお話してる。結構深刻そう?
「こんばんは」
「おや……ああ、コカゲさん!あなたがカリヤたちを助けてくれたんですね!ありがとうございます!」
「いえいえ、成り行きだったんで。それより、アイロスさんはどうしてここに?」
「実は……」
話は結構単純ではあった。というのも、件の盗賊、人攫い連中が、異界の旅人ことプレイヤーと連携して住人や珍しい魔獣、物などを他国や、貴族だとかの金持ちに売っているのが、絞りに絞って発覚したらしい
で、かなり大きな規模で展開されているらしく、しかもこの国の貴族が絡んでるらしい。前々からあったらしいけど、死んでも死なない旅人という新たな戦力のお陰か、多少大胆に動いても尻尾切りがしやすくなって、結構深刻なレベルなんだとか
「今回捕らえたのは人攫いを主にした連中でして。この国は平和で、気候も穏やかで作物も豊富で、魔物も弱いため、他国より、個人の力量が低めでして。そこを狙い、新人冒険者などを捕らえ、売り払っているとのことです」
あー、なるほど、ここはまあ、初心者向けの最初のエリアだし、住人さんたちにとってはそういう認識なわけだ
「この大陸にもいくつか国があり、基本的にはいい関係を結んでいるのよ?でも、最近、異界の旅人が至る所で、様々な国、大陸で出現してから、いろんな国が悪巧みを初めててね」
「カリヤさん詳しいですね?」
「これくらいは常識よ?」
「常識なんですか……」
よくわからない常識だ……まあ、とにかく、平和な国だけど、腐ってる連中はやっぱりいて、その人達が裏で糸引いて色々やらかしていると
しかも、結構な数のプレイヤーがそういうことに関わっている可能性があると
「もしかしなくてもプレイヤー……異界の旅人のせいですかね?」
「ああ、いや、そんなことは無いわよ?」
「そうですよ。コカゲさん方のような方たちがいることもちゃんと理解していますから」
なら、安心だけど。若干含みのあるセリフだけど……まあ、お約束かな?プレイヤーとNPCって考えだったり、横柄な態度だったり、とかね
あ、その変改善しようと考えませんよ?そんな影響力なし、何より楽しくなさそうだし
「それで、なんでそんなに悩んでるんですか?」
「そこはわたしがお話します」
「えっと……?」
綺麗な金髪の女性が急に割り込んできた。誰?
「わたし、当ギルドにて受付をしておりますアイヴィーと申します。宜しくお願い致します」
「あ、はい、どうも、冒険者のコカゲです」
「コカゲ……コカゲ……ああ、ランクE冒険者の」
「あ、はい、そうです」
「今回の件での重要参考人のお一人ですね。功績と、アイロスさんに関する行動と、アイロスさん、パーティメンバーの証言からランクポイントに加算があるはずですので、後でギルド証をお渡し下さい」
「あ、はい、わかりました」
「では、改めて、ご説明させていただきます」
こっちは単純に長くなったので要約すると、話が大きくなりすぎてギルドで動くのはまずい。とのこと
攫われた人たちについては救出依頼を出すつもりらしいけど、現状だとそれも通るか微妙なんだと。まあ、下手うって逃げられたりでもすれば手がかりが消えるわけだしね
「じゃあ、アイロスさんたちが深刻そうにしてたのって……」
「……はい、最悪、見捨てなければいけない可能性があるからです」
「もっというなら、このまま泳がせて、私たちを囮にでも使う可能性があるかも……ってところがね。私はそうじゃないけど、アイロスさんみたいに、元冒険者だったり、現役冒険者であそこに住んでるって人もいるから、そこ関連で動けって言われる場合もね」
「うわぁ……」
「もちろん、当ギルドとしましては、そのような行動をさせるつもりはありません。しかし、国からの依頼という形になると、いくら国と国との間にて中立であるギルドでも、最低限動かざるを得ませんので」
「面倒ですねぇ……」
「そうなった場合、コカゲさんも動かないといけないかもですよ?」
「私はここのギルドで登録した訳でも無いですし?そもそも出身は別の国ですし……」
「冒険者の身分を保証するのは、あくまでも冒険者ギルドであり、登録した場所、ギルドは関係ありません。ですので、この街にとどまっている限り、動かざるを得ない可能性があります」
「アイロスさん、カリヤさん、それと、ええっとアイヴィーさん、私はこれで失礼しますね」
「逃がしません」
「うおぉぉ!離せ!私は故郷に帰るんだぁ!」
「適当な事言わないでください。というか、落ち着いて下さい。別に取って食うわけでも、必ずそうなる訳ではありません」
「ぬぅ……」
逃走に失敗してしまうとは……まあ、とりあえず話だけでも聞いてみますか
「ギルドとしましては、国にいい様に使われるのは本意では無いわけです。で、ここで重要になるのが、我々、ぶっちゃければ国家間や、国内外の問題など、どうでもいいって考えな点です」
「おっとー」
すごい淡々と話してたアイヴィーさんがさもめんどくさいと言わんばかりに顔を顰めて、けっ!なんて言いながら話を続けます
「でも、だからと言って好き放題はこっちも困るんですよね。それに、ギルドを利用してくれるお得意様を失うのも損失ですし」
ああ、集落はお得意様なんだ。まあ、あそこはなかなか人もいたし、案内家業の精算なんかのギルドと関わりがあるならおかしくはないかな?
「そこで、ですね」
勿体振るようにひと呼吸おき、こちらを向き直すアイヴィーさん
「そうやって国が口を出す前にちゃちゃっと盗賊を捕らえようと思いまして」
「はぁ……それで?」
「コカゲ様に盗賊退治の依頼をしたいと思いまして」
「拒否権は有るんですか?」
「……ここまで来て断る気ですか?」
「まあ、そうですね。時間も微妙ですし。こっちはこっちでやりたいこととか、しなきゃいけないこととか有りますし」
「ぬぅ……これが男性であればもうちょっとやりようが有るんですけど……」
「なんか、アイヴィーさんって、見た目と違って感情豊かですね」
最初はちょっと茫洋というか、表情から感情が見えない人だったけど、口を開けばイメージがガラリと変わる人だなぁ
「そんなことはどうでもいいんですよ。とにかく、受けてくれないんですか?」
「んー……報酬は……?」
「そうですね……ランクと危険度と、隠蔽工作に口止め料……」
「物騒すぎません?私弱いですよ?」
「弱い?ギルド間の情報網で、結構な評価を受けていますし、カリヤさんたちの話してくれた情報から、あなたのお仲間、についても多少はわかっているつもりですが?」
「ああ、ピートくんですか?ピートくんはたしかに強いですけど、私は弱いですよ?」
「その、ピートくん、という存在に守ってもらうなり、あなたは隠れて、そのピートくんを送り込んでしまえばいいのでは?」
「おお、そうか、ピートくんをけしかければいいのか」
「待ってください!人質が危ないですよねそれ!?」
「はっ」
それもそうだと納得しかけたけど、そうだよ。しっかり指示できない状況だと、ピートくん何をしでかすかわかったもんじゃないよ
「む……敵味方や救助対象を見分けるくらいの知力は有るんですよね?」
「ありますけど……初対面の相手をすぐ見分けろって言うのは厳しくないですか?例えば、すっごく人相が悪いけど実は人質をかばってるいい人とか、傍目にはどう映ります?」
「……襲ってる風に見えますね」
「私がいればまあ、状況の確認くらいはしますけど。ピートくん単体だと、目に入る全て殺してしまう可能性ありますからね。強いですし」
「うぐぐ……盗賊退治に動かせる戦力って意外と少ないんですよ?対人戦の経験がある程度必要で、その上で、人質を救出できるだけの能力、もしくは、盗賊を全員皆殺しに出来るだけど戦闘能力は必要ですし……今回は、盗賊も何人か捕らえるべきでしょうし……」
「それなら私なおさら向いてませんよ」
「?」
「まあ、暗殺というか。気配を消して掴みかかるか、杖で殴ったりが主な攻撃ですし」
「……失礼ですが魔法職の方じゃないんですか……?」
「はい?どこからどう見ても魔法職じゃないですか」
「……質問した私が悪いのでしょうかこれ……えっと、じゃあ、どうやってあの連中を捕らえたんですか?」
「む……手の内を明かすのはちょっと……」
アイロスさんもカリヤさんも知ってはいると思うけど、流石に自分からばらすのはちょっとなぁ
「くっ、意外と抜けてないですね……」
おいどういう意味だ
「まあ、いいでしょう……しかし困りました……時間も時間ですし、動けそうな冒険者に心当たりが……ない訳でも無いですが、今から呼び出すの面倒ですし、あのへんの人たちは顔が割れている可能性が……」
「うーん、アイロスさん、カリヤさん」
「は、はい、なんでしょう?」
「何かしら……?」
「助けが、必要ですか?」
「それは……」
言葉に詰まるアイロスさん。正直、この人はつよい。ピートくんと戦えるとは言わないけど、多分、しっかりパーティを組んで、準備をすれば戦える。そこにいるアイヴィーさんとカリヤさんはわからない。ここには居ない(多分兵士の所)ホフマンさん、エドさんは、最低限度は戦える程度だと思う
アイロスさんの奥さんのナレスさんも、かなりの実力者の可能性もあるし、戦闘を手伝ってくれる案内人の何人かも、戦うだけならできないことがない人がいるはずだ
「そういう可能性があるという前提で、もう一回聞きますよ?助けが、必要ですか?」
「「……」」
黙ってしまうアイロスさんとカリヤさん。アイヴィーさんは成り行きを見守るつもりなのか、今度は口を挟まない
正確に、攫われた人数を把握してる訳では無いだろうし、囮に使われるというのも推測であって確定じゃない。盗賊がまだまだたくさんいる可能性も、無くはない。まあ最低限いることは確かだし、みんなとの行動中に出会った連中が合流してる可能性もなくはない
まあ、何が言いたいかといえば、面倒くさい。それに尽きる
アイロスさんは仲良くなった住人の一人だし、色々と助かったので助けるし、目の前で捕まってたカリヤさんも、流石に見捨てない
でも目に見えない人や、可能性のために私が時間を割く理由がない
そりゃまあ、報酬のためとか、そういうのがあるかもだけど、そこまで困ってるわけじゃないし、報告とか、やらないといけないことは済ませた
一旦、という前置きはあるけど、私の仕事そのものは終わっている
「これが最後です。これ以降は、流石に私も色々あるので帰ります。助けて、欲しいですか?」
「わ、わたしは……」
「っ、コカゲさん、どうか、力を、貸してください!私も行きます!集落の何人かを連れていきます!ですので、どうか……」
「……」
ふむ。ふむふむ
「では条件を一つ」
「な、なんでしょう?」
「魔獣でなくてもいいので、死体とかを、用意してください」
私はローブのフードを被り、ニヤリ、と笑ってみせる
……カリヤさん、怯えなくてもいいじゃないですか
---------------------------------
「ええっと、その、本当について行かなくていいんですか?」
「はい、ピートくんを動かすなら、人は少ないほうがいいので」
カリヤさんとアイロスさん、それと、ギルドから派遣された職員……ぶっちゃけると、アイヴィーさんと、仕事の引き継ぎの挨拶に来ていたマユナさんの5人で、盗賊のアジトに向かっています
「しかし、マユナさんまで来るって、どういう事ですか?」
「いえ、その場の勢いに流されたと言いますか……アイヴィーさんがかなり無茶な依頼を出されているのを見て、流石に気になりまして」
「依頼という体を装っておかないと後々面倒でしたので。それにしても、あなたがギルマスですか。羨ましいですね。権力者ですよ」
「その言い方はちょっと……ギルマスとはいっても、新しい方が来るまでの臨時ですし……と、そうじゃないです!なんですかあの依頼は!ランクE冒険者に指名依頼!?おまけに、一人限定、報酬は結果及び交渉次第って!無茶苦茶にも程がありますよ!?」
「承知してますよ。だから、こうして私とあなたがバックアップとしてここに居るんじゃないですか。まさか戦力として期待されてるとでも?」
「ふぐっ……戦闘なんてできませんよ……」
「でしょうね。私はまあ、身を守る程度でしたら」
「お二人は私がしっかり守りますよ。もちろん、カリヤさんも」
アイロスさん頼もしいね。さて、もうそろそろっぽいので、皆さんにはここで待機してもらいます
「本当にお一人で……?いえ、まあ、あれがいるのは理解していますが……」
「あれじゃないですよ。ピートくんです。まあ、私の戦闘スタイルというか、ピートくんたちの戦闘スタイルの関係上、ちょっとばかし人が多いとまずいので」
大量の狼や兎、猪や蛇の死体、生肉、そして骨、1度に創れる数は3までだけど、まあ、倒されても良い低級屍体だからね。物量とは言い難いけど、まあ不意打ちと、奇襲とで、ある程度の効果はあるでしょ
さて、やりますか
「【屍操作・動】」
狩ったばかりの蛇、鼠の死体に屍操作術をかけ、操る。まあ、死霊創造や、屍体創造で創り出すアンデットよりかなり弱い上、こっちは単純命令しかできない。まあ、数のかさ増しだし、弱くてもいい
「【レッサー・アンデットクリエイト・屍体】【レッサーアニマルゾンビ・ラビット】【レッサースケリトル・ブル】【レッサーアニマルゾンビ・ウルフ】」
こっちは死霊強化も受けてくれる、レッサーとは言え、それなりの性能を持つアンデット。これもメイン戦力じゃない。それでも、アンデット化と、死霊強化によって、耐久力と、尖った能力を持つ、なかなかの戦力
「そして……【レッサー・アンデットクリエイト・死霊】【レッサーミスト】【レッサーミスト】【レッサーミスト】」
レッサーミストの軍隊、正確には伏兵、とか、奇襲要因?屍体創造で作ったアンデットにも憑依可能なのは嬉しいね。それぞれ1体ずつ憑依させておく。MPがもう空っぽなのでMPポーションをぐいっと傾け、MPを回復
「ふぅ……さて、おいで、ピートくん。それと、【眷属召喚】ヴォルカくん」
「ギュッギュ!」
「gurula!」
「よし、まずはヴォルカくん用に……【レッサー・アンデットクリエイト・死霊】【レッサーレイス】【レッサーゴースト】。ヴォルカくんに憑依しておいて。あ、またMPが……ごく……んぐぐ……けふぅ……次はピートくんね。【レッサー・アンデットクリエイト・死霊】【レッサーレイス】【レッサーゴースト】【レッサーゴースト】ピートくんに憑依お願い」
これで主戦力の二人も準備OKだね
私はもちろん憑依させ済みなので、私の護衛用に新たに3体作っておく
「魔石の端数があって助かった……【レッサー・アンデットクリエイト・死霊】【レッサーワイト】【レッサーワイト】そして虎の子【レイス】!」
いつもの、襤褸を纏った骸骨が2体、そして、レッサーレイスより一回りほど大きく、存在感もある、半透明の死霊……創造可能なmobの中で、現在最強であるレイスを私の護衛として配置
これで、本当に準備万端だね。あ、MPが心もとないので劣化mpポーションを飲んで回復しておく。うぅ、美味しくない……
「さて、準備が出来たのでいってきますね。ピートくん、四分までここで待機ね。ヴォルカくん、合図したら強襲。屍体鼠と屍体蛇は潜入開始。牢屋っぽいところに居る人、ロープとかで縛られてたり、身動き出来ない人は放置で。とにかく、少しでいいからダメージを与えるの優先で。ブル、ラビット、ウルフは先行した2体のあとに続いて」
指示を出し、私も一緒に近づく。もちろん、私は先に入ったり、一緒に入ったりしないよ?あくまでも観察に徹しますとも
「ふふふ……」
はい、ぶっちゃけ楽しんでます。なんか、こう……悪役とか、怖いとか、とにかく言われ続けたせいで、もうそれならそういう事をしてやろうじゃないか!的な考えだったんですけど。びびっちゃって普通の人相手にできないので、こういう機会が来て、内心めっちゃ喜んでます
ピートくん、ヴォルカくんも心置き無く動かせるし、とっても気持ちが楽
……まあ、後ろで死霊を創り出すたびに聞こえる悲鳴や、尻餅でもつくようなどさって音なんかを聞くたびに、何かが削れて行ってる気がしないでもないけど……
カリヤさんとマユナさん、何も泣くことないじゃないですか……怖くない、怖くないよー
あ、カリヤさんが気を失った……流石に、傷つくなぁ……これはもう、ストレスを盗賊退治で晴らすしかないね!
誤字脱字等ございましたらご報告をお願いします。
また、感想、ご意見など随時受け付けておりますので、宜しければお書き下さい。




