大森林の攻防 え、兎いないの!?
ちょっと遅くなりました。
やっと森に入りました。さてどうなることやら……
早速アイロスさんを先頭に森の中へ。
この森はオリドシヘトス大森林と言うらしく、独自の生態系を持つかなり特殊な森だそうで、森の一部は森でありながら山のような箇所や湖、それに地下洞窟などが存在するらしく、森というより複数のダンジョンが組み合わさっているのではとさえ言われているらしい。
β時代はそんなことは無かったらしいから、製品版になって追加された内容だろう。ねねたちも聞いて驚いていた。
ルートを離れると安全の保証ができないらしく、しっかりとアイロスさんについて行く。森を抜けるのにだいたい二時間から三時間。ボス戦を挟めばもっと伸びるとのこと。
「今回は移動が目的だしボス戦は無しで。今度あらためて来よう。」
というねねの言葉でとりあえずは先を目指す。
しかしこの森、やばい。
何がやばいかと言うと、うさぎが一匹もいないのだ。
兎がいない。つまり掴んだりしてのレベルアップができないのだ!
《生命感知》の索敵効果に、一度認識した生物の種族名が表示されるようになっていたからわかったが、この森には狼や熊、蝙蝠、鼠以外はエンカウントしたこともない新しいmobばっかりなようだ。
「うぅん、手持ち無沙汰……」
呟きながら空いた手をにぎにぎと動かす。
「ルートは比較的魔物や獣が出ないルートですからね。ただ、全くではないので、戦闘になる覚悟だけはしておくべきですよ。」
アイロスさんに言われ、改めて意識を切り替える。あらかじめ生物系のmobばかりというのは確認済みのため、私が索敵のメインをやっている。
しかし、この《生命感知》、はっきり言ってチートクラスの能力ではないんだろうか?無生物や一部の精霊などは反応がないらしいが、生き物であればなんでも反応するらしい。まあ、あくまでもプレイヤー用に調整されているためmob判定のみだけど。
で、何がチートかって言うと、隠蔽系も基本察知できるところ。森というだけあって、かなり隠密性の高いmobがいるけど、全部表示されている。おそらく専用のスキルかアイテムがない限りは《生命感知》からは逃げられないだろう。
……最もレベル差があるとわからないんだけど。
で、なぜ今こんなことを言ったかと言いますと
「みんなやばい!なんか周り敵がいっぱい!」
はい、囲まれております。狼でも鼠でもない。いやいるけど、周りを囲んでいるやつじゃない。
「このあたりで集団……数はわかりますか?」
「えっと……16です。動きは今のところないですが……」
「……ふむ。それほどの数となると……動きはないんですね?」
「はい、全く動かないです。」
mobを示すアイコンは微動だにしていない。
「……マズイですね。トレントが移動してきたようですね。」
「トレントだって!?」
トレントってあの木の魔物だよね?よく雑魚だったり、奇襲が強かったり、中ボスになったりするやつ。
「あの、トレントってまずいんですか?」
コーデリアがアイロスさんに質問している。確かに、序盤で出てくるくらいならそんなに強くないんじゃないの?
「かなりマズイです。みなさんは第一の街から来たとのことでしたよね?第一の街からここまでで存在する獣たちは獣であり、魔獣は熊と稀に現れるアンデットたちだけなのです。」
え、兎たちって魔獣ですらないんだ。そういえば確かに、魔石みたいなよくある素材はなかったな、と思い出す。
「魔獣はスキルと魔法を持っています。対して、野生の獣はスキルだけを持っていて、魔法は使えません。」
「なるほど、つまり、魔法の有無が魔獣かそれ以外か、の違いというわけですね。」
ほほう、じゃあ、ピートくんは魔獣……魔蟲?になるんだね。
「そしてトレントは、植物型の魔獣……魔物になります。」
つまり魔法が使える、と。
「トレントは微レアmobで、βでは滅多に出てこないんだが、森を彷徨いていて、ごく稀にエンカウントするmobの中じゃ最強の強さを持ってたかなり強いやつだ。基本は2、3体ほどで移動してるんだけど、たまに大移動をしてて。その群れにあったレベル50のフルパーティが全滅したって話だ。」
え、それ無理じゃない?
「あ、あの、ど、どうすれば……?」
青ざめた顔でブレアさんが聞いている。
「……動きがないなら、トレント達を刺激しないように進むか戻る方がいいと思います……が、16だと、逃げることも厳しいかと……」
「私は戻った方がいいと思う。流石に数が多すぎるが、どっか包囲が薄いところがあるはず。そっから一気に集落に戻って戦えるやつを集めるべきだと思う。」
ねねねね!は戻るべき、と。
「そう、ですね。後続の人たちも危険ですからね……事態が事態です。私も戦闘に参加します。」
アイロスさんも戦闘態勢だ。
「ブレアさん、いつでも補助できるようにお願いします。」
「う、うん!」
コーデリアが盾を構え、ブレアさんが杖をしっかり握り、呪文の準備を始めている。
ただ、こひこひだけが何かを考えるように腕を組んでいる。と、急に笑顔になる。どうしたんだろ?
「……ねえ、ねね〜」
「ん、どうした?」
剣を構えつつ、周囲を見てるねねねね!。対照的にこひこひはのんびりした様子でねねに話しかけている。
「えっと、トレント達が、『襲わない。人いる。だから隠れてる。攻撃しない。なら。移動する。』って言ってるんだけど。」
「「えっ」」
「……なんと?」
まさかの発言に皆固まる。アイロスさんも怪訝そうな顔でこひこひを見てる。
「えーっと、種族的なものかもだけど〜、そう言ってるのが聞こえるよ〜」
それが本当ならすごいことだ。しかし、トレントは魔獣。知能が高ければ嘘くらい言いそうだけど。
ねねねね!やアイロスさんもそう思ったらしく、警戒は解かないまま、こひこひと話している。
「えっと、こひこひさん、トレントたちは本当にそう言っているのですか?」
「うん、そう言ってますよ〜。」
「嘘という可能性は?」
「ん〜、どうだろう?あ、待って〜」
と、言うと目を閉じて、時折頷き始めるこひこひ
「……えっと〜、姿を見せるから攻撃しないで〜って。」
え、まじで?
「……わかった。だけど武器だけは構えさせてもらうぞ。」
「んっと……わかったって〜」
その言葉の終りと同時に、メキメキと気が軋むようなたわむような音があたりから響き出す。驚いて周りを見れば周りの木が動き始め、幹の中ほどに人の顔に近い部分が浮き上がり、目の部分が動き、こちらを見た。
『人間、これでいいか?』
お、おおー!木、木が喋ってる!
「まさか本当に会話できるとは……」
アイロスさんが本気で驚いてる。みんなもかなり面食らってる。
『アルラウネ、森の仲間、故に、見逃す。敵ならば、倒す。だが、我々、エンシェントトレント。人、森、敵ではない。故に、見逃す。』
「え、エンシェントトレントだって!?」
「ま、まさか……伝説クラスの神木だぞ……」
え、いや、こんな序盤でそんな存在出てくるの!?
『お前達、実力、足りない。故に、見逃す。力、つける。そうすればまた出会う。我ら、待つ。』
「な、何の話だ?」
『今はわからない。でも、そのうちわかる。さて、我ら、行く。ここはいい森。護らねば。』
そう言うとトレントたちは一斉に歩き出す。かなりの迫力にみんな少し呆然とそれを見送ってる。いや、私もどうすればいいかわからなくて固まってたけど。
「……あ、えっと、さ、先を急ぎましょうか……」
「そう、ですね……」
しばらくして、アイロスさんの一言で再起動した私たちは再び歩き出す。
「なんか、とんでもない経験だったな……」
「また会いたいね〜」
「恋先輩はマイペースですね……」
それからしばらくは何事もなく、周りの木を時折(黙って)採取したり、時折出てくるmobを狩りつつ進んでいった。
だいたい四十分くらい進んだだろうか?今度は集中して《生命感知》を使っていたからすぐにわかった。
「ん?左前からなにか来る!結構早い、それに群れだと思う!」
「コーデリア、前に!コカゲはアイロスさんと一緒に、ブレア、こひこひはサポート準備!」
「はい!」
「は、はいっ!」
「は〜い〜」
「アイロスさんは安心してくださいね。ただ、もしもの時がありますので。」
「わかっています。警戒は怠りませんよ。」
アイロスさんも短杖を構えつつ、背負った弓をいつでも構えられるように空いた手を背中に回している。
「グウルルァアアッッ!!」
「奥のは狼だから多分狼の上位種との混合部隊だと思う!」
「数と距離は?」
「数は7!その奥にウルフとわからないやつが8!距離60ちょい!」
「……!先頭が見えました!」
「あ、ばらけた!正面右に4行った!後ろは2匹ずつにバラけてる!」
「これは……上位種だけでなく、魔獣が混ざっているかも知れません!」
「こりゃもしかしたらヒートウルフが混じってるかもだな……」
アイロスさんとねねねね!の言葉がかぶる。と同時に左右から2匹ずつに別れた狼たちが襲いかかってくる。
「させません!《ヘイスト》!」
「お前らはこっちだ!《ツイン・スラッシュ》!」
コーデリアが引きつける盾で受け止め、ねねねね!が一瞬で首を刈り取る。
そのタイミングで残りのペア組が二人に襲いかかる。が
「させないよ!《ライトボール》!」
「《鞭技・音打》!」
光の玉が無数に飛び出し、音を置き去りにした鞭が狼の顔面を強かに打ち付けられる。
「ギャイン!?」
「グル、グァアアッ!!」
こひこひの攻撃を受けた狼は一撃でダウンしたものの、レベルの低いブレアさんの魔法では牽制程度にしかならず、コーデリアは3匹の狼に囲まれる。
それをチャンスと思ったのか残りの7匹が左右から襲いかかってくる。
「くっ!数が多いです、ね!《ハードシールド》!きゃっ!」
「あ、あわわ!ひ、《ヒール》!それと《エンチャント・ディフェンス》!《エンチャント・アタック》!」
「やっぱり、上位のスパイクウルフと魔獣のヒートウルフが混じってやがる!コカゲも援護だ!」
言われなくてももうやっている。周囲に放っておいた死霊たちに攻撃をさせつつ、こちらからも《シャドーナイフ》で遠距離でちまちま攻撃している。
そのせいか知らないけどなんか一番やばそうなのがこっちを向いている。首元の毛が赤茶色で、口の端から煙を吐いている狼だ。多分ヒートウルフってやつだろう。
「Guruu……Goxaaat!!」
うぉ!?唸り声から急に吠えたと思ったら火の玉が飛んできた!まあこの程度ならどうとでもできるけど!
「舐めるな!《サンドウォール》!」
脆い砂の壁は簡単に崩れるが、火の玉も消える。どうやら着弾すれば引火せず熱と衝撃を与えるらしい。結構砂が飛んでる。
「ふむ……」
ヒートウルフは2体、うち1体はこひこひが相手して……待って、既にヒートウルフさん締めあげられてるんですけど?ねねねね!の方はスパイクウルフとウルフの3匹を相手に完璧に渡り合ってる。あ、ウルフが切られた。
コーデリアの方はブレアさんと一緒に対処してるようだ。ブレアさんの補助とコーデリアのカウンターで押し留められている。
「Gururoxo……」
魔法を警戒してるのか、少し距離をとってこっちを見るヒートウルフ。逃げ出してもおかしくなさそうな状況だけど、まだやる気みたい。
「……《死霊操作・防》」
死霊たちを呼び寄せ、アイロスさんの守を固める。
私は一歩前に出て、杖を構える。
「……《ストーンバレット》!」
まずは挨拶程度に石礫を放つがらくらく避けられる。まあ、相手は狼。そりゃ早いか。
最も、私の狙いはそれじゃない。
魔法の詠唱を開始すると突っ込んでくるヒートウルフ。さすが魔獣だけあって魔法を撃たせまいと動いたのだろう。
まあ、罠なんだけど!
「《ホール》!」
ヒートウルフの着地点に穴を開ける。結構深めにだ。
「Garuxa!?」
流石にこれは予想外だったらしく綺麗にボッシュートされるヒートウルフ。ガツっていう結構痛い音がした。
中を覗き込むと見事に頭からいったのか完全に伸びてるヒートウルフさん。気絶してるから丁度いいやと《眷属化》をかける。
「おっ?」
『生物の眷属化には眷属の印となるものが必要です。』
『種族、マミーを確認。包帯の装備が必要です。』
包帯……持ってないな……いや、初期装備の包帯はまだ持ってた。
試してみると使えたのでそれを使って眷属にする。
「Gu,gu,ru」
うーん、少し動きが悪い……?って、首折れてるのか!そりゃ、まともに動けないか。よく見れば前足も折れてるのか変な脚のつき方をしてる。
「とりあえずは封印状態にしておくか……」
緊急時に囮として使うとか良いかも?ちなみに封印状態は狼の横顔が赤い小さな宝石を咥えた様な見た目の指輪になった。
コーデリアたちはねねねね!の参戦もあって5匹の狼たちを、どうにか倒しきり、こひこひは何故かヒートウルフの調教に成功していた。とりあえず解体して素材も回収してしまい、進みながら分配する。
まあ、私は一匹も倒してないから何も無いけど。
それからは上空から鷹が襲ってくる程度で特に被害がなく済んでいた。
のだが
「ちょ……え、な、何この数!」
《生命感知》にとんでもない数の反応がある。ゆうに50は超えているだろう。
「どれ位の数ですか?」
「ご、50は居ます!」
「はぁ!?」
ねねねね!が驚く。
アイロスさんは少し考える仕草をすると
「……ミドルビーなどの昆虫系の魔獣かも知れません。こっちに向かってきてるのですか?」
私は頷く。52個の光点が敵を示す赤色に光りながらこっちに飛んできている。
「アイロスさん、ここって中層か?」
「ん?ああ、そういうことですか……はい、このあたりから中層です。このあたりからは魔獣化した昆虫などが加わってきます。が、伝えるのを失念していました……」
なんでも昆虫型の魔獣、魔物は基本的に弱く、人に襲いかかるような種類はルートから外れたもっと深い所にいるため気にしていなかったらしい。
「もうすぐ見える距離なはず!」
距離にしてだいたい70メートルほど。先頭集団が見えていい距離だ。
ブブブ……
「音……羽音?」
ブブブブ……
ブブブブブブ……!
ブブブブブブブ……!!
「っ!ジャイアントビーの働き蜂!」
アイロスさんが目を見開く。かなり危険な奴ららしい。
「このあたりに巣を作ったのか?いや、ジャイアントビーは人を嫌う。こんなところに巣を作るはずが!」
「コーデリア、槍と魔法で行くぞ!みんなも魔法で攻撃を!」
飛んでいる相手だからか遠距離攻撃の指示を出すねねねね!。私も死霊たちに指示を出し攻撃させる。もちろん補助をしつつ私も攻撃する。
「《ファイアーアロー》!」
「《アイススピアー》!《ウィンドカッター》!」
「《エンチャント・マジック》!《ライトボール》!」
「《ロックボム》〜おまけに《ウッドアロー》〜」
「《死霊操作・攻》!《ブラックミスト》からの《ダークレイン》!」
火魔法を受けた蜂たちは殆どが一撃で焼け落ち、氷と岩の物理強めの魔法を受けた蜂も飛行できないくらいにはなってる。ただ、ライトボールを受けた蜂はダメージはそこそこしか受けていないっぽい。
ダークレインは全体攻撃なため威力は低い。しかし、狙いは別にある。ダークレインは対象すべてに若干の速度鈍化の効果を与えることが出来るのだ。敏捷が高いねねねね!クラスになると気にならないが、あまり敏捷が高くない相手に使えば地味だが十分な効果になる。
狙い通り、蜂はそんなに敏捷が高くないらしく、かなり当てやすくなった。闇魔法、結構いやらしい効果が多いらしいし、私にはうってつけかもしれない。
襲ってきた蜂部隊の半数を落とした時、確認のために《生命感知》を使ってみた。
「うぇぇあ!?」
「どうした!?」
「まだ来てる!10匹追加!」
「く、さすがは虫、数が多いですね!」
「う、うぅ、わたし虫苦手だよ……あ、《ヒール》!」
「私も参加した方が良さそうですね……《ブラストカッター》!」
一気に4、5匹をぶった斬る風の刃。ねねねね!のそれよりもはるかに範囲が広く強力だ。おそらくもう一段上の魔法だろう……と、今はこんなこと言ってる場合じゃない。
こうなったら……
「ねね!ピートくんどうする!?」
「……しょうがない!呼べ!」
「よっしゃあ!《眷属召喚》!おいでピートくん!」
「ピッギュァアアアアアアアアアア!」
ずろぉぉっと私のすぐ目の前から吹き出るように蜂たちに向かって突っ込んでいくピートくん。うん、目の前はちょっと、その、きもい……
あ、アイロスさんがめっちゃ驚いてる。ジャイアントビーが来た時よりもかなり驚いてたけど今度はそれ以上だ。
「じゃ、ジャイアントセンチピート……?い、いや、もっと高位の魔獣?」
「ギガスセンチピートのアンデットで、名前はピートくんです!」
私は《サンドダスト》を使いピートくんの魔法の底上げを行う。それを察してか土魔法の範囲技なのか、見たことない魔法を使うピートくん。《ストーンバレット》の範囲版かな?
「中級土魔法!?え、ぎ、ギガスセンチピート!?災害クラスの魔怪蟲じゃないか!」
うわーめっちゃ怯えてる……というかピートくん中級魔法なんて使えるんだ。てっきり下級の強い方の魔法くらいかと思ってた。
「し、しかもアンデット?タダでさえセンチピート種は大きくなれば頑強になっていくんだ。それがアンデットになったとなればどれほどのタフネスを持つか……」
いや、そこまでは強化されてないよ?まあ、私たちの攻撃力じゃそんなにダメージ与えられなかったけど。
と、こんなことを考えていたらほとんどの蜂が地面に落ちていた。残った蜂は流石に無理と思ったのか逃げている。追加できていた蜂たちも引いていった。多分ピートくんが怖いんだろう。
森の本当に深いところならピートくんより強い魔獣とかいてもおかしくは無いけど、比較的安全なこのルート付近ではまず間違いなく最強の存在だろう。
「お疲れ様、ピートくん」
「ギュッギュイィ」
きもいけどなんだか可愛く見えてきてる。私って親ばかだったのかな?
「い、いやはや……エンシェントトレントもそうでしたが、このムカd「ピギュア!」えっと、ピートくん?でしたか?にも、驚かされましたよ……」
すごく疲れた表情でそう言ってるアイロスさん。ここって中層ってことだし、まだ半分道のりが残ってるのに大丈夫かな?
「とりあえずさっさと進もう。念のためピートくんはこのまま出しておいてくれ。ただし前回みたいに土の中からの援護形式で頼む。」
「ピギッ!」
ボグ、ズルルッ
器用に穴を掘り地中へ潜るピートくん。魔法の効果かどうかわからないけど穴も埋まっていて傍目にはわからなくなる。
「それじゃあまた案内お願いしますよ。」
「ええ、任せてください。」
さあ、イレギュラーばかりの森での行軍だけど、どうなることやら。
誤字脱字等ございましたらご報告お願い致します。
また質問なども受け付けておりますので気軽にどうぞ。