キャラクタークリエイト! 私、アンデッドになります!
キャラクリです。色々中途半端に盛り込んでいるため、これは違う、と思う方もいらっしゃるかもしれませんがご了承ください。
ゲームを手に入れ、急いで家に帰る。妹は先に帰っており、ゲームを抽選券で引き換える準備をしていた。
「あ、おかえりなさい。って、そんなに急いでどうしたの?って、おふたりも一緒じゃないですか。本当に何が……」
肩で息をする私を心配そうな顔で見てくる妹に答えず、しばしの間息を整える。
スーハースーハー、よし、落ち着いた。
「手に入れたの!gloを!」
ジャーンと突き出す手にはgloがしっかり握りしめられている。
妹は驚いて目を見開くも、すぐに笑顔になって喜んでくれる。
「わあっ!よかったねお姉ちゃん!これで一緒にプレイできるよ!」
「私たちとも一緒だな。」
「うんうん、一緒に遊ぼうね〜。」
結局その日は妹と友人達のゲームを引換え、ソフトを手に入れた。パーティを組む約束もし、種族や職業について話し合う。
gloでは初期選択種族だけでもかなりあるという。
人間、獣人、エルフ、ドワーフ、魔族、などの基本から、妖精、精霊、竜人、樹人、人蟲、死霊、天使、悪魔、屍人、魚人、巨人、小人、妖魔、鳥人、機人、などといったものなどがあるらしい。これらも大別的に分けた場合であり、この中からさらに細かく分かれていくし、まだまだ種族はあるらしい。
基本的にどの種族を選んでも人型であるが、設定いかんでは四足獣にもスライムのような不定形にもなれるらしい。
職業についても同じで、剣士、盾士、盗賊、射手、魔術師、呪術師、錬金術師、合成術師、鍛冶師、槍使い、斧使い、農業手など、本当にたくさんの職業があるらしい。
派生職業や転職もあるらしく、重剣士は剣士の二段階先らしい。
魔法に関しても四大属性に光と闇があり、そこから各種派生と合成があるらしい。土と水で木魔法なんかがいたから間違いないそうだ。
また、魔法には系統があるらしい。
召喚系統、創造系統、具現化系統、干渉系統、回復、治癒系統、契約系統などなど。
具現化系統が基本的な<ファイヤー>や<アクア>といった、魔法攻撃に当たるらしい。
次に武具、防具や道具だが、これらは多すぎてはっきりいって把握出来ない。剣一つとっても何百もの派生がある上に、生産職であればオリジナル武器を作れるらしく、βテスト段階で既に把握出来なくなっていたとのこと。
次に倒すべき敵、魔物や魔獣だが、これらは種族的に妖魔や悪魔に入るらしい。しかし、知性がなかったり、他種族を無条件で襲ったりするなど、知性、理性がないものは全種族共通で倒すべき対象とのこと。
死霊とか屍人はアンデットだけど、負の感情や怨念なんかを理性と知性で抑え込め、人に害をなさない者達が集まり、種族として認められた……らしい。
ちなみに各種族ごとに出身領が存在し、始まりの村は基本的に各種族ごとの領地内に存在し、最初の村だけは神殿で繋がっており各領地へ行くことが出来るんだとか。
とにかく、これらの情報を見ながら、そしてテスターだったふたりから聞きつつ、どんなキャラにしていくかを決めて言った。
そして第一陣ゲームスタート当日。
私と妹はそれぞれ部屋にこもってVRギアを装着しベッドに横になっていた。
ワクワクが止まらない。楽しみでしょうがない。心臓が脈打つ音が響いてきて、苦笑する。
ゲーム開始のカウントダウンが始まる。5、4、3、2、1……
――ようこそ、grand life onlineへ――
―――――――――――――――――――――――――――
一瞬視界が暗転したと思えば、歓迎するようなセリフが聞こえた。
そして、周りに幾何学的な模様がいくつも刻まれた祭壇のようなものがある建物の中にたっていた。
『ようこそ、grand life onlineの世界へ!』
!いきなり目の前に女の子と男の子が出てきた。思わずビクってなってしまった……
『今からgloについての説明、キャラクタークリエイト、そしてチュートリアルを行います。よろしいですか?』
お?頭の中にyes/noの選択コマンドが。ふむ、noにしたらどうなるのかな?
「えっと、ノーにしたらどうなるの?」
『その場合はチュートリアル、及びゲームの説明をスキップし、キャラクターの作成のみを行っていただきます。チュートリアルボーナスは存在しませんので、スキップしていただいても問題はありません。』
おお、ちゃんと答えてくれた。ふむふむ、つまりキャラクリのみやってあとは実践、っていいのもできるわけね。まあ、私は初心者だし、チュートリアルも込みでやろう。
頭に浮かんだ選択肢をyesに
『それでは、説明を始めます!このゲームでは、様々な種族、職業を選び、様々な国、領地を旅し、未開の地を探索する、といった、第二の人生を楽しんでいただくゲームです。明確なクリアは設定されていませんが、未開の地、ダンジョン、新大陸などを開発する、と言ったことも可能です。』
このへんは事前情報通りね。無目的ってほどではないけど、明確にクリアがあるってわけじゃない。イベントやダンジョン攻略なんかはあるけど、基本的には勝手にしていい、と。
『また、現在は行動不能なエリアがいくつもあり、アップデートごとに解放され、その都度イベントが開催されます。そういった催し物を楽しむ、と言った楽しみ方も存在します。』
へー、未解放エリアがあるのか。そのへんはまあアップデート時でないと情報は出ないだろう、今はあんまり重要じゃないかな。
『次に種族領ですが、各種族はそれぞれが適した、あるいは出身とする領地に第一拠点を持ちます……』
それから大体5分ほど説明を聞いていた。重要な情報としては、種族には職業と同じで転職……というか進化があるらしい。
また、拠点は個人で最大五つ設定できる。
冒険者ギルド、生産ギルドのゲーム内2大ギルドは両方に所属可能であること。各プレイヤーが立ちあげるギルドはこのシステムには当てはまらない別物ということ。プレイヤーが立ち上げたギルドには一つのギルドにしか所属できないこと。
PK行為もできるらしく、悪質でない限りGMはPK行為も容認するとのこと。
などなどだ。まあ、ほかに重要なことは改めて確認、かな。
さて、いよいよ待ちに待ったキャラクリの時間!まずはプレイヤーネームと性別から、っと。
Playername《Kokage》性別♀
お、入力が終わったら素体が出てきた……って、まんま私じゃん!
へぇ、基本的にキャラの容姿は本人を参考にしてるのね。
まあ、いじり倒すけどね。
まずは髪型、んー。とりあえずそのままで、髪色は……グレイにしよう。
目元も鼻もいじらずに……瞳の色は暗いグリーンに
輪郭はちょっとシャープにして……女の子なんだからいいじゃない!
体格はちょっと細くして、足も少し長めに……ゲームの中でくらい美人になりたいんですよ……
胸は……ダメージが大きいのであえていじりません
さて、大まかに容姿を決めたところで種族を選ぼう。
この容姿は種族設定を行ってさらに詳細な設定が行えるようになっている。例えば天使を選べば羽が生え、色や長さが変えられる。
で、私が選ぶ種族なんだけど……実はまだ決まっていない。
実際に見て決めたかったのだ。
大まかな種族で気になったのは王道中の王道のエルフや獣人。
だけどやっぱりこれだけの種族があるんだ、人が選ばないような種族を選択したい。
下を見ていくと……死霊、屍人などのアンデットの項目が目に止まった。
アンデット系列は弱点が多く、ステータス制限なども厳しいが、専用職業やボーナスポイントなど特典も多い。
ネクロマンサーとか、そういう厨二的な職業もいいかも、と思えてくる。
話し合いの結果私はあくまで後衛か中衛の職業を選べばいいので、種族的には何を選んでもいい、ということになっている。
うーん……
とりあえず死霊の中のデータを見る。
レイス、ゴースト、ワイトの三種類
遠、中距離には向いてるけど、ちょっと違うかな……
次に屍人のデータを見る。
ゾンビ、スケルトン、マミーの三種類
えっと、腐肉か骨かぐるぐる巻かしかない……
成長すればリッチだとかヴァンパイアみたいな上位になれるのは知ってるんだけど……
とりあえずワイトとマミーで習得可能なスキルなんかを見てみる。
各種族によって習得できるスキルなどは共通して10個まで。そこに職業とランダムボーナスを組み込むことでスキルや技能を増やせるわけだ。
で、ワイトで習得可能なスキルだけど……
物理攻撃系が一切ない代わりに、魔法系はかなり充実してる。
《精気吸収》や《闇魔法適性》など、後衛職に向いた技能が選べるようだ。《死霊強化》なんか面白そうだ。
対してマミーだけど、前衛、中衛、後衛、それぞれサブ的にこなせそうなスキルが多い。
《土魔法適性》《闇魔法適性》《水耐性》に始まり、《拘束術》《呪い》《噛み付き》《引っ掻き》などの中、近距離攻撃。さらには《吸収回復》という、敵に触れていればHP,MPを微量回復するスキルなんかがある。
ちょっと……いやかなり興味がそそられる。選択できる職業も《黒魔術師》や《邪法師》などの後衛職に、《尖兵》や《デスナイト》などの前衛職も存在する。
弱点が多く、初期ステータスも偏っているが……この種族がいい、と心が決めてしまった。
『種族、マミーで問題ありませんか?』
躊躇せずyesを選ぶ。
『では、次に職業をお選びください。』
さて、ここだ、私は後衛よりも中衛でサポート的なことがしたい。なので中衛向きな職業を探す。
そして見つけた。マミー専用職の一つ、《縛霊術師》
覚えている初期スキルは六つ《死霊使役》《死霊召喚》《死霊創造》《死霊強化》《屍操作術》《杖適性》
この職業に決めた。そのままyesを押し次にキャラステータスの設定へ。
――後で知ったが、職業ではステータスポイント同様に何度もリトライをしていけばランダムでスキルが増減したらしい。――
さて、このステータスだが、これもかなり細かい。このステータスを降りながら、外見も少しずつ変動していく。
現在の私のステータスは職業ステータス込みでこんな感じだ。
《Kokage》 ♀ マミー 《縛霊術師》
HP (ヒットポイント) 182
MP (マジックポイント) 85(+50)
SP (スタミナ) 82
STR (筋力) 65
VIT (生命力)100
SIZ (体格) 17
DEX (器用さ) 35(+20)
AGI (速力) 45
REA (反応速度) 15
INT (知力) 35(+30)
MND (精神力) 50(+20)
CON (集中力) 20(+15)
SEN (五感)
·視覚 5
·聴覚 35
·嗅覚 25
·味覚 15
·触覚 40
APP (魅力値) 5(-10)
LUC (幸運) 10
KAR (カルマ値) -20(-30)
ボーナスポイント245
である。というか魅力マイナスとか辛い……
HPはSTR+SIZ+VIT、MPはINT+MND、SPはSTR+SIZで出される。
攻撃力はSTRの1割(武器装備なしの場合)
防御力はVIT+SIZの1割(防具装備なしの場合)
魔法攻撃力はMND+消費MPの1割(魔法の種類などにより増減)
魔法抵抗力はMND+CONの1割(魔法の強さによりダメージ増減)
クリティカルはCON+RUKの1割
で計算する。
ちなみにカルマ値はアンデットは基本マイナスで、これが低ければ低いほど悪に傾いている。
とまあこんな感じである。
さて、ボーナスポイントの割り振りだ。BPは最大で300ポイントもらえ、HP,MP,SP、SIZ、そして幸運とカルマ値には割り振れないようになっている。
私のBPは200を超えてるので結構多いほうだ。
で、割り振ってみたのがこんな感じ。
《Kokage》 ♀ マミー 《縛霊術師》
HP (ヒットポイント) 182 [182]
MP (マジックポイント) 85(+65) [150]
SP (スタミナ) 82 [82]
STR (筋力) 65 [65]
VIT (生命力) 100 [100]
SIZ (体格) 17 [17]
DEX (器用さ) 35(+15) [50]
AGI (速力) 45(+10) [55]
REA (反応速度) 15(+30) [45]
INT (知力) 35(+30)(+15) [90]
MND (精神力) 50(+20) [70]
CON (集中力) 20(+15)(+20) [55]
SEN (五感)
·視覚 5(+35) [40]
·聴覚 35 [35]
·嗅覚 25 [25]
·味覚 15(+35) [40]
·触覚 40[40]
APP (魅力値) 5(+65)(-10) [60]
RUK (幸運) 10 [10]
KAR (カルマ値) -20(-30) [-50](MAX500〜-500)
となった。ちなみにヒューマンの初期平均値がだいたい45~55らしい。
ギリギリヒューマンの初期値越えかぁ……
流石にアンデット、生者よりは弱いか……
ま、まあ、気を取り直してアバターをいじっていこう。
現在は褐色の肌にボロボロの布を乱雑に巻き付け、カサカサの髪と焦点のあっていない瞳を持つスレンダーな私が映っている。
ステ振りの結果では筋力などをいじらなかったからそこまで変化はないが、魅力値をあげたからかちょっと色っぽくてかっこいいような印象を受ける。
……私に似てるせいでなんとなく恥ずかしく感じる。
あ、指先がしっかりしてる。最初は爪もぼろぼろだったのに。器用値をあげたからかな?
さて、次はいよいよスキルの取得。
ちなみに既に取得されている種族スキルはスキルスロットに含まれないもので、悪いスキルといいスキルで打ち消しあってるような感じだ。
種族バッドスキル
《火属性弱点》《光属性弱点》《斬撃被ダメージ増加》《回復魔法ダメージ化》《神聖域内常時ステータス大低下》《屍人》《死霊》《印象値低下》《飢餓状態》《渇水状態》
種族グッドスキル
《乾燥ダメージ無効》《水属性耐性》《夜目》《乾燥域内ステータス微上昇》《日光下行動可能》《呼吸不要》《睡眠不要》《精神攻撃耐性》《痛覚鈍化》《生命感知》
これらが既に取得されているスキルである。
屍人と死霊は種族でもあるが、このスキルがあることで光属性からのダメージを増やす。また、回復、治癒はそのままダメージになってしまう。
飢餓と渇水はHPこそ減らないがスタミナがとても減りやすくなる。
対してアンデットでありながら日光の下で行動可能というのはありがたい。マミーは砂漠のアンデットだし、平気なのかも?
呼吸不要や夜目はアンデット系は基本持っているらしく、序盤では夜目は結構役に立つ。
残りのスキルはまあだいたい見ればわかるかな?
で、取得できるスキルは……14個か。
んー、職業スキルは召喚、創造、操作だし……杖もあるから、魔法と近接スキルを半々くらいでとっていくかな。
とりあえず《闇魔法適性》《土魔法適性》をとって……
ここでも5分ほど悩み、その末このようなスキル構成となった。
《闇魔法適性》《土魔法適性》《引っ掻き》《噛み付き》《吸収回復》《呪い》《杖術》《毒爪》《布装備作成》《木工》《眷属化》《気配遮断》《瘴気》《乾燥》
これに先程までで取得済みのスキルが加わる形だ。
さて、これでキャラクリも終わり、チュートリアルへと進む。
『キャラクターの設定は以上でよろしいですか?』
yesを選択する。
『それでは、チュートリアルを始めます。』
一瞬視界が白み、気づけば目の前にザ、チュートリアルと言わんばかりの兎のモンスターがたっていた。大きさは普通のうさぎより一回り大きく、歯が長く刃物のようになっている。
《???》
む、鑑定系をとってないと初めて見る魔物は名前もわかんないのか……一度戦えば名前くらいわかる、と思いたい。
いつの間にか握っていた無骨な木の杖を構え、戦闘態勢に入る。
まずは小手調べで……
「《杖術》スキルのアーツは……まだ無いわね。ならとりあえず振り下ろせばいいでしょ!」
ぶん、と勢いよく振り下ろす。
兎が痛そうにうずくまった。チャンスだ!
「やっぱりここは魔法よね!《ストーンバレット》!」
土魔法最下級の魔法を唱え、うさぎに向かって発射する。うずくまっているその頭に綺麗にあたり、HPが削れきったのかそのままぐったり動かなくなる。杖でちょんちょんつつき、死亡を確認する。
「たお、したわね。おぉー、こんな感じなのね。」
実際に手にかかる杖の重さや殴った感触があとから思い出され、ちょっとした興奮状態になる。
しばらくしても死体が消えないが、剥ぎ取りが必要だと思い出し納得する。
「はぎ取りとってなかった……まあ、大丈夫、かな?屍操作と組み合わせれば行けるでしょ」
そう結論づけていると、チュートリアルが終了する。
『それでは、grand life onlineの世界をお楽しみください!』
二人の子供に見送られ、光の道へ足を踏み出す。
私の冒険が今、始まる!
現在ステータス
Playername《Kokage》性別 ♀ 種族 マミー 職業《縛霊術師》
HP (ヒットポイント) 182 [182]
MP (マジックポイント) 85(+65) [150]
SP (スタミナ) 82 [82]
STR (筋力) 65 [65]
VIT (生命力) 100 [100]
SIZ (体格) 17 [17]
DEX (器用さ) 35(+15) [50]
AGI (速力) 45(+10) [55]
REA (反応速度) 15(+30) [45]
INT (知力) 35(+30)(+15) [90]
MND (精神力) 50(+20) [70]
CON (集中力) 20(+15)(+20) [55]
SEN (五感)
·視覚 5(+35) [40]
·聴覚 35 [35]
·嗅覚 25 [25]
·味覚 15(+35) [40]
·触覚 40 [40]
APP (魅力値) 5(+65)(-10) [60]
LUC (幸運) 10 [10]
KAR (カルマ値) -20(-30) [-50](MAX500〜-500)
職業スキル
《死霊使役》《死霊召喚》《死霊創造》《死霊強化》《屍操作術》《杖適性》
種族バッドスキル
《火属性弱点》《光属性弱点》《斬撃被ダメージ増加》《回復魔法ダメージ化》《神聖域内常時ステータス大低下》《屍人》《死霊》《印象値低下》《飢餓状態》《渇水状態》
種族グッドスキル
《乾燥ダメージ無効》《水属性耐性》《夜目》《乾燥域内ステータス微上昇》《日光下行動可能》《呼吸不要》《睡眠不要》《精神攻撃耐性》《痛覚鈍化》《生命感知》
初期選択スキル
《闇魔法適性》《土魔法適性》《引っ掻き》《噛み付き》《吸収回復》《呪い》《杖術》《毒爪》《布装備作成》《木工》《眷属化》《気配遮断》《瘴気》《乾燥》
習得魔法
土魔法 《ストーンバレット》《サンドダスト》
闇魔法 《ダークショット》《ブラックミスト》