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VS獣人連盟 コーデリア視点

ちょっと短めです。戦闘なので分かりにくいところがあると思いますがご了承ください。

 情報がない相手ですが、パーティ名からして獣人の皆さんで構成されたパーティだとわかります。獣人連盟って言うぐらいですしね。


 ただ、第二軍ということは、第一軍がいるのでしょう。既に2パーティ分の人数を確保してるって何気に凄いと思います。


 見た限りでは、魔法メインの人が1人、残りは刃物か無手のようですね。短剣が2人、長剣と無手が1人です。


 こちらは私が前で受け、音子先輩と恋先輩が遊撃とサポートでペア。ブレアさんが優先的に私のサポートを、そしてホーネットさんが上空からの強襲というそこそこバランスがいい構成ではないでしょうか?回復が二人いる上、片方はパーティを組んでると微量ですが常時回復してくれて、もう一方はステータスを若干上げでくれるわけですし。


「コーデリアは防御だけじゃなく攻撃もできるだけしてくれ。それと、無手のヤツには気をつけろ。徒手空拳系統は、防御無視の技がある。」


「わかりました!」


 拳と、蹴りは積極的に防御に出るより、剣や槍でアウトレンジからの牽制を意識した方がいいですかね。


「ブレアは言ったようにコーデリアのサポートだ。強化と回復、周りはあんまり気にしなくていい。絶対に守るから。攻撃もあんまりしなくていいからな。」


「う、うん、頑張るよ……!」


「私は地上でヒットアンドアウェイを、こひは鞭での牽制と、隙があれば積極的に攻めていい。ただ、回復を中心にしてくれよ。」


「りょうか〜い」


「ホーネットは、上空からの強襲だ。ただ、もし相手が飛べる相手ならそっちを優先してくれ。」


「うっし、任せとき!」


「あとはみんな自由にやっていい。ポーションによる回復は適宜行っていいけど、蘇生薬なんてもんうちにゃ無いからな。そこだけ注意しろ。じゃあ、あとは思い思いに。」


「「はい!」」「は〜い」「ほーい」


 ----------------------------


『それでは、始めてください!』


「すぅ……《咆哮》……!グゥルゥウアアアアアア!!」


「「「「「!?」」」」」


「隙だらけだ、ぞ!《トリプルスラッシュ》!《カッティングエッジ》!」


「《鞭技・首打》!」 ビュォン


「えっと、《エンチャント・ディフェンス》!」


「なんや、ええ的やん。おらぁ!」 ガゴンッ!


「ぐぁっ!?く、くそっ!」


「へっ?な―――――」ぼとり


「いや、何よその武器……!ゴバァッ!?」


 私の開幕咆哮によって相手側が全員スタンしてくれてよかったです。これで重傷2名、脱落1名です。


 …………恋先輩の攻撃って、通常アーツですよね?一撃で首が落ちてたんですけど……


「?」(にこっ)


 あ、これは深く考えない方がいいやつです。多分レベルとか凄いことになってます。


 ブレアさんのエンチャントのおかげで防御力も上がったので、手筈通り盾を構えます。


 恋先輩が倒したのは短剣使いの1人で、音子先輩が相手にしているのが長剣使い。ホーネットさんの手によって大ダメージを受けたのが唯一の後衛の女性です。


「く、そ、そんな武器あったのかよ!ちくしょう……!」


「「かっこいいじゃねーか!」」


 残った2人、短剣使いさんと無手さんが叫びます。


 その視線の先には……


「くっ!《ファイヤー・ランス》!」


「甘い甘い!あまあまやでー!くらえ!《パイルバンカー・ブースト》!」


 ガゴンッ!プシューッ


「っ〜〜〜!何なのよそれ!」


「何って、パイルバンカー(・・・・・・・)や!」


 そうなんです。ホーネットさんが持つ武器、それは、ファンタジー世界に似合わない、そして何より、人の形をした蟲が扱うのにものすごい違和感を覚える武器。


 一見するととても大きな篭手……メカメカしいガントレットにも見えなくもないのですが、外側に大きく膨らんだ甲殻の内側には、太さ5センチ、長さ27センチの鈍色の鉄杭が仕込まれています。


 魔法を利用した特別な設計らしく、火魔法の爆発系統を利用することでパンチの瞬間に加速をしたり、固定させて杭を打ち込んだりと、正しくロマンな武器なのです。


 もちろん命中精度はよくありません。しかし、先程の開幕咆哮によって動きが止まった相手ならばほぼ必殺の威力です。


 今回は倒すには至っていませんが。


 ちなみに作った人は機人族の生産プレイヤーで、「ファンタジー世界に近代兵器を作るのって或る意味浪漫だよね!SFなメカも大好きだし!」とのこと。


 まあ、わからなくもないです。ちなみに材料なんかはもちろん機械部品です。科学の国というところがあって、そこに行けば作れるそうです。


 ……ちょっと、銃とか、欲しいかもです。


 とにかく、奇襲、強襲、そして何より、意表を突くという意味ではとても優秀な武器です。スペック自体もかなり高いそうですし。


「うぐ、あぅぅっ……!」


「終いや!《フィニッシュ・ブロー》!」


「く、簡単には終わらない、わよ!《フラッシュ》!」


「うっ、なんや!?」


 おっと、ホーネットさんがスタンしてしまいました。あれは、読んで字のごとく強い光を放って視力を奪います。うまく入ればスタンにもできるそこそこ使い勝手のいい初期魔法です。


「ブレアさん!サポートを!」


「う、うん!《キュア》!」


 ブレアさんが状態異常回復の魔法を使ってホーネットさんのスタンを解きます。ただ、その隙にポーションで回復されてしまいましたが。


「サンキュー!あ、こら!勝手に回復すんな!」


「回復するわよ!《ライトアロー》!」


「うわわ!」


「《カバー》!」


 カンカンカン!


 カバーを使いホーネットさんの前に立ち、ライトアローを受け止めます。あの一瞬で3本の矢が放てるということは魔法スキルのレベルは結構高いようです。


「こなくそ!あんたはウチが倒す!」


「ちっ……!ブラウ、早く後衛を!ニックは盾持ちを!《ライトボール》!」


「はっ!お、おう!」「……《拳気・掌波》!」


「!《ガード》!」


 がいぃぃん……


「ぐぅ!?重い……!」


 低い響くような音とともに、かなり重い衝撃が。このままだと抜けられてしまいます!


「はぁぁ!」


「わ、わわ!ら、《ライトボール》!」


「くっ!」


 とっさに盾を捨てて腰に下げた剣を抜き放ち長剣使いの一撃を受けます。


「おいおい、そりゃ流石に舐めすぎ……む?な、おぉぉ!?」


「……これでもSTRはそれなりの数値なんですよ!《ヘビィ・スマッシュ》!」


 ガギン!


「ぐぉ!」


 体勢を崩すスキルで相手のバランスを崩し、ブレアさんにエンチャントをかけてもらいます!


「ブレアさん!」


「うん!《エンチャント・アタック》!」


「はぁああ!《パワー・ブレイク》!」


「くそ!ぐぁっ!」


 くっ、決めきれませんでした!


「隙ありだぜ!《重撃》!」


「な、しまっ」


 ボンッ


「あぐぁ!」


 芯に響くような重い一撃をもろに受けてしまい吹き飛ばされてしまいます。すぐに体勢を整えますが、敵はブレアさんをターゲットにした様子で、


「喰らえ!《ラピッドパンチ》!」


「きゃあ!」


 ブレアさんが殴られて尻餅をついてしまいます!あれは不味い……!


「くっ!かば……」


「おっとさせねえぞ!」


「邪魔です!」


 この人、剣の腕は私より上です。悔しいですが抜ききれません。


「《鞭技・飛燕》!」


「うぉお!?」


 ブレアさんを倒そうとしていた無手の人に高速で鞭が飛んでいきます、が、ギリギリの所で避けられてしまいます。


「ちっ……アイツどうにかしないとだなぁ……っとと!そう簡単にはやられんぞ!」


「くっ!はあ!」


「一撃の威力はあるが……腕は俺のが上だな!」


「ええい、うるさいです!そんなことは知っています!」


 まったく、本人が感じてることを指摘するなんて……失礼な人です!


「そりゃ悪かったぜ!《ダブルスエッジ》!」


「くぅ!」


 せめて()に持ち替えれたら……!


「ぐあああ!」


 おっと、音子先輩が長剣使いを倒したようです。視界の端にこちらに向かってくるのが映っています。


「ち……流石につえぇ!」


 っと、一瞬の隙をつかれて距離を取られてしまいます。


「コーデリア!」


 ぶんっ、と投げ渡される盾をどうにか受けとめ、背負います。


「ちっ……二対一はきついぜ!」


「そりゃしょうがないな、こっちも勝ちに来てるからな!」


「ふっ!流石に嬢ちゃんには力負けしねーぞ?」


「二対一なんですから関係ないです!」


「そりゃそう、だ!」


 この人すごいです。二人がかりでも致命傷を受けないように短剣ですべていなしてしまいます。


 奥では恋先輩とブレアさんがどうにか無手の人と戦っています。接近戦は厳しいらしく拮抗……いえ、なんだか、押してるように見えますね……気のせいでしょうか……?


 ホーネットさんの方は……


「こ、んのぉ……!羽虫、風情がァ!《ブリリアント・バースト・レイザー》!」


「誰が羽虫か!この駄犬!《アイアン・ブラスト・スティーク》!」


 ……なんだか、すごく険悪な雰囲気です……まともな戦場が私達のところでしか起きていない……


「はっはぁ!いいなお前!どうだ?獣人連盟に来ないか!?そっちの竜人も特別にいいぞ!」


「生憎ウチらは別でギルドの立ち上げ予定なんでね……!」


「私もお断りします!」


「そいつは!残念、だ!」


 素早さでは音子先輩より劣り、力では私よりも低い目の前の短剣使いさん。しかしどれも決め手にならず、技量で以てすべて防がれます。おそらく、スキルレベル、器用値、そして何よりプレイヤースキルが高いようです。


「埒が明かない……!」


「こっちはジリ貧だよ!後衛がなんか殴り合い始めて回復も飛んでこねーしよ!」


「え……」


 あ、杖でホーネットさんが殴られてます。ホーネットさんの方も杭が飛び出た状態のパイルバンカーで突きを放っています。


 ……何してるんですかね……よっぽど馬が合わなかったんでしょう。


「ぐふっ……く、くそ!なんだそりゃ……!手数が足りねぇ!」


「うふ、うふふ、うふふふ!」


 恋先輩の方は……なんかもうよくわからないです。何故か触手……触足?とにかく、下半身のウネウネとした根っこのような蔓のような足に相当する部位も使い超接近戦で以て無手の人を圧倒しています。


 ……本当になんなんでしょうかねこれ?


「……お前んところの仲間は変わったヤツばっかだなぁおい!」


「楽しいだろ?」


「そりゃ否定しねえ!」


 ……確かに、とりあえずは飽きないですね。傍から見る分にはですけど。


「そろそろ……!」


「終わりに……!」


「「するぞ!」」


 急に加速する音子先輩と短剣使いさん。


 咄嗟のことで私はついていけません。


「くらえ!《デュアルファング・スラッシュ》!」


 逆手に持った短剣を下から掬いあげ、順手で持った長剣を上から突き刺すような挙動の、かなり大振りの技が放たれます。


「あとがつかえてんだ!とっとと倒れろ!《フォース・エッジ・インパクト》!」


 対するは左下から振り上げるような挙動の切り払い。何やら短剣の刀身が輝いています。


 ザシュンッ!


 ゾブッ!ビシュッ!


「ぐふぅっ……くっそ……」


「うぐぉ……相打ち、かよ……」


 一瞬早く相手の切り払いが音子先輩の右腋のあたりから左の鎖骨へ抜けていきました。しかしそのすぐあとに先輩の長剣が胸元を貫き、お腹のあたりを短剣が抉るように掠めていきました。


 結果としては……相打ちです。


「せ、先輩!くっ……」


 こちらに初めての脱落が出てしまいました……しかしそれにばかり意識はさけません。そう思って周りを見渡します。


「うふふふふふふふふふ!」


「……っ……っ……!」


「あ、あわわ、あわわわ……」


 ……恋先輩は無手の人を触手で雁字搦めにして締め落としてる最中でした。ブレアさんはそれを青い顔してみています。


 本当に何をしてるんでしょう……


 ホーネットさんのほうは……


 がっ!ごっ!ごすっ!がすっ!ごつっ!がっ!


 なんか、壮絶な殴り合いが行われています……


 あ、ホーネットさんの篭手がうまい具合にお腹に突き刺さりました!


「ふぐっ……うぇ……」


 後衛の人がお腹を押さえ動かなくなりました。


『そこまでです!試合終了!勝者【深緑の群狼】!』


 とりあえず、私達の闘技大会第一戦目は勝利を飾れました。


 ……なんか、違う……

誤字脱字等ございましたらご報告をお願い致します。


また、本作作者が新作を書き始めました。よかったら見てやってください!

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