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音子、見舞いに行く

 コカゲの……じゃない。都子の家とかひっさびさだな。


 まったく……あいつはいつも頑張りすぎてやらかすんだから。高校受験も当日倒れかけてたし。


 都子とは中学からの付き合いで、気づいたら仲良くなってた。きっかけすら覚えてないな……


 恋とは幼稚園からの付き合いで、梢は都子と同じく中学から。


 イベント二日目こと大討伐の初日、出てきたのはまさかのゴブリンだった。それはそれはすんごい数でプレイヤーが足りないだろ?って思ってた。


 そしたらまさかの出来事が。まあ、そのへんはまた追々都子に教えてやろう。


 今は何をしているのかといえば都子のお見舞いに行っている最中だ。恋は今せっせとゴブリンの首を鞭ではねてる事だろう。


 ……意味わからんな。


 ちなみに家は近所だ。だから食事休憩がてらにお見舞いに行くことが出来る。


 本当はもっと頻繁に行きたいけど……まあ、今はゲームで会えるからいいけど。


 だいたい十分くらい。っと、ついたな。


「こんにちはー」


「……はーい!」


「音子です。お久しぶりです、都子のお見舞いに来ました」


「まあ!音子ちゃん、どうぞどうぞ、入っていいわよ。お久しぶりね」


「どうも、お邪魔します」


 この人は都子のお母さんで、すごく可愛らしい顔をしてる。梢の方が似てるね。


 都子は父親と母親のいいとこ取りって感じかね?


「今都子ちゃん起きてると思うけど……起きてないなら梢ちゃんのお部屋でもゆっくりして行って?暑い中わざわざありがとうね」


「いえ、ちょっと心配でしたし、ゲームも一緒にできませんから」


 それに、コカゲがいないと調子が狂うし、何より、私が寂しい。


「ああ、あの、じーえるおーってやつね。ふふ、梢ちゃんもハマっちゃうくらいだからよっぽど面白いのね。でも、遊んでばっかりはだめよ?」


「大丈夫ですよ。ただまあテスト勉強のしすぎで倒れるのは予想外でしたけど」


 すごく心配したからなぁ……遅くまで付き合わせすぎたかって。最近はただでさえゲーム内でコカゲにヘイト集まってるし……主にピートくんとか


「それじゃ顔みてきますね」


「ええ、どうぞ」


 最初に梢の顔を見て、都子の部屋に入る。


「あ、先輩でしたか。お姉ちゃんのお見舞いですか?」


「ん、さっきぶり。そうそう。今起きてる?」


「ん、多分起きてますよ。ご飯食べてすぐなのでもしかしたら寝ちゃってるかも知れませんが」


 まあそれならそれで貴重な都子の寝顔が見れるしいいけどな。


 ドアをノックする梢


「お姉ちゃん、音子先輩が来てくれたよ」


 ……


 む……これは……


「んー、寝てる、かな?」


「ま、いいよいいよ、ちらっと顔みたら帰るし」


「そうですか?それじゃどうぞ」


 梢の後に続いて部屋に入る。


 ……相変わらず殺風景……でも私は知ってる。あの机とベッドの収納に隠してある携帯ゲーム機やらマンガの存在を。


 知ってる理由は梢だ。バレバレだそうだ。


「お姉ちゃん?」


「すぅ……すぅ……」


「ごめんなさい、寝ちゃってました」


「ん、大丈夫。でも顔色悪くないね。これなら明日には復活かね?」


 あー……都子可愛いな……


「梢ちゃーん、音子ちゃんにお茶を持っていってあげてー」


「はーい。それじゃ、ちょっと行ってきますね」


「ん、ありがとうな」


 パタンと閉まるドア。


 都子をちらっと見る。


 ……よく寝てるな


「……まったく、早く良くなれよ?」


 ほっぺたを軽く撫でたり、髪を摘んだりして言う。


 ……パシャリ


「やべ……思わず撮っちまった……」


 だ、誰も見てないよな……?


 ……


 も、もう1枚だけ……


 パシャリ


「……♪」


 う、うぉぉぉ……


 ……こっそり待ち受けにしておこう。


 ……やっぱり壁紙の1枚にしておこう……流石にハズイ……


 その後は梢とお茶して、今後の方針を話して帰った。


 ……ついでにバレないように最後にもう1枚だけ写真も撮っちゃった。


 ……ああ、癒し……

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