闘技大会 VS戦槍の騎士団 VS食材発掘同好会
今回は戦闘ばっかりです。
さて、いよいよ三回目の試合……相手は槍使いのパーティ、戦槍の騎士団です。
この機にしっかりと技を盗ませていただきますよ!
今回は私とホーネットさんが前、ねね先輩が魔法を使った援護遊撃。こい先輩とブレアさんが後衛で補助組です。
まあ、ビヨンデッタさんほどではないにしろ、間合いもあって威力もある槍だと、防御が薄い先輩達では厳しいですからね。
まあ、私も今回はバンバン魔法を使っていく予定ですけどね!
と、そんなふうに意気込んでいると……
「はぁ……」
「またかよ。いい加減諦めろよ。金も時間も足りなかったんだから。」
「せやかて……ウチのメイン武器やで?そりゃやっぱ悲しいに決まっとるやん。」
そうなんです。この試合の前に戦ったビヨンデッタさんの攻撃によって、ホーネットさんのパイルバンカー仕込みの大型ガントレットが耐久値全損一歩手前まで行き、修理に出されているのです。
なんでも鍛治で直すものではなく、専用の生産職の方がいて、その人にお願いするらしいです。
ただ今回は機構のいくつかがダメになっており、ただリペアすればいいってレベルを超えてしまっていたらしく、700万ほどお金が必要らしいのです。
もちろん、そんな大金誰も持っていません。
そのせいで予備の武器であるガントレットを身につけてきているのですが……やっぱり残念な様子で、先程から何度か溜息を吐いているのでした。
「……つ……予選……賞金……優勝……ブツブツ……」
……な、何かブツブツ呟いていらっしゃいますが……虫の外見のせいでギチギチと歯を鳴らすモンスターにしか見えません……怖い……
とと、そうこうしているうちに試合開始の時間です。今日は最初から槍を構えていきます。
私が相手をする予定なのは、ちょっと暑苦しい、円錐形の、いわゆるランスを持った人です。試合内容を見ても、見た目通りのパワーファイターなのでしょう。今も槍を空中に向けて突き出して気合十分な様子です。
パワーなら私も負ける気はしませんけどね。女の子としては少々複雑ですけど。
『それでは試合、開始!』
審判の開始の合図とともにホーネットさんと一気に切り込みます。そして
「《ファイア・シュート》!」
「うぉおお!《バーニングスマッシュ》!」
私とホーネットさんとで先制魔法攻撃を仕掛けます。狙うは前に立つランスの人と団長さんです!
「いきなり魔法とはな、我らも学んでいるのだよ!」
暑苦しい人がそう叫ぶと同時に炎の塊にランスを向けます。
「《チャージ》……《ブレイク・ランス》!」
「《ブレイク・ランス》!」
!なんと、魔法が散らされてしまいました!
「やるなぁあいつ。魔法の核を狙って壊しやがった。まぐれにしても、アレができるだけでもそこそこのプレイヤースキルだってわかるな。」
やっぱり難しいですよね。しかしこうもあっさりと防がれてしまうと、少なからずショックですね。
「隙有り」
「ねーよ!」
あ、腕組さんがねね先輩に突っ込んできました!やっぱり早いですね。
「とと、集中……よし」
ギンっと強く相手を見ます。
見れば見るほど暑苦しく、そして何より筋肉がすごいです。ムキムキです。
「行きます!はぁっ!」
槍を横薙ぎに振るいます。相手はランス、槍と違って振り回すのではなく突き刺すということに重きを置いた武器なら、この選択は間違いではないはずです。
「甘いわ!」
「なっ!」
しかし、予想に反し、軽く振るわれたように見えたランスに体勢を崩されてしまいます。
どんな筋力してるんですか……!
団長さんの方へと向かったホーネットさんは……あー、苦戦どころか防戦一方です。魔法を使う暇さえなさげです。
「むぅん!《パワー・ランス》!」
「くっ!《咆哮》!ウォオオオオ!」
「ぬぅ、効かんわ!」
ぎゃぎぎぎっ!
「きゃあ!」
なんと、咆哮が効きませんでした!耐性が高いか、確率に負けたか……
「ぐ、ぐう……」
HPが四割近く削られました。そこそこ防御も厚い自信がある分、恐ろしいです。
「わわ!回復行きます!《ヒール》!」
ブレアさんの回復で七割まで回復します。さすがの回復役、お姉ちゃんも後衛ならこういうふうな正統派な後衛をやってほしいです。
「ちぃっ!回復が邪魔だな!」
「行かせませんよ!」
「わかっておるわ!喰らえ《三段突き》!」
「なん、の!《カウンター》!」
「何!?」
タイミングがわかりやすいんですよ、槍のスキルは!
なんせ一度手を引いて溜めなければいけませんからね!
相手の1度目の突きに合わせてこちらも槍を突き出し、槍を持つ腕を貫きます。
ゾブリ
「ぐあぁ!」
「貰った!でええぇぇいっ!」
そのまま槍を手放し剣を抜き首に突き立てます。
即死判定かクリティカルか、ランスの人の首が飛びます。
まずは一人目です!
「ぐぁ、う、ぐぅっ!」
「っ、ホーネットさん!」
槍に貫かれて息も絶え絶えな様子のホーネットさん、対する団長さんは隙なく槍を構えて私も視界に入れています。
「ダンがやられたか、なかなかやるではないか!」
「それは、どうもです。」
褒められてしまいました。
「だが、俺には勝てんぞ!」
そう叫ぶや否や槍を横一閃、ホーネットさんが吹き飛ばされ、HPが全損したのか消えていきます……
「くっ!ブレアさん!」
「うん!《エンチャント・ディフェンス》!」
「小癪な!」
すごい速さで、重い音を響かせながら槍が迫ってきます。これは受けられないですね。
「避けるか!だが避けてばかりでは意味が無いぞ!」
「《ファイヤ・バースト》!」
「ぐっ!」
一度大きく下がります。と同時に魔法を残していきます。
が、それにすら反応されてほとんど躱されてしまいました。
「そっちこそ今のを避けるんですか!」
「あれくらいならな!」
ブゥウン!
返事と同時に振るわれる槍、大振りのくせにとんでもない速度です。
「くっ!」
地面を転がることでなんとか避けますが、そんな隙を逃してくれません。
「そりゃ!でやぁっ!」
ブゥン!ドガッ!ブォン!
一振りで目の前の地面の土が舞い、振り下ろしをさらに転がっても避け切れずHPが更に削れ、三振り目で捉えられ大きく飛ばされてしまいました。
「が、はぁっ!」
「お前さんは暴走?が怖いからな。ここで退場してもらう!」
「く、ぐぅ……」
ここまでですか……
「《ライト・ウォール》!」
「ぬ!」
バリンッ!っと甲高い音がしたかと思えば一瞬振り下ろされる槍が止まります。
すかさず転がり間合いをとってなんとか立ち上がります。
「はぁ……はぁ……あ、ありがとうございます、ブレアさん……!」
「今回復するね!《ハイヒール》!」
私も懐から回復ポーションを取り出して一気に飲み干します。
「んぐっ、ごくっ……うぇ、げほっごほっ!な、にこれ……」
す、すごく、すごく……苦いです!その上どろどろで飲みにくい!
「だ、大丈夫!?」
「は、はひ……大丈夫です……うぇ……」
お姉ちゃんは確かmpポーションをかなり飲んでいましたが……よくこの苦さを我慢できますね……私はもう飲みたくはないです……
「回復されてしまったか……そこの回復役も厄介だな。纏めてやらせてもらうぞ!」
すかさずこちらへと駆けてくる団長さん、対する私は盾を腰だめに構え、受け止める準備を整えます。
「《ディフェンシブ・シールド》《シールド・ラージ》《アイアン・ブロック》《カバーシールド》!」
一気に四つのアーツで防御を高め、迎え撃つ体制を整えます。
「抜かせてもらうぞ!《チャージ》……《ハイパワー・スパイラル》!」
唸りを上げて螺旋の光をまとった、正しく槍と一つになった団長さんが突っ込んできます。
「はあああああああ!」 「うおおぉおおおおおお!」
ガギャン!ギャリギャリギャリギャリッッ!
あれだけ防御を固めたのにHPが削れていきます……!その上、盾の耐久値もゴリゴリ削れて……このままでは、持たない……!
「うぉおお!貫けぇぇぇえええええ!」
「く、ぐぅっ!まだ、耐えて……!」
お互いの攻撃と防御が拮抗し、一瞬の静止。
そして
「す、《スマッシュ》!」
「ぐはっ!?」
まさかのブレアさんのアーツが炸裂し、団長さんがアーツの勢いも相まって一気に吹っ飛びます。
「や、やったよ!わたしやったよ!」
「……な、ナイスですよブレアさん!い、一気にトドメ刺しちゃいましょう!」
「う、うん!《ライト・ボール》!」
「《ファイアー・アロー》!」
「ぐ、ぐおお!ひ、卑怯な!」
「いんや、卑怯じゃないぞ」
「なっ」
「そして、ウチらの勝ちだ」
「くっ……無念……」
『勝負あり!勝者、深緑の群狼!』
ねね先輩がいつの間にか団長さんの背後をとっており、首に短剣を突き刺して終了です。
腕組さんはねね先輩が抑え、隙をついたこい先輩の攻撃で倒れたそうです。
2人の短槍使いは……まあ、雑魚だったそうです。
さて、いよいよこのブロック最後の試合ですね。休憩がほとんどないのは辛いですが……次も勝って、本戦へ行きますよ!
「今度の連中は軽装備が多い。コーデリア、ホーネットで一気に攻める。こひとブレアはペアで行動。私は、リーダーを抑える」
「んぬぅ……さっきの負けが悲しいわ……今度からはこっちでの戦闘もこなしとかなあかあんなぁ……」
「気にしすぎだって。まあ、悔しいのはわかるけど。とりあえずは切り替えていこう。」
「ん……りょーかい、はぁー……ちゃっちゃっと終わらせちゃる!」
ガンガンとガントレットをぶつけてやる気を込めるホーネットさん、私も頑張らないとですね。
盾の耐久値がちょっと流石に心許ないので使えないですね……なんだかんだ、さっきの試合は結構危なかったですね。
「うーん、こう、かな……えいっ、えいっ!」
……ブレアさんは、なにかに目覚めたようです。さっきから短杖をブンブン振っていてちょっと怖いです。
「あー、ブレア、ちゃんと回復頼むぞ?」
「あ、うん!もちろん頑張るよ!」
ふんす、と言った感じでぎゅっと手を握るブレアさん。癒されますね〜
「うーん、鞭で捉えられるかな?魔法メインの子達なら行けるかな?」
「こひは魔法の攻撃が今まで以上に来るだろうから防御魔法での援護頼むわ。もちろん隙があれば鞭で攻撃頼む。」
「ん、わかった〜」
ある程度方針が決まればフィールドに行きます。
向こうの人たちは軽装備で、全員が短剣や短杖を持っています。その分素早い動きが目立った戦闘スタイルだったので、手数勝負なところがありますね。
私は素早さにはあまり自信が無いので正直不安ですね。咆哮やカウンターが決まるかどうかで変わってくると思います。
あれがリーダーさんですか。団長さんと互角に渡り合った素早さと戦闘技術は正直怖いくらいですね。よっぽどのゲーマーか、あるいはリアルでも何かやってる方なんでしょうか?
私もスポーツをやっているのである程度体力には自信が有りますけど、なんか、ねね先輩然りこい先輩然り、ゲーム内の動きとリアルの動きに関連があるのかちょっと自信がなくなってきますね。
触手で絡めとるとか現実でも無理ですけど。
『それでは試合、始めてください!』
開始の合図とともに一気に駆け出してくる3人、とっても早いです!
「キミは最初にやらせてもらうよ!」
リーダーさんが何故か私に突っ込んできます。
「そうはさせねーよ!」
「む、邪魔だよ!」
「邪魔してるんだよ!」
私とリーダーさんの間にねね先輩が割り込み、しっかりと抑えてくれます。
ホーネットさんの方に二人向かったので私も行こうとそちらを向いたら……
「おらおらおらぁ!」
「ぐ、な、なんだこいつ!」「さっきの試合と全然違うじゃない!」
「吹っ切れたんや!」
なんか二人相手に互角に渡り合えていますね……えっと、じゃあ、私は残りの後衛で、いいんですよね?
あ、こい先輩が魔法防御でねね先輩を守ってますね。じゃあやっぱり後衛を攻めましょう。
「こっちに来たわよ!」「わかってる!手はず通り行くぞ!」
「何か知りませんが対策されてる……?対策されるほど情報を出した覚えも……」
「くらえっ!《スタン・ショット》!」「《バーン・スキン》!」
む、な、お、おぉぉ!?あ、頭に強い衝撃が!?というか肌が痛いです!
「……ちっ、気絶しなかったか!」「火傷は通ったわ!じわじわ削るわよ!」
「なる……ほど」
状態異常メインでじわじわ削っていく戦法ですか。状態異常系のスキルや魔法は射程が短く、確率が低い分、効果が発揮されれば絶大な威力をもたらしますからね。
現に火傷でそこそこのダメージを受けてます。そして痛いです。熱いじゃなくて痛いです。後で痛覚設定いじりましょう……
しかし気絶耐性とっておいて良かったです。流石に気絶してたら一方的でしょうし。
思った以上にねね先輩も苦戦してるのか、こい先輩もブレアさんもそっちに掛り切りみたいですし、これは厳しいかもです。
「だからって負けるわけにはいきませんよ……!」
剣を抜き放ち、その勢いのままその剣を投げつけます。
「なっ!」「きゃっ!?」
二人の内、女性の方に命中しました。投擲スキル様様ですね。
「この……!《ポイズン》!」
「ぐ、ど、毒ですか!」
気持ち悪いです。すっごく気持ち悪いです。さっきの回復薬と違って口がとかじゃなく、体全体から気持ち悪いって訴えが届いてくるみたいです。
「いたた……《ヒール》!」「行けるか?」「もちろん!」
くっ、純魔法職、回復魔法も使えると来ましたか。
「くっ……うぉおお!」
槍を構えて突撃します。
思った以上に状態異常がきついです。こんなことなら毒耐性もとっておくべきでしたね。
「「《サンドウォール》!」」
二重に張られる砂の壁。確かにこれを抜くのはきついです。ですが、槍は囮です!私だって魔法は使えるんです!
「《フレイム・ランス》!」
砂の壁に槍を突き立て、そのまま槍を手放し横から炎の槍を飛ばします。
「な、槍を!」「くっ!《サンドう……》ぐぁっ!」
防御魔法が張られるより先に攻撃が届きました。そのまま二人の前に突っ込み、落ちている私の剣を拾って斬りかかります。
「はぁ!《ダブルスラッシュ》!」
拾い上げる勢いのままに剣を振り抜き、さらに返す剣でもう一度斬りつけます。
「ぐおぉぉおおお!」
流石に倒しきれませんでしたが、あと一撃で倒せそうです。
でもその前に!
「ふんっ!」
どしゃっ
砂の壁に手を突っ込んで槍の穂先を掴み引っ張りだし、構えます。
土魔法は実体が残るって、ある意味便利ですね。
「くっ!《シャドー……》」
「遅い!」
魔法が間に合う前に槍を胸元めがけ突き出します。避けようとしたのか、女性が後ろに下がりますが、槍の間合いは剣とは比べ物にならないくらい、長いんですよ?
「ぐ……ぐふっ……」
狙いが少しずれてお腹に刺さりましたが、ローブしか羽織っていない魔術師にとってはかなりのダメージのはずです。
そのまま手に持った剣を投げつけトドメを刺し、HPの低下で気を失った男性に槍を突き立て、トドメを刺します。
相性がよかった。それに尽きる結果でしょうか。これが軽戦士系なら違った結果になっていたと思います。
ねね先輩が二人とか勝ち目無いです。
さて、現状は……
「うおぉおおおお!!」
……
ほ、ホーネットさんが両手突き上げ雄叫びをあげてます……
多分幻覚かなにかでしょう。聞こえてくる雄叫びもきっと幻聴です。一体いつ幻覚の状態異常をかけられたのやら……
ねね先輩の方は……
キキキキンッ!
ギギギギッ、ガガガガ!
「すごいねキミ!私の速さについてこれるなんて!」
「お前の方が早いだろうが!くそっ!」
「おっと、そんな言葉はダメだよ、可愛いのにもったいないよ。」
「うるさい!」
すごい速さで剣が、ナイフが、フォークが、ぶつかり、弾かれ、掠めています。
「だいたいお前最後の一人だぞ、まだ続けるのか?」
「んー、まあ、負けちゃうかもだけど、私は負けてないしね。キミだって、最後の一人になっても戦うだろう?それと一緒だよ。」
「なるほど、なっと!」
リーダーさんの双剣のナイフとフォークですが、フォークの方は突き刺すことに特化しているのか、時折強烈な突きが放たれていて、ねね先輩はその攻撃だけは確実に、しっかりと避けています。
対して先輩の攻撃は若干掠る程度で、決定打がなく、お互いがお互い似たタイプのためかなかなか決着がつかないようです。
加勢したいんですが、あまりに速すぎて下手なことすれば先輩も巻き込んでしまいそうで怖いです。
私に出来るのは応援くらいですね。
「あはは、あったんないねぇ!うーん、そろそろ、お互い、決着つけたいよね?」
「そうだな、最もこっちはジリ貧だけどな!魔法使う暇もありゃしねぇ!」
「ボクだって魔法やアーツを使えないんだからお相子さ!でも、決めさせてもらうよ!」
フォークを突き出し、それを大きく避けた隙を見て、一気に距離をとるリーダーさん。
対するねね先輩は低く構え、逆手で短剣を持ち、油断なくリーダーさんを睨んでいます。
「行っくよー!《スパイラルピアーズ&ナイトスラッシュ》!」
「《デュアルファング・スラッシュ》!」
リーダーさんはフォークをねじるように突き出し、その上で上段からのナイフの振り下ろし。刺し、切り裂く。なんとも殺意の高い一撃です。
対するねね先輩は前に見せた上下からの切りつけを行うまるで獣の噛みつきのような攻撃です。こちらはこちらで決まれば上下から切られるというかなりエグい一撃です。
どっちが決まるのか……
「はあああああああ!」 「うぅぉおおおおお!」
結果は……
「ぐふぅっ……まさか、だったよ……避けもせず受けるなんて……」
「がはっ……げほげほっ……ぅっ……く、そ……ちげー、よ……はんのう、できなかったん……よ……」
相打ち……
フォークにお腹を貫かれ、肩口からバッサリ切られ、口から血を吐くねね先輩。
短剣で鎖骨あたりから斜めに、ショートソードでお腹のあたりから胸元まで、ざっくりと切り裂かれたリーダーさん。
ダメージが大きく、その上部位欠損や流血ダメージでもう二人共すぐにでも死亡判定が出るでしょう。
「……げふっ……うーん、でも、あとひとりくらい、は……」
フォークを手放し、ねね先輩を転がし、ナイフを構えて、ホーネットさんへと突っ込んでいくリーダーさん。
「悪いなぁ。うちな」
そう言えば、羽音を響かせ飛び上がるホーネットさん。
「飛べんねん。ごめんな、やられてやる気はないんよ」
「あは、は……ざん、ねん……だなぁ……」
そう最後に呟けば、ねね先輩ともども消えていきます。
『勝負あり!勝者、深緑の群狼!』
またも犠牲が出ましたが、これでこのブロックでは全勝。本戦への参加権を勝ち取れました。
本戦、これ以上に厳しい戦いなんですよね……勝てる気がしないです……
誤字脱字等ございましたらご報告よろしくお願い致します!




