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第三の街散策

 第三の街に着いたのでまずは移動用のテレポーター扱いの神殿で登録を済ませて。行きたくないけどギルドにに行って素材の売却。補充も含めて、結局手持ちは70万エールまで減少した。まあ、一番お金になる魔石は属性魔石以外はキープしてるし、しょうがない。少なくとも、もうちょっといい魔石でないとキープしておく意味もない。無属性魔石は創造の素材だから売れないけど


 で、アンデットポーションをまた5個、伐採用の装備制限がない鉄の斧を10本(伐採用の斧は人気がないのかすっごく安かった)、それと、忘れてた錬金用の初級錬金道具セット、傀儡術用に最下級魔糸が一綛、それと、改造用に色々考えてた道具や素材を買い込んでみた。解体用とは違う刃物も、扱う分には影響ないのはありがたい


 まずはトーライア魔平原でみんなのそばで狩りをしてから、オリドシヘトスの大森林に行こうと思う。うーん、プレイヤーが流石に多いね


「ここじゃ、今までいた動物mobの魔獣版、魔獣じゃなくて、動物としての上位版、そしてたまにはぐれゴブリンだとか、魔獣らしい魔獣が出てくる場所だ。ギルド情報だと、一般人が通り抜けるのがギリギリ難しいレベルの魔境扱いらしい」


「魔境?」


「えっとね〜、魔物がいっぱい住んでて〜、普通の所より、魔力が多い土地のことだよ〜」


「オリドシヘトス大森林も、扱いは魔境ですが、表層などの階層によって危険度が違うみたいです。ちなみに、危険度はFから始まって、Sが最も危険だって。ここは一番低いFだけど、実入りはいいよ。魔力が多いからか、mobのリポップも早いし」


「なるほど……」


 だから、ある程度のレベルのプレイヤーが溜まってくるって感じかな?まあ、進んでる人は進んでるんだろうけど


「今一番進んでる大陸ってここなんだっけ?」


「大陸ではそうやなぁ、4、5、7の街までたどり着いてるな。他は進んでて4までやな」


「わたしとこひこひさんの出身領の森の大陸は、エルフプレイヤーが結構いるからか、他よりは進んでるらしいね」


「私の出身領は難易度が高すぎて第一の街から全然動けないって人が多いみたいで、お姉ちゃんの砂漠地帯は、そもそもエリアが広すぎて街を発見できてない、なんて愚痴が出てるらしいです」


「あー、多分出身者も少ない上に、あそこ、日差しを避けるためにか、地下に街があったりするし」


「地下か……うわ面倒だな……ついでに言うと、砂漠地帯は、スタミナが異常に早く減るのと、水を定期的に飲まないと【渇水】【脱水】【乾燥】【発汗】、とまあ、状態異常がオンパレードだって」


「きっつ……中盤で行くべき場所って感じだね。ゴリ押しできなくもなさそうだけど」


「mobそのものは〜天空の大地が、一番強そうだね〜。初心者装備だろうと、そこそこの装備だろうと、一瞬で溶けるって〜」


 うーん、いったいどのレベルが適正なのか……想像もつかない


 ちなみに、話してる最中にも兎やら犬やらがヒットして襲ってきてる。まあ、杖で小突いたり、掴んできゅっとやったりすればすぐ終わるレベルだけど。ダメージも今のところないし


「しっかしその装備やばいな……私らのも性能は十分だけど」


「まあ、うん、強い装備はありがたいね」


 また今度、イベントが終わって落ち着いたらステータス見せよう。うん


 30分も狩りをすれば全体で20ほどの獲物を狩ることが出来た。ほとんど動かずこれって本当にリポップ早いんだなぁ……


 さてと、そろそろぼっちになりに行きますか


「じゃあ、私はそろそろ森に行くよー。伐採範囲とか、適当に決めていいんだよね?」


「おう、できれば広めに頼むわ。あ、そうだ、これ渡しておくな」


「ん?」


 トレードで送られてきたアイテムを見る。なになに……?【ギルド承認土地の権利書】と、【範囲確認ロープ】、【魔よけの柵】?


「土地の権利書はまあ、そのままだけど、今は関係ない。ロープは、柵を立ててから使うんだけど、そのロープの範囲内が自分たちの所有する土地です。って目印だと。長さはかなりあるから、かなり広くしても大丈夫とは言ってた」


「あー、そういう感じか、ん、わかったよ。場所は森林の中だったらどこでもいいんだっけ?」


「できればルートに被らないこと、それと、あんまり奥に行かない方が安全、って言ってたぞ。まあ、中層くらいが無難じゃない?」


「りょーかい」


 となると、うーん、中層の深い方に家を建てておくかな?ピートくんがいれば問題なく伐採できるだろうし


 みんなと別れて逆戻りです。うう、ぼっち寂しい


「vau!」


 あ、うん、ヴォルカくんもいたね!


 さて、どこにしようか……広さもどれ位にすべきか悩むし。あ、採取、採集用の場所とかあるといいよね。もちろん畑とか作ってもいいし。だったら採掘できるような場所も探しちゃう?岩場があれば多少は鉱石が出るでしょ?


 うーん、となるとこれ、一人で探索しても旨みがないぞ……できれば、採掘とか、そういうのに特化した人がいればいいんだろうけど……んー、今回は土地確保だけでいいか。素材なんかは別でやればいいし


 あ、今から森に戻ったらログアウトができない。んー、ちょっと早いけどログアウトしておく?いや、今のうちに錬金とか、試しておこう。ついでに街も見てまわろう


 街行き用にスキルを入れ替えて、憑依させてる以外のアンデットを素材に戻して、ヴォルカくんとお出かけ。ピートくんは大きいので無理


 まずはギルドとか、お世話になりそうな所をチェック。大きめの商店、冒険者ギルド、神殿、宿屋、それに結構おしゃれなカフェなんかも。街が大きいからか、ある程度はずれの方に行けばちょっと治安は宜しくないっぽいけど、概ね平和だね。あ、治癒術院なんか有るんだ?私がお世話になることは無いね


「大きいねー。第一の街も結構大きかったけど、ここはもっと大きいし、新しいものがいっぱいだね」


 市場っぽいところも。ピークは過ぎただろうに、まだまだ人がいっぱい居る。いい匂いがする串肉を3本(1本はもちろんピートくん用)を買って、ヴォルカくんと食べながらぶらぶら


「お?生産設備施設利用可?」


 看板の下にそう書いてある。なんだろうここ?


「ん?どうしたお嬢ちゃん?」


「あ、いえ、ここなんの設備を利用できるのかなーって」


「ああ、異界の旅人さんか?ここはな、生産設備を貸し出してるんだ。まあ、あんまりいい設備じゃないが、素人や見習いが経験値稼ぎで使うにゃ便利な施設だよ。道具も持ち込みOKで、完全個室だから、たまに偏屈な職人がこっそり使ってたりもするぜ」


「へぇ、そんな設備があったんだ」


 お約束っちゃお約束だね。でも、ありがたい。あと30分くらいでログアウトするつもりだし、ちょっとお試しさせてもらおう


「親切にありがとうございます」


「いいっていいって、俺今休憩中だっただけで、ここの職員だし」


 あ、そうなんだ


「中に行って、受付があるから利用したい設備をいえば部屋の鍵を貸してくれるよ。どんな設備が必要かわかんないなら、やろうとしてることを言えばおすすめ設備に案内してくれるよ」


「わかりました、ありがとうございます!」


 お礼を言って設備を借りに入ります


「うーん、珍しいねぇ。他の旅人さんはもっと礼儀がなっちゃいなかったけど。ま、人それぞれかな?」


 何かお兄さんが言ってるけど、まあ気にしないでいいでしょ。それよりもレッツ錬金!





 はい失敗です。まごう事なき失敗です


 いや、序盤はいい感じにいってたんだけど。でも今手持ちの素材の半分はきれいさっぱり無くなった。ドウシテコウナッタ


「レベルが足りないって話だよねー……」


 現在、30分間延々と錬金をしたお陰で、錬金のレベルが上がる上るで現在は5までアップしてる。でも特にアーツが増えたりもせず、合成、下位変換、上位変換、初級錬金、というこの四つだけである。


 合成は複数、今は二つだけ、のものを一つにまとめ、性能をあげたり、別のものに変換することが出来るアーツで、骨なら頑丈な骨、とかに出来た。


 上位変換は要求素材が増える代わりに、その分より上位の存在に出来るアーツ。これも骨で試してみたけど、骨10本でより頑丈な骨、とか、頑丈な骨、に変換できる。変換効率とか、なんで質にばらつきがあるのかは要検証だなこれ……


 下位変換はまあ、読んで字のごとくで上位変換の逆バージョン。骨一本で骨粉が十個出来た。毛皮から体毛に変換されたのは納得出来ないけど


 初級錬金は、合成と違い、錬金薬、というものが必要だった。錬金薬はこの初級錬金で唯一錬金薬を必要としないもので、合成でも作れる。でも必要な素材がわからないので保留。魔石が必要だってのは確認済み。レシピの項目に乗ってるし


 で、素材が消えた理由だけど。さっきも言ったように序盤はいい調子だった。骨や毛皮、角とか牙とか爪とか、上位素材に変換したり、合成で別のものに変えたり。で、調子に乗って、この上位素材をさらに上位素材にしようとしたわけですよ


 まあ結果は大失敗。変換も合成も、失敗したら『ゴミ』になるんですよ。ゴミですよゴミ。悲しくなりません?


 念の為残して置いた半分の素材は守られたからよかったけど……ちなみに、魔石も上位変換下位変換、そして合成の対象でして


 まあやっちゃいましたよね。下位変換自体は問題なかった。魔粉か、魔石片、というアイテムになって、この魔石片はわからないけど、魔粉は素材不明のレッサーミストの素材に出来るのでこれは嬉しい


 で、魂の粉だけど、こっちはどれも受け付けなかった。まあ、これが無事なだけまだマシだね。創造素材が無事なのはありがたい


 で、まあ、一応、成功例が、数個だけ存在する


 魔石の上位変換で出た魔結晶。これを意地になって上位変換しまくった結果、魔鉱石、というアイテムが二つ


 魔粉が合成できるとわかり、これもいろんなものと合成しまくり、頑丈な骨と合成した魔力を帯びた頑丈な骨、が3本


 兎のお肉にも魔粉を合成できてしまい、魔獣肉、ってのが一つ。いや、最初の兎って魔獣じゃないじゃん。これシステム側大丈夫……?


 とまあ、かなりの素材を無駄にしてしまい、この結果である


 魔石なんかあと数個しか残ってないよ……


 とまあ、嘆きつつも、設定時間が来たので退室。そのまま宿に入ってログアウト。お昼ご飯を食べたらまたログインしないと。今度こそ伐採じゃあ!



 ---------------------------


 はい、戻ってきました第三の街!うっ、この、感覚は満腹なのに何故か感じる空腹感と喉の渇きがなんとも……


 とりあえず、私はさっきの1時間で気づいた問題を解決しなければいけません


 そう、森の中だとログアウトできない!


 セーフティエリアじゃないとログアウトできない上、ログアウトには就寝ができるスペースが必要


 そこで、そういうログアウトとかが安全にできる方法がないか、道具屋さんに聞いてみました


「だったらこのテントセットがおすすめだよ。値は張るけど、魔物避けもついてるやつと、安い代わりに魔物避けがついてないやつ。それから、テントだけのやつ高い方から、60万、10万、3万だよ」


「差が激しい!」


「魔物避けの魔道具が高くてねぇ。ちなみに、テントは空間拡張・小に、環境効果緩和・中、据え付き簡易調理セット、簡易収納、快適寝袋、これがついて10万だよ。テントだけのは、あと全部自分で揃えないとだよ」


「なんと……ぐぬぬ……」


「見たところ異界の旅人さんだろう?頻繁によその世界に飛んじまうあんたらにはせめて10万のセットは欲しいんじゃないかい?」


 むぅ、たしかにその通りだ。これらの説明に付け加えると、このテントはシステム的には簡易ホームを、さらに限定的にした設備扱いで、セーフティエリア外でもログアウトを可能にするシステムがついてる。そして、魔物避けは、システムとしては、パーティメンバーのレベル以下の魔物のエンカウント率を大幅に下げるというもの。つまり、ピートくんを召喚しておけばレベル46以下のmobは襲ってくることはほぼなくなるということである


 これはぜひ欲しい。欲しいんだけど、だけど……


 手持ちをほぼ使い切るのだ。さっきの施設利用やら買い込みやらで70万まで減っている所持金……


 うーん……


 うーん………………


 …………


「ぬぅ、そんなに見つめてもまけてあげれないよ?」


「そこをなんとか……あ、じゃあ、保存食とか、色々買いますんで、それ含めて60万で!」


「いや、そこは普通に加算させてもらうよ!」


「ならカンテラ、油、食材コミコミ63万!」


「いいや、68万だ!」


「このピッケル、ハンマー、砥石も合わせて65万に!」


「70だね!値引きできないって言ってるじゃないか!」


「なら、えー、この折りたたみ椅子も買います!」


「ぐぬ、あんまり売れてない椅子を……なら、一人用のこの机も買うなら考えよう」


「む……椅子と高さあってないんじゃないですか?せめて高さが合わないと、買いませんよ?」


「ならこれはどうか?この折りたたみデスク、テントの中ではちと大きいが、外でなら4人は使える。この椅子4つと机、それとピッケル3本、精製ハンマー2本、保存食三日分に、カンテラ、灯油、食材、これらで75万!」


「私ここで不良在庫の伐採用の斧買ったじゃないですか!他にも地味に売れてないやつ結構買いましたよね!?」


「ぬぅ……ならば……ぐぅー……うーむ……」


 ふーぬ、迷ってる迷ってる……ここでダメ押しでなにか……あ、この錬金素材売れないかな?魔鉱石も、いっこキープで……


「じゃあ、これを売ります!」


「ふむ……?おぉ、魔鉱石!……1個か……相場は確か……」


 カウンターに戻っていく店主さん。ごそごそ何かやったあと、ギルド買取表と書かれた本を持ってこっちに戻ってきて、魔石の項目を見てる。


「あったあった……ここでの魔鉱石の買取は、ギルド評価で……えー、10万だね」


「えっ、そんなに!?」


「ああ、属性のない魔石で5000から、、魔結晶で3万から、で、魔鉱石は8万から、これは平均よりそこそこ大きいから、色をつけてこれくらいだな」


 おー……魔石って、思ってたより高い……まとめて売ってたから相場がわかってなかったよ


「それじゃあ、属性魔石はいくらなんです?」


「火や風の魔石を売ってくれてたな、そう言えば。まあ、魔石が属性持ってても正直そんなに値段つかないね。属性の無い魔石の方が高いくらいだ。魔結晶からは属性によっては値が全然違うけど。火の魔石は使いでがいいから3500、風は用途が少ないから1500だな。ちなみに、属性がない魔石は燃料として有用で、汎用性が高いから、ほかよりも高いな。無属性魔石は、属性がない魔石とはまた別で、詳しくは知らないけど、値段が段違いだね。まあ、魔石レベルだとそれでも安いけど」


 無属性と、属性がないは違う……?よくはわかんないけど、とにかく売れるのなら、ここで魔獣肉も売っちゃおう。骨はキープで。創造素材に名前があるしね


「魔獣肉はここじゃぁ買い取って無いねこりゃ普通の商店じゃあ使えない。料理屋か、錬金術士にでも売るのがいいんじゃないかな」


 ちぇ、残念


「魔鉱石の買取で、うーん、そうだなぁ……この辺じゃあまり見かけないし、このサイズなら上等な魔道具が作れるからな……そうさなぁ……」


「……」


「はぁ……おおまけにまけて、70万……なんでそこで残念そうな顔するんだよ……わかったわかった。これからも贔屓にしてくれるなら65万で売ってやるよ!」


「よっしゃ買った!」


 思わずガシッと握手する。あ、もちろん毒爪とかは外してるよ!


 一瞬ポカンとしてたおじさんもニッと笑って握手を返してくれる。いやぁ、いい買い物が出来た!


 ……いらないものも増えたけど。食材買っても、私料理スキル持ってないよ。あ、簡易調理セットは、スキルなしでも使えるんだ?でも私料理出来ないよ……


 早速現金を支払ってアイテムを受け取り、苦笑しつつも朗らかに送り出してくれる店主に挨拶をして森へと向かう


 ……なお、他の住人やプレイヤーが居る中でのやりとりだったため、この様子が掲示板に載っていたことを私は知る由もなかった……



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