表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/58

闘技大会 休憩中

うーむ、最近5、6000字が多いですね……一万字くらいをを目安にしたいんですが……


今回は午前が終わっての休憩です。次回は午後からの個人戦が始まります!

「軽い反省会をしよう。」


 ねね先輩の言葉にみんなで頷きます。今回は反省点がいっぱいです。


「まずは私だけど、やっぱり斥候系に意識持って行き過ぎてた。魔法も積極的に使うべきだった。」


「そういえば、魔法使ってませんでしたね。どうしてですか?」


 私も使ってなかったけど、必死すぎて忘れてました。


「んー、こう言うとあれだけど、使う必要ないって思ってた。はっきり言って格下ばっかりだったし。まあ、殺されたからそんなこと言えないけど。」


「まぁ、あんまり有名所じゃない人たちだしね〜」


「それに、まさか腕前で負けるとは思わなかった。これでも自信があったんだけど……次は全力でやるよ。」


「じゃあ、次はわたしかな〜?」


「こひはうん、今のままでいいよ。」


「先輩はそのままで問題ないです。」


「こひこひさんはそのままで大丈夫だと思うよ!」


「こいちゃんはそのままでええやろ。」


「え〜?もっとなにかアドバイスとか……」


「んじゃ次はブレアだな。」


 恋先輩が何かを言ってますがスルーです。あの人は規格外過ぎてどうすることもできません。どうやったらあの大量の触手を完璧に操れるんですか。


「え、えっと……わたしはもっとサポートできれば……」


「そうだなぁ……それ以上に、対人ってことでビビりすぎてるのがな……杖で相手を殴ったりしてもいいんだぞ?」


「あっ!」


 どうやら忘れてたみたいです。私も魔法のことを忘れていたりしたので何も言えませんが。


「このへんはまあ全員の課題だな……そう考えると、コカゲって、対人戦向きなのか……躊躇無さすぎだったけど。」


「そうですね……お姉ちゃんの場合はまた特殊かと……」


 先輩ふたりと一緒に苦笑します。


「今度からはブレアもサポート以外に攻撃していいから。ブレアが倒れるとそれだけでウチらは崩される確率が上がるからな。」


「が、頑張るよ!」


 両手を握ってやる気をアピールするブレアさん。可愛いです。


 これで二歳年上とは思えません。


「次にコーデリアだけど、盾もいいけど、もっと攻めていいんだぞ?槍も使わなかったし。」


「そう……ですね。盾で守ることに意識が向きすぎていて、魔法を使ってる余裕もありませんでした。」


 実際、カバーに入っても反撃ができず、反撃しても得意な得物を使うこともできませんでした。雰囲気に呑まれていたのでしょう。


「次の相手がどこになるかわかんないけど……コーデリアはなんだかんだ火力がある。積極的に攻撃に回ってくれ。防御はブレアがやばい時に、くらいでいい。一番は自分だ。」


「わかりました。」


 次は、私も1人は倒せるよう頑張りたいです。


「最後にホーネットだけど……なんで途中からど突き合いになってたんだよ?」


「え、ムカついたからやけど?」


 思わず皆さん黙ります。


「……頼むから普通に戦ってくれ……そりゃ自由でいいって言ったけど……」


「ウチかて毎度毎度キレたりせえへんよ。あれはなんて言えばええんか……虫が好かんっちゅーか、馬が合わへんっちゅーか。とにかく、次はこいつでしっかりトドメ刺しちゃる!」


 そう言ってガントレットをぶつけ合わせます。ガンガンと鈍い音が響きます。


「あと全員に言えることだけど、もっと魔法を積極的に使おう。コカゲがいる時は滅多に使わないからな……ワタシも忘れてたし。」


「そうだね〜、開幕範囲魔法でもいいかも?」


「それもありやね。けど、ウチまだ火魔法のレベル低いしなぁ……」


「ホーネットさんはパイルバンカーで一人ずつ確実に仕留めちゃえばいいんですよ〜」


「お、おう……こいちゃん、わりと物騒やな……うちが言うことちゃうけど……」


 恋先輩の暗黒面はもうしょうがないです。誰も止められません。


「しかし、ウチはコカゲちゃんと組んだことまだ一度もあらへんから、どんな感じかわからへんねんけど、聞いてると魔法がメインなんかな?」


「魔法がメインというより、呼び出した奴らが魔法メイン、だな。」


「ん?呼び出した奴ら?」


「お姉ちゃんはアンデットのマミーなんですけど、死霊術系統のスキルを持っていて、それでアンデットを呼んで攻撃させるんです。」


「おー、ネクロマンサーっちゅーやつやな!かっこええやん!」


「ただ本人は相手に掴みかかりに行きますけどね。」


「え?前衛職なん?ああでも、後衛をアンデットに任せればそれでもええんか。」


「え、えっと、コカゲさんは、私と同じ後衛職、なんだよね……」


「えー、わからん、ようわからん。後衛でなんで掴みかかるん?」


「ワタシも知らん。まあ、コカゲだし。」


「それに〜、わたしも掴んだりするしね〜」


 うねうねと下半身の触肢を蠢かせる恋先輩。


 ちょっと気持ち悪いです。


「こひの場合はまた違うから……相手が接近してきたらだろ?コカゲは自分から突っ込むし。」


 そうして軽い反省会はお姉ちゃんのお話へとシフトしていくのでした。



 ----------------------------


「……ふぇっくち!……ゔぅ……ずずっ……」


 うぁー、クシャミが……鼻水が……くそう……頭痛いよう……ゲームしたいよう……


「……今頃みんな何してるのかな……もう大会で試合してたり……あー、私も大会出たかったよー!あ、だめ……はっくしょん!……ずびっ……」


 うぅー……掲示板とかに情報載ってないかな……


 スマホでサイトを覗いてみる……


「あれ……見れない?いや、普通の掲示板は見れる?あ、違う、重すぎて見れない……くそう……くそうっ……」


 ぐぁー!早く風邪治ってー!


「へっくち!」


 ----------------------------


 さて、試合が始まったわけですが……これは……


「相手が悪すぎた。それだけだな。」


「だね〜。まさかこんなにあっさりとは思わなかったけど。」


「バランスが悪かったんやな。しっかし、硬すぎやろ……ダメージ入ってるんかあれ?」


「多少は入ってるんだと思うけど……いかんせん瞬殺だったからな……はっきりとはわからない。」


 私たちの試合の後、ディアブルフォートレスと、第一試合で勝利を収めた戦槍の騎士団の試合が始まりました。その試合内容が……


 ----------------------------


『それでは試合、はじめ!』


「一気に行くぞ!」「「おう!」」「でやあああ!」「……ふん」


「さて皆、待っててね。」


 一人で前に出てくる女性。あの人がビヨンデッタさんらしいです。


 ゴシックロリータって言うんでしょうか?黒いフリルやリボンがいっぱいの綺麗で豪華なドレスに黒髪をドリルみたいにまいた、褐色肌の女性です。とても綺麗ですが……目が黄色く、瞳孔が縦ですね。あれが魔族の特徴なんでしょうか?


「《ハーデン》《ハーデンガーダー》《ハイプロテクト》《リベンジ・ダメージ》」


 女性が何かのスキルかアーツを発動し、そのままゆっくりと歩きだします。その手に武器はなく、これまた真っ黒な日傘がさしてあるだけです。


 あれが武器なんでしょうか?


「舐めてんじゃ!」「ねーぞ!」


「あら、舐めていませんわよ?そっちこそ、舐めすぎじゃありませんこと?」


 短槍使いの2人組が先制攻撃を仕掛けましたが……


 キンッ


「「なっ!?」」


 なんと、刺さるどころか、傷一つはいらないまま、ビヨンデッタさんのお腹と腕に押し付けられています。


「うーん、ちょっとチクッとしますわね。」


 ぶぉん


 日傘をたたんだと思えば、それを無造作に振り払います。


 それだけで短槍使いの2人組は吹き飛ばされてしまいます。


「さて、ささっと終わらせてしまいましょう。」


 その一言から、蹂躙が始まりました。


 短槍の2人は復帰する前に蹴り飛ばされリタイア、馬上槍の人は槍を突き出した瞬間にカウンターで日傘で殴られリタイア、団長さんと腕組さんは粘りましたが、剣を構えるように構えたビヨンデッタさんに一瞬で殴り倒されてしまいました。


『そこまで!勝者、ディアブルフォートレス!』


 ----------------------------


 試合時間、わずか5分ちょっとの出来事でした。


「やばいな……あいつ、廃人だからなぁ……」


「わたしよりレベル上かも〜」


「ウチのパイルバンカーでもあれ通る気がせえへんのやけど……」


「予想以上だったね……わたしの攻撃じゃダメージすら入りそうにないよ……」


「私は、あの攻撃力も怖いですね……剣の腕も、見た限り相当高そうですし。」


「ホーネットか、コーデリアくらいしか火力が無いからなぁ……辛うじて、こひが準火力かな?」


「鞭じゃ無理かな〜。魔法でどうにかくらい?」


「私も槍でいって多少、でしょうか……でも、何より不安なのは、他の方が一切戦闘に参加しなかったことですね……」


 そう、他の方はスキルも魔法も使っているようには見えなかったのです。


「多分こっそり回復なりはしてたかもだが……ほかの奴もそこそこの実力者か、あるいは廃人だろうからなぁ……」


 やっぱり廃人さんらしいです。廃人パーティ……なんか危ない集団に聞こえますね。


「まあ、今はその事考えてもやん。昼になったし休憩しようや。」


 ホーネットさんの一言で気付きます。先ほどの試合が早くは終わりましたが、残り時間的にDブロックは終了し、団体戦は明日に持ち越しとなりました。


 午後の個人戦は一体どうなるのか、そっちの方が不安ですね。


 まあ、今は休憩です。いろんな露天が出ていますので、短い時間ですが色々回りたいです。


「そうだな、ん、じゃあ各自適当に回ろうか。」


「わ〜い、それじゃ、十分前にここに集合でいいかな〜?」


「うん、いいと思うよ!あ、こいさん、一緒に回ってもいいかな?サポートの立ち回りとか聞きたくって……」


「いいよ〜、とりあえずご飯食べよ〜」


「うん!」


「んじゃウチはねねちゃんかりるわ。」


「ん?なんだ?」


「作戦会議や、作戦会議。ウチのスキルとかしっかり教えとこ思ってな。」


「……なるほど、わかった、ん、コーデリアはどうする?」


「あ、私は露天を回っていきます。面白そうなのがいっぱいありましたし。」


「そか、んじゃ、また後で。」


「ほなね〜」


 さて、時間もないことですしササッと回りましょう。



 ----------------------------


 うーん、面白いものがいっぱいです。それに、なかなかな装備も……良い盾とかないでしょうかね?お金なくて強化できなかったので少しでもいい性能のものがあれば……


 いえ、装備のせいにしてはダメですね。実力が足りないんです。


「ん……!お前は!」


「はい?」


 誰かに声をかけられました。えーっと、誰でしょう?どこかで見た記憶があります。


「てめぇ……!仲間はどこだ!あの包帯女!とっとと出しやがれ!」


「……?ああ。」


 思い出しました。最初に襲いかかってきたPKテスターさんですね。面倒ですねー。


「うるさいですね。用がないなら失礼しますね。」


「てんめふざっけんなよ!あの包帯女出しやがれって言ってんだよ!」


「嫌ですよ。仮に一緒にいたとしてなんであなたに会わせなきゃいけないんですか。」


「てめぇらのせいでこっちはパーティ解散した上アイテムすらまともに買えねぇんだぞ!」


「知りませんよ。自業自得です。」


「こ……んの!」


 ガシッと後ろから肩に掴みかかってきます。


 はい、アウトです。


「セクハラ行為でコールさせていただきますね。」


「は!?ふざけんな!かたつかん―――」


 っとと、不自然にテスターさんが固まりましたね。おそらくコールが受理されたんでしょう。


「嬢ちゃん大丈夫か?」


「え、ああ、はい、コールしたので。」


「一応こいつ見といてやるから行きな。」


「え、でも悪いですよ。それにコールが受理されてるようですし放置でもいいかと。」


「まあそうなんだがな……こんな所に放置じゃ邪魔だろ?適当なとこに捨てとくから。それに、なんか付きまとわれてるっぽいし。」


「そんな、いいんですか?」


「おう、構わねーぞ。こいつは捨てとくよ。っと、名乗ってなかったな。俺はジオだ、よろしくな。」


「あ、ご丁寧にどうも。私はコーデリアです。宜しくお願いします。」


「おう、あ、よかったら見ていくか?武器専門だが鍛冶やってるんだ。」


 む、それは……ちょっと興味ありますね。処理してくれるみたいですし、何か買っていくのもありかもですね。


「では、見学させてもらっていいですか?」


「おう、こっちだ。」


 テスターさんを担いで案内してくれます。すごくシュールな画ですね……


 案内について行けば2、3分の所にあった小さめの露店の前で止まります。あ、テスターさんは道中警備兵さんに突き出しました。


「まあ、数は多くないが出来はいいと思うぞ。まあ、まだ新人が多くて金持ってねえから売れてねえが。」


「凄いです!槍がいっぱいです!」


 露店の中には数こそ少ないですが五種類ほどの槍と、数本の剣が置いてあります。


「お、嬢ちゃんは槍使いなのか?」


「槍がメインで、剣、盾を使います。槍の強化を優先しちゃってお金が無いんですけどね。」


「はは、まあ、そうだよな。いっぺんに全部とは行かねえよな。」


「はい、それに紹介してもらったところが有名な人のお店だったせいで余計にお金がかかって……」


「有名?む……カーティスの鎧か……ってことはMASAMUNEか?」


「あ、はい、そうです!よくわかりましたね。」


「アイツはβの時から有名だからな。まあ、腕はいいがネタが強すぎて俺とはあんまりだったが。」


 確かに、露店にある武具はすべて無骨です。MASAMUNEさんの装備は性能はいいですが、かなりデザインにもこだわりがあります。MASAMUNEさんは剣や刀が好きらしく、その辺の装備はかなりデザイン性が高いです。


 実際この剣もかなり装飾がされています。


 刀身はしっかり磨かれ、鍔、柄には細かな細工がされています。


 ……まあ、龍の彫り物が多くて色々混ざってるなとは思っていましたけど。


 ちなみに槍はそんなに好きじゃないらしくてデザインより性能重視で作っていただけました。


「私はこっちの方が好きですね。デザインも大事ですが、やっぱり性能にこだわりたいですし。」


「ほう、女の子にしては珍しいな?かっこいいとか可愛いのがいいって結構言われるけど。」


「まあ、普通だとそうなんでしょうけどね。私としてはそういうのはあんまり興味が無いので……それに、自分で作る時にそんな装飾とかできないでしょうし。」


 私はぶきっちょなので……


「む?嬢ちゃんは鍛冶をやるのか?」


「スキルはとったんですが、まだ一度も……」


「ふむ、なら、今度やってみるか?」


「えっ?」


「いやな、俺あんまり人気無いから、暇なんだわ。だから、イベント終わった時にでも教えてやろうかなって。」


「いいんですか?」


「むしろこっちから頼みたい。それに、自分で打った武器で戦闘できれば楽しいぜ?」


 それはとっても魅力的ですね……


「では、ぜひお願いします!」


「おう、そうと決まれば、フレンドいいか?」


「はい!」


 こうして私は鍛冶の師匠に出会ったのでした。


誤字脱字等ございましたらご報告をお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ