表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/58

伐採!伐採!大伐採!

気がつけばもう11月……そして、サラリと一年経っていたという事実に驚いてます。


これからも頑張りますので、gloをよろしくお願いします!

 こちらに気づきもしない兎やらを適当に掴みながら森へ進む。今回は私だけなのでフルメンバーで行軍中。ピートくんは土の中を、ヴォルカくんたちオオカミさんチームは地上、レッサーたちは上空、みたいな感じ


 ……あれ?ぼっちだけどぼっちじゃないな……


 ちなみに今回、レッサーミストを創造してます。結構便利な子だったよ。物理は属性が付与されてない限りダメージすら受けず、状態異常の能力がずば抜けてる。まあその分、移動が遅いけど


 まあ移動中なんで今は憑依で。作業を始めたら護衛を任せるかも


 道中は結局何事も無かった。強いて言うならガイドなしに森に入るのを心配したのか、声をかけてくれた住人の人が居たことくらいかな?戦闘用のスキル構成でもビビることなく近寄ってくるってことは私よりもお強い可能性が……考えない様にしておこう


 さて、現在オリドシヘトス大森林の、第三の街側入口から大体一時間ちょっと歩いた、結構な頻度で魔獣が出る、中層の表部に着きました。ここからは、魔獣のでないルートを外れて、中層深部に向かいたいと思います


 安全なルートから1時間くらい歩いた先から、一定範囲でも開拓すれば良いかな?というか、どこからどこまでが深層なんだっけ?


 ……まあいいや


 ピートくんにも出てきてもらい、ヴォルカくんチームは周囲の警戒、ピートくんは遊撃、レッサーたちは私の護衛だ


 私は杖を腰のポーチに収納し、テントを設置。うーん、見た感じは普通のテント。むしろボロいかも?


 まあ、まずは入って荷物の整理、っと


「お……?おー!」


 すごーい!え、あんなボロい見た目なのに、中結構広い!これで二人用?これ、寝るだけならあと二人は行けそうだよ?それに簡易調理セットだけど、これもそれなりの設備じゃん。これで簡易なの?据え付きだから安いのかな?


 テントの入口のすぐ側に簡易収納の据え付きボックスがあって、そこに、50×99ずつ収納できるみたい。流石にプレイヤーメイドのこのポーチよりは収納出来るね。とりあえず食材とか、今すぐ使うことがないものを収納。机と椅子は今は放置で


 テントをひと通り確認し終えたら、早速伐採だ!


 あ、てっぺんのこれが魔物避けの魔道具かな?丸っこい前衛芸術みたいなオブジェ。なんか複雑な模様がほってある。これがあると安全なわけね


 ちなみに寝袋は見た目は普通でした


「よーし、切って切って切りまくるぞー!」







「はっ」


 い、今何時?というかスタミナが……


 お、お腹が……なんかいつも以上な、命の危機を覚えるレベルの空腹が……


 よたよたと歩いて適当な切り株に腰を降ろして水をがぶ飲みする。ごくごくなんて可愛い音じゃなく、ゴッゴッゴッゴ!と勢いのある水をリズムよく放ったみたいな、鈍い音が響く


 ぶはぁっと息を吐いて口元を拭えば、保存食の塩っからい干し肉をぶちぃっと噛みちぎり、もっちゃもっちゃと咀嚼し、ごきゅっと水で流し込む


「ぶっはぁあ!あー、生き返るぅ……死んでるけど」


「ギュッギュゥィ?」


「あー、うん、大丈夫大丈夫。いやー、集中しちゃった。何時間くらい伐採してたんだろう?」


「ギュゥゥ?」


 まあ、ピートくんは分かんないよね。あ、前買った串肉忘れてた。ピートくんには小さいけどどうぞっと差し出す


「ギュアァ!」


 ガヂ、と歯が鳴る音とともに、つまんだ串の一部を残し、綺麗に消える串肉


 おう、串ごととは……豪快だね!


 休憩がてらメニューを見れば、こっちの世界で4時間ちょっと木を切ってたっぽい。でも、全然進んでない。1本1本の木が太く大きいこと、伐採のレベルが低いからか、1本切り倒すのにかなり時間がかかるのだ。具体的には20分くらい。5本超えてからは少し早くなったっぽくて、現在、【原木・○○】というアイテムが18本ストレージに収納されてる


 でも4時間で20本くらいは流石に効率悪いなぁ


 まあ、い一旦テントに戻ります。暗くなってきた上に、ヴォルカくんチームの戦果とか気になる


「……うわぉ」


 大量の虫型mobや、犬猫系のmob、植物型からのドロップ品のようなもの、それからイノシシや蛇、兎、とにかくたくさんの死骸が、テントのそばに転がってる


 ……あ、解体スキルがあるから消えないのか……これ早く処理しないと、良くないのがいっぱい寄ってきそう……


 ピートくんとヴォルカくんに周辺警戒をお願いして、死骸を解体していく。解体スキルが実際に解体をしなきゃいけないスキルじゃなくてよかった……解体用ナイフを突き立てて、ドロップ品をゲット、残った、消えない死体を穴とかに埋めて行けばそれでも処理完了。手順は簡単だけど、数が多いから結局40分くらいかかっちゃった


 ちなみに、処理はヴォルカくんとピートくんが食べてくれました。きれいさっぱりなくなったよ


 解体スキルを控えに回しておこう……


 休憩を挟んだら、また伐採。効率が悪いので、ピートくんにも手伝ってもらう


「いいピートくん?木を、こう、へし折る感じで、木にぶつかったりできる?地面から掘り返してもらってもいいけど」


「ギュゥー……?ギュァ!」


 ズドン!っと勢いよく体当たりをすれば、勢い余ったのか、5本ほどまとめて木をへし折るピートくん。こりゃ災害ですわ


 続いて、地面に潜って、根っこから掘り返すみたいに動くピートくん。でも、流石に根っこからは時間がかかるっぽい。でも、へし折った木の切り株はすんなり掘り起こせるみたい


「魔法で行けるかな?」


 ホールで穴を空けたりってどうだろう?と思ったので、近場の木の根っこあたりにホールをしてみる


「お……?あー、根っこがあるから微妙だなぁ」


 根っこのせいでしっかりと支えられ、倒れる気配のないおおきな木を見上げる


「やっぱり、ある程度切り倒すなりして、改めて根っことか切り株は掘り起こした方がいいかな」


 1度戦闘用のスキル構成に変更し、伐採を再開する


「えい!……えっ」


 伐採用の斧を何度か打ち付けたその時、ぱっと大木が消えてった


「え?え?は?」


 切り株は存在するが、その上にあるべき幹が、枝葉ごときれいさっぱりなくなってる。なんで?


 ……あ、伐採スキルつけ忘れてた


「なるほど……そりゃそうだよね。考えてみれば解体システムと同じだよと同じだよ」


 解体は、より多い素材を得るためにつけるスキルである。なら伐採は?


 もちろん、開拓スキル習得に必要なスキルである。それでも、木や植物は、伐採や採取がなくとも、摘んだり、切り倒したりは可能だ。つまり、伐採スキルは、開拓習得の必須スキルであると同時に、解体のような素材回収スキルでもあるんだと思う


 事実、今まで原木、倒木と言ったアイテムばかりだったのに、木材というアイテムがストレージに幾つかある。これはいいことに気がついたかもしれない


 でも、開拓、開墾であるこの作業。多分これをつけてないと範囲としてカウントされない可能性もある


「どっちみち頑張って切り倒すしかないかなー?」


 考えてみるけど、いい考えも浮かばないので、とりあえず斧を木に打ち付けるのであった




 今度はちゃんと休憩を挟んで作業したし、気づけば伐採のレベルが10とかになっててびっくりした。というか、よくよく見れば杖適性もレベル10でマックスになってる。他にもちょくちょくレベルが上がってるっぽい。私自身はまだ上がってないけど


 レベルマックスになった杖適性と伐採にSPを3ずつ使ってランクアップさせる


 杖適性は、杖の心得に、伐採は伐採術にへと変化した。伐採術って……


 杖の心得は、杖を扱う時、相手に与えるダメージが増したり、色々な補正が少しずつつくっぽい。伐採術は、単純に効率が上がるっぽい


 よーし、頑張るぞ!と、意気込みを新たに斧を木に打ち付ける


 ちなみに、ピートくんは健気にも木をへし折り、時に根っこを掘り起こし、木に擬態していたトレントなどを一蹴し、想定していたよりもはるか広範囲を、丸裸にしてしまったのであった




「いやぁ……すごいねぇ……」


「ギュゥィィィイ」


「vaulu」


 私たちは、私たちが引き起こした(主にピートくんが)惨状を眺めていた


 地面は掘り返されたり、巨大な何か(もちろんピートくん)が這い回り、暴れたような跡がそこかしこに見て取れ(実際、ピートくんは久々に大暴れができるとなって自重せずに暴れた)まるでそこだけ最初から木など無かったかのように、かなり立派であった樹木たちがその範囲から消え去っていた


 ちょっとやらかしたかなー?なんて思いながら柵を、木のある場所から2メートルほどの距離を保ちながら打ち込んでいく。それでも、その2メートルがもったいなくないレベルの土地が確保出来ている。ピートくん恐るべし、恐るべしピートくん


 ぐるっと柵で範囲を囲えば、小さめな学校が、グラウンドも合わせて建てられそうな広さの土地が、鬱蒼としている森の中にポカンと空いてしまってる。ちなみに、その広い土地に粗末なテントがぽつんとある様子は、見栄を張って土地を買ったはいいけど、家を建てる金がなかった、そんなふうにも見えちゃっていて、残念な笑いをこぼさせるような状態になってしまってる。この場合に恥ずかしい残念なやつはもちろん私だ


「……ま、まあ、広いに越したことは無いよね!」


 誰に言うでもなく自分に言い訳をして、いそいそとテントに戻って休憩をとるのであった




 休憩もたっぷりとって、時間を確認すれば丁度いい頃合なのでピートくんたちを眷属封印でアクセサリーにして、ログアウト。ちょっと早いけど、勉強とか、家事手伝いとか、色々あるしね


 え?料理?ハハッ、人には得手不得手ってあるよね!


 コーデリア……梢もログアウトしてきたので、色々情報交換。と言っても、こっちは木を切りまくった……いや、ピートくんがへし折りまくっただけだから収穫はほとんどない


 実際はヴォルカくんチームが大量に狩ってきた魔物達のポイント、ピートくんが途中で轢き殺したトレントなんかの魔獣のポイントが大量に加算されていて、それに気づくのはまだ先の話だった……


 食事も終えて、軽く夏休みの宿題や、テスト勉強を消費して、お風呂なんかも済ませて、一時間だけと決めて再ログイン


 今からはあくまでも素材の整理や、錬金や改造スキルを試すいい機会なのでそれをぱぱっとやっちゃおうつもりである。ついでにギルドにも報告しないとなんでそれにも行くつもり


 ……第一の街じゃないとダメなのか……まあしょうがないね


 とりあえず一旦森の外へ出ないとね。あ、看板とかいらないのかな?あ、このロープがあれば大丈夫なのね。便利だなぁ


 中層深部に近いということもあって、生命感知に大量の反応があって、正直怖い。ピートくんたちを早速呼び出して安全を確保


 ……ムカデと、包帯ぐるぐる巻な狼が安心って、やばい人だね。うん、知ってた


 レッサーたちも呼び出せばいつも通りの一人軍隊の完成。さあ、安全ルートを目指すぞ


 っと、思ったけど、これまーた待ち伏せがいるっぽいなぁ。盗賊か、PKか。混成っぽい


 ローブのフードをしっかり被り、ピートくんを地面に、残りのメンツは一緒に固まり慎重にその集団を目指して歩く


 あ、戦う気は無いよ?今はね


「うーん、真っ黒っぽい?」


 数は住人である、NPCが5人、でも、3人はロープで縛られて転がされてる。残りの二人は、いわゆる盗賊っぽい格好。特に一人は悪人面で、浅黒い肌をテカテカさせて、唾を飛ばしながら何事かを怒鳴ってる


 怒鳴られてるのはPKプレイヤーっぽい。生命感知だと、PKか判断出来ないんだよね。なんか、設定で名前をプレイヤーの上に表示する方法があって、それだと、PKであることを隠すスキルやアイテムを持っていない限り、PKを示すマーカーが着くらしいんだけど、設定が面倒なので放置してる。まあ、襲ってきたり、悪いことしてたら倒せばいいだけだしね。あ、もちろん今は戦う気ないよ?ホントだよ?


 一方的に襲うだけだから、うん


「逃げられましたじゃねぇんだよ!てめぇら旅人連中は死なねぇから雇ってやってるんだろうが!それがみすみす殺られて、売り物になりそうな娘共やエルフを逃がしやがって!」


「うっせぇなぁ、こっちだって困ってるっつーの。うちの大ボス殺られて、残ってるのここに居る二人だけだし。まあ、ステータス……あー、身体能力とか、若干下がるけど、それでもいいなら合流できるけどよ」


「はんっ!雑魚に足元掬われて、能力まで落ちてちゃざまぁねぇな!そんな約立たずいらねぇよ。とにかく、案内人の、できればエルフとか女の方が売れる。そういうのをマークして襲えばいいんだよ。次来る連中は旅人3人だ雑魚ばっかり3人に案内人が一人、案内人はどっちだったよ?」


「案内人はおっさんだ。旅人の方は、一人だけ女がいた。エルフのガキだ」


「ほぉ、そいつぁいい。エルフでメスガキ、こりゃ売れるぞ」


 え、プレイヤーって売れるの?そういうのって保護されてそうだけど


 あ、PKの二人も若干戸惑ってる。うーん、何かそういう仕様があるのかな?


 そういえば、年齢によって、性的描写とか、倫理コードに差があるんだっけ。もしかして成人だったり?


 いやでも、プレイヤーならログアウトでどうにでもできそうだけど。それこそ、自殺して死に戻りとかも


 あ、やっぱりPKの人も気になってたっぽい


「旅人も売れんのかよ?」


「あ?売れるに決まってるだろ。女でエルフだぞ?買い手なんていくらでもつく」


 あ、これあれだ。この盗賊馬鹿だ


 まあ、なんでもいい。言質はとった。敵のレベルはわかんないけど、まあ行けるでしょ。ピートくんなら!


 そっとレッサーミスト2体を盗賊っぽいNPCめがけ突っ込ませる。速度は遅いけど、レッサーミストは気配も薄いし、森の中とか、薄暗くて見通しが悪いところだと、見つけるのはとっても難しい


 薄らと、靄のような、レッサーミスト2体がそっと盗賊っぽい2人に纏わり付く。気づかないうちにじわじわと状態異常を蓄積させていくレッサーミスト。状態異常をうまいこと蓄積させていくと、かなり上位の状態異常にまで効果を引き上げられ、雑魚相手であっても、致命的な状態異常になっているってことが希にある。特に今回は、レッサーとはいえ、私の強化込みのレッサーミスト、しかも2体。効果はどんどん上がっていく


「あ?なんだ?体が重い……?」


「俺もだ……魔獣でも来たのか……?空気が変わりやがった」


 む、流石に経験は豊富なのか、状態異常が二段階ほど上がったら気づいた。ちなみに、レッサーミストが与える状態異常は、定番の呪いと、足を遅くする鈍足、精神力に影響を与える不安の3つがある


 鈍足は蓄積されれば鈍重、硬直と言った行動制限を、不安は、恐怖心、恐慌と言った、混乱の様な効果を与える。体が重く感じてるところから鈍重と、空気が変わったことを感じてるから、恐怖心くらいには上がってるね。呪いの方は判断しづらいけど、4分の1くらいのステータスは下げれたんじゃないかな?


「?そんな感じしねーけど……」


「おう、俺も感じねー……って、お前、魔物にまとわりつかれてるじゃねーか!」


「なに!?くそ、やられた!ミストかよ!魔法だ、魔法で攻撃しろ!」


 あら、流石に気づかれちゃったかー


 じゃあ、次行こうか。ヴォルカくんチーム集合


「vau」


「「「……」」」


「いい?ヴォルカくんは、この3人で、あっちのミストに攻撃された2人を攻撃して。縛られてる3人は攻撃しちゃダメ。わかった?」


「vau!」


「「「……」」」


「ピートくんはあっちの二人組の、剣持ってる方を。私は杖持ちをやるよ」


「……ギュィ!」


 よし、いくよ!


「gururulaa!」


「なんだ!?」「ヒートウルフだ!」「待て、まだ奥に……アンデット!?」


「guralalt!」


「くっそ、こいつ、ちょこまかと!」「めんどくせぇ!つーかなんだこいつ!ゾンビ犬かよ」


「ゾンビウルフです」


「はっ?げふっ!?」


 ヴォルカくんに殺さないようすれ違いざまに伝えて、杖持ち目掛けて駆ける


「なんだ!?」「ボケっとすんな!攻撃だ!」「くそ、ファイアー……」


「遅い!」


 杖を突き出し、杖を持つ腕を突き上げる。仕込み牙が発動し、杖でついたにしてはなかなかにグロい状態になってしまった手を、間合いを詰めて掴む


「ぐぁあっ!?なんだ、クソ、これ、仕込み杖か!?」


 半分正解って感じかな?まあ、それよりも、状態異常の心配した方がいいよ?


「ぐあああああ!?ど、毒かこれ!?というか、なんだ、呪い?乾燥?」


「おいおい、調子乗ってんじゃ……」


 ぐばんっ


 湿った打撃音が響いたかと思えば、声が途切れる剣持ちPK。見ればピートくんの下からの突進で打ち上げられてる。飛んだねー


「aololololo!」


「お、ご苦労さまー」


 NPCの方の2人を踏みつけて抑えてるヴォルカくんたち。流石だね。あ、ダメ押しで生き残ったミストと、控えてたレッサーワイトが呪いをかけまくってる。うんうん、いい判断だよ


「くっ、くそ!離せ、このっ!」


 こっちの杖持ちは、魔力特化なのか、筋力は握力限定だけど、私より弱いっぽい。しかも掴むという行為上、かなり近い距離のため、下手に魔法を使えば自分もダメージを受けてしまう。そのせいか魔法ではなくこっちを殴ったり蹴ったりしてくる


 まあ防具の性能と、痛覚鈍化、そして減ったそばから吸収して回復していくHPのおかげで全然痛くない


 呪いが怨念とかいう、見たこともない状態異常になり、微毒から弱毒、弱毒から毒へと変わって行けば、ダメージがセーフラインに到達したのか、気絶になる


 よし、こっちも無力化成功


 ピートくんの方は……なんかボリボリ言ってるので多分生きてないので放置で


 よーし、制圧完了っと


「はいはーい、全員集合で」


「ギュィィィィィ!」


「vaulu!」


「「「「「……」」」」」


 こっちの損害はレッサーミスト1体だけ、極めて軽微である


 念の為ダメージを受けてるミストを素材に戻し、レッサーレイス、そしてレッサーワイトをもう1体創造し、捕らわれてる3人の住人さんに近寄る


「あのー、大丈夫ですか?」


「……あ、ああ……た、助かった……?」


「なんでそこで疑問形なんですか……えーっと、縄ほどくんでじっとしてくださいねー」


 解体用のナイフでロープの結び目を切って、捕まってた3人を解放。おじ様1人に、おっちゃん1人、そして、お姉さん1人だ


 全員怪我らしい怪我がないのは助かる。私ポーションとか回復魔法持ってないからね


「あ、そのロープでこの人達縛っちゃってください」


「おう、任せろ」


 私に返事をしてくれたおっちゃんさんが怖い顔しながら3人を縛っていく。やっぱりやられたのが悔しかったのかな?


「えーっと、一応確認なのですが……」


「はい?」


 女の人が怖々と言った様子でこっちに話しかけてくる。怖くないよー?


「その、そのモンスター達は……」


「ああ、私が使役しているmob……モンスター達なので大丈夫ですよ。心配なら、ちょっと離れさせておきますね」


 索敵と安全確保のため、そして何よりこの人達の精神的安全のために離しておく。ピートくんは既に地面の中なので問題ない。襲った時に見られてただろうけど、問題は無い!


「ほ、本当にありがとうございます。ええっと、私はカリヤ、こっちのおじさんがホフマン、そっちのがエドよ」


「いえいえ、まあ、成り行きなんで。ええっと、3人は、集落の?」


「そうだ、あそこで案内人やってるよ」


「他に捕まってた人とか、アジトってわかります?」


 この人達が、私たちが通った時にさらわれた人達なのか、それよりも前か後か、そのへんが違うだけで面倒事が増えそうだからね


「他は分からねぇ……俺はここで捕まって転がされてたからな」


「わたしもそうだ」


 初めて喋ったおじ様はなかなかに渋い声をしてらっしゃった


「私はアジトわかるわよ!コイツらに捕まって、案内してた人はみんなやられて……でも、他に捕まってる人とかは、いなかったと思うわ」


 ふむ、アジトがわかるならそれでいいかな?私が行かなくても、街の衛兵さんとかに、この人達に色々情報出してもらえばどうにかなるでしょ


「わかりました。アジトがわかってるのなら一旦第三の……えー、サルドの街に行きましょうか」


「そうだな。サルドなら、衛兵やギルドの連中が動いてくれるだろ」


「じゃあ、そういう感じで行きましょうか。あ、えーっと、ホフマンさんとエドさんは、この人達背負えますか?こっちはこの子達で運べるの、せいぜい一人くらいなんで」


「俺は行けるぞ、このでけぇのはちと厳しいがな」


「わたしも問題ない」


「ではお願いしますね。ヴォルカくん!このでっかい人お願い!」


「vault!」


 一人ずつ背負ってもらい、一緒に第三の街まで向かうことに。だいたい一時間で森を抜けれるし、草原も私がいれば問題ないでしょ。レッサーたちもいることだし、世間話にでも花を咲かせましょうか。と言っても、まずは盗賊関係の情報収集が先だけど


「カリヤさんは、捕まってたアジトを知ってるんでしたね。アジトはどのへんにありました?」


「草原の外れの、森との境に、それとわかりにくい洞窟があって、そこをアジトにしてるみたいなの。掘ったのか最初からそうだったかは知らないんだけど、かなり広くて、牢屋みたいな場所があったわ」


「そこに閉じ込められてたんですか?」


「いえ、最初はそのへんに転がされてたのよ。で、しばらくしたら見張ってた二人が慌てだして。一人が出てって、もう一人は私を連れて別の部屋に。で、そこでこの盗賊二人組と連だって森の中に。あとは現地で捕まえられてた2人と転がされて、あなたに助けられたのよ」


 ふむ……つまるところ、私たちがPKメンバーを倒したから、アジトを開けて来たってわけか……でもなんでアジトを空にしてまで出張ってきたのか……


「もしかしたら……まだ、アジトに人が残ってるかもですね」


「えっ、なんで?」


「多分、カリヤさんが捕まったあとに、私と、他に何人かのメンバーでここを通ったんですよね。そこで、この人達の仲間だと思う人達に襲われまして。その時、アジトに3人残してる、とか言ってましたからね」


 そう、3人残していると言っていた。おそらく、NPCはカウントされていない。カウントしていた場合、5人と言わなければ、少なくともこの場での計算が合わない。つまり、見張りないし指揮権を持つ様な人物がまだ一人いるはずなのである


 加えれば、まだ捕まった人がいるかもしれないということである


「なっ……そ、それじゃあ、今からでも行くべきじゃ……」


「いえ、まずはこの3人を引き渡してからがいいですよ。連絡はいってるでしょうし」


 プレイヤーの一人は殺っちゃったからね。ここは頭数なり、経験の多いベテランなりがいた方が安全だと思う


「うーん、となると、時間ないですよね……しょうがないかなぁ」


 まあ、第一の街のギルドは知ってる事だし、アイロスさんだって知ってるし


「おいでピートくん!」


「ピッギュァアアアア!!」


「さあ、乗ってください!……あれ?」


 何故かカリヤさんは気を失い、ホフマンさんとエドさんは険しくも青ざめた顔で、背負った人達を落としてこっちを見ているのでした

誤字脱字等ありましたらご報告ください!


また、感想は随時受け付けていますのでどんどんお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ