(ゲーム内での)二日目の朝、今後の方針
更新遅くなりました。ようやく現実の一日目終了です。今回の話での現実は6月下旬です。夏休み等のまとまった休みまではソロが多くなる予定です。
誤字脱字等ありましたら報告よろしくお願い致します。また、ブックマーク数が300件を超えておりとても驚きました。これからも頑張っていきたいと思います。
むくりと体を起こす。そのままググーッと背筋を伸ばし、目を通していた『資料』から顔を上げ、深くため息をつく。
「……私も寝ておけばよかったかな……寂しい……」
現在ゲーム内時間で二日目の午前五時、プレイ初日の午後五時、他のみんなはゲーム内で就寝中だ。
淀屋橋さんとわかれた後、想像以上にダメージが大きかった私はしばらく立ち直れなかった……
だってスキルポイント15だよ!?下位スキルなら3つ取れるんだよ!それを、それを……
取得してしまった《研究》というスキル、効果も説明もわかりづらい上に使った感想もナニコレ?状態である。おまけに掲示板では地雷スキル扱いだった……あ、死霊創造も地雷スキル認定されてた。なんでも素材コストが高すぎるとか使えるアンデットが弱いとか。死霊召喚は屑スキルっていう人がいる始末。まあ、対応したアンデットがいないと使えないからね……
とにかく、思いのほかダメージが大きかった私を気遣ってくれたみんながゲーム内で寝るのってどんな感じか気になると言い出したので、いい時間になるまで宿で情報を集めたり、今後の方針について話し合っていた。
いざ就寝、となったんだけど……私、《睡眠不要》なんてスキルがあって、眠れないといざ寝るとなった時に気づいてしまった。(実際は寝なくてもいいだけで寝ることは出来ると後で気づいた……)
なので泣く泣くひとり寂しく掲示板を覗いたり、《研究》について調べたりしていたのですよ。
で、《研究》だけど、本当にふんわりとした効果がわかった。まずはさっきも読んでた『資料』について。
この資料は《研究》による結果をまとめた研究レポートで、研究対象についてわかったことがまとめられてる。
まあ、まだ全然情報が出てないけど。
ちなみに《研究》のレベルはまだ1、ゲーム内時間で5時間スキルを使っているのにレベルも上がらない。まあ、下位スキルの三倍のポイントだしね……
で、レポートの中身はこうだった。
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『研究レポート:アイテム(武具防具、素材などを含める)』
対象・【魂の粉】
生き物、生命を殺した際に死体、死骸の側に落ちていることがごく稀にある粉末状の物体。
錬金術や死霊術の素材として高値で取引されている。
※プレイヤーコカゲによる研究結果
《死霊創造》による素材として使用可能
『研究レポート:スキル』
対象・《死霊創造》
アンデットを魔力と素材を用いて創造する技能。基本的には死霊系統のアンデットを創造するが、素材によっては屍人系統も創造可能。創造されたアンデットの持つ魂は模造品。
※プレイヤーコカゲによる研究結果
【劣化mpポーション】【魂の粉】を素材として使用可能
『研究レポート:呪文、アーツ』
対象・【レッサー・アンデットクリエイト】
最下位から下位のアンデットを創造することが出来る呪文アーツ。素材と魔力を用い対応したアンデットを創造する。
スキル《死霊創造》の呪文アーツのため死霊系統のアンデット創造に特化している。
※プレイヤーコカゲによる研究結果
【レッサーレイス】【レッサーゴースト】【レッサーワイト】【レッサーミスト】が現在創造可能。
各素材は【劣化mpポーション】【魂の粉】を確認。なお、【レッサーミスト】の素材は現在不明。
『研究レポート:mob』
対象・【レッサーレイス】
mobは『敵mob』『中立mob』『使役mob』などが存在する。
対象である【レッサーレイス】は『創造mob』であり、《錬金》または上位、派生スキル。《死霊術》または上位、派生スキルでの創造でのみ存在が確認されている。
魔力を用いた擬似生命体であり、実際に死者の魂を使用したものでも魂そのものでもない。(※素材によっては本物の死者の魂だと扱われる場合がある。)
※プレイヤーコカゲによる研究結果
戦闘に関する能力はほぼ皆無で、闇属性魔法、呪いなどを習得している。スキルレベルによるステータスの変動は確認出来ず、レベルも存在しない。
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うん、確かに研究レポートだけど、ほとんど何もわからない……いや、知らない情報とかもちょっとはあったけど……
ま、まあ、こんな風に、研究対象をこの四系統にわけ、スキルレベル依存で系統一つにいくつかずつ研究ができるわけです。今のレベルは1で、四つの系統それぞれ1つ研究ができ、一定の情報が溜まったら自動でレポートが作成されます。
これだけなら結構有用なスキルですが……なんとこれ、常時発動で、MPの上限が削れ、しかも常時発動しておかないと研究しない、そして研究対象を視界に入れておく、発動しておく、所持しておく、一定回数使用する、などの条件がかなり細かく設定されている。レポートができるまで4時間かかったしね……
これって、生産職、それも錬金術師とか、そういういかにもな職業の人向きだよね?間違っても戦闘メインの人が使うスキルじゃないよね?
掲示板でも『魔力をあまり消費しない生産職向き。錬金術向きなスキルっぽいけど錬金は使用する度にMP使うから正直補助系スキルないと使えない』って言われてたし。
はぁー……取得しようと思ってたスキル、当分はお預けだよ……
それからしばらくレポートを見て、ため息をついて、を繰り返して、みんなが起きるのを待っていた。
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そしてゲーム内時間で午前六時、gloでは、キャラクターの睡眠は6時間取ればいいので、みんながそろそろ起きる時間だ。
「……おー、おはよ。」
「あ、おはよーねね。」
「んー、結構スッキリ?てか、あれ、コカゲ起きるの早くない?」
「睡眠不要のせいで寝てないよ。」
「え、あれっていらないってだけで寝れなかったっけ?」
「えっ」
……
…………
そのままガクッとうなだれる。ま、まあ、スキルの効果とかわかったしね……
「ま、まあ、色々やってたからいいよ……あ、二人共おはよう。」
「ん……おはようお姉ちゃん。ねね先輩もおはようございます。」
「おはよ〜、早起きだ〜」
「こひは起きるの遅いからね。」
それから少し喋り身だしなみを整えて、宿で早めの朝食をとり始める。
「ん、このパン美味しい、というかゲームなのに味覚が現実と変わんないってほんとすごいね。」
「むぐ、ん、ほんとなー、再現度というか、リアリティというか。とにかくクオリティが異常に高いよ。」
「ここでならいっぱい食べても太らないってのがまたいいね。」
「そうですね、現実じゃ体重が……あと200グラム……」
「た、体重の話はやめようよ〜」
こんな他愛もない話をし、朝食を平らげちょうど七時、もうちょっとで現実では午後六時になる。流石に明日も学校だし、そろそろログアウトすべきという結論に。
「とりあえず今日は解散で、明後日は最低でも私がインしてれば紹介は受けれるからいいし、ギルド関係終わるまではお互い時間が合えば、って感じだね。なんか、これしたいこんなの行きたいってのがあったらその度に連絡とっていく感じで。」
「そうですね。私は平日は部活もあってあまり顔出しできないでしょうし、しばらくはその方針でいいかと。」
「わたしもさんせ〜、平日休日関係なくいるとは思うけどね〜。とりあえず、資金集めとレベル上げのために生産をしばらく続けておくよ〜。薬系は任せてね〜。」
「私は休日メインで、暇があれば基本はこっちかな。とりあえず【アンデットクリエイト】のおかげでこの辺ならソロでも問題ないっぽいし。」
「ん、じゃあそんな感じで。あとは各自ギルドに入ってくれそうな人を探しておいてくれると助かるかな。最悪男を勧誘するしかないけど、基本は女性で。」
「りょーかい〜」
「わかったよー」
「わかりました。」
「それじゃ解散!また明日、学校で」
こうして、gloプレイ初日は幕を閉じたのだった。
そして、翌日。
「おはよー。」
「おはよ〜、眠い〜」
「ん、おはよ、梢は?」
「今日は朝練。大変だよねー。」
「あー、試合近いんだっけ?」
「まだレギュラー取れてないから参加しなくてもいいらしいんだけどね。なんかでももしかしたらベンチ行けるかも、って張り切ってた。」
「そうなんだ〜、これは、応援に行かないとだね〜」
「まだ出るって決まったわけじゃないけどな。」
朝の時間に駄べりつつ、gloの話をする。周りもちらほら話題に登っており、男子はできた組とできなかった組、興味無い組に別れて、結構盛り上がっている。逆に女子はこのクラスでは私達3人以外は全然プレイしていないらしく、全くと言っていいほど話題にならない。
「お前アンデットだったよな?なんでそんな面倒なのにしたん?」
「あー、掲示板みてすぐ変えた。デメリットキツすぎ、それに、NPCから露骨に距離取られてポーション買うのも一苦労。無難にヒューマンにしたよ。」
「ま、それが正解だよ。俺は蛇の獣人にしたぜ。デフォで毒持ち、暗殺プレイ楽しいぜ!」
「暗殺といえば、PKが早速動いてたよな、怖ーよ、テスターが何人かPKになってたらしいし。」
「……」
………………
…………
う、うん、アンデット不遇はもうしょうがない。みんなも大丈夫って言ってくれるし、気にしちゃダメだ、気にしちゃ……
「やっぱ不遇種族になっちゃったか。」
「まぁ、序盤で見ればデメリットが大きすぎるからね。まあ、私はこのまま行くけど。」
「その意気その意気、どうせレベルが上がったりクラスチェンジとかで弱点が緩和されるし、あんま気にしすぎてもだしな。」
「そのうち光魔法を使えるアンデットが出てくるかも〜?」
「なにそれ強そう。」
「ま、気長に行こう。攻略目指すわけじゃないしな。楽しく楽しく。私はとりあえず今週中にレベル30は目指したい。」
「私は職業レベルを上げておきたいな〜。転職とかランクアップでどうなるのか、全く情報ないからね〜」
「あー、恋のは種族も職業もβの時なかったんだもんね。」
「うん〜。それに、色々要素が増えてるだろうしね〜、今から楽しみだよ〜」
「だからってやりすぎるなよ?こひは目を離すとすぐ徹夜し出すから。」
「あはは〜」
それからホームルームが始まり、授業を受けていく。そして、昼休みには梢を交えて今後の話をしたりして、放課後になり、それぞれ帰宅した。
私は家に帰ってくるなり部屋へと駆け込んで、ゲームへとログインする。
「うっ、やっぱりこの空腹感と喉の乾く感じはなれないなぁ。」
相変わらずの飢餓と渇水を感じつつ、泊まってる宿を出て、草原へと向かう。今日はソロで戦闘でレベルアップを狙いつつ、スキルポイントを貯めるため、スキルのレベルアップを狙う。
このgloでは、スキルは最下位のスキルでも5ポイント取得に必要で、下位、中位、上位、最上位、そしてそれ以上、というふうになっており、階位が上がっていくにつれ取得に必要なポイントが増えていく。
私の職業《縛霊術師》は下級職で、本来はこの下に最下級職が存在する、はずなのだが、種族専用職業は下級職から始まるのだ。その分、ランクアップに必要なレベルが増えてたり条件が追加されているらしいけど。
で、下級職は下級スキルまでしか習得できない。スキルポイントを消費しての取得も、レア種族であろうとレア職業であろうと階位は絶対らしい。
つまり私はスキルポイント5ポイントの最下級から10ポイントの下級スキルしか習得できないのだ。ならなぜ15ポイントも必要な《研究》が取れたかと言うと、なんとこのスキル、下級スキルだったのだ。
スキルをよくよく見てみれば、下級からは必要なスキルポイントがばらついていた。下級で一番ポイントを要求スキルの必要なポイントは20だった。
とにかく、何が言いたいかと言うとだ
「スキル3つ分、無駄にした、んだよなぁ……」
そう、最下級のスキル3つを犠牲に必要としていないスキルをとってしまったのだ。
「研究はとりあえず戦闘じゃ邪魔だし控えに置いてるけど……控えも30までしかスキル持てないし、本当にもったいないことしたなぁ……」
ブツブツと、一度は諦めたものの、いざこうして一人でいると悔やんでしまう。ちゃんと話に集中せずスキル一覧を見てた私が悪いんだけどさ。
そんなこんなで草原です。当面はここと奥の森をメインの狩場にしてスキルのレベルアップをしていく。兎なら簡単に狩れるしね。
「お、早速いた。」
少し離れたところに2羽の兎がいる。後ろを向いてるし魔法で先制もいいけど、せっかくだし杖術のレベルを上げたいな。毒とかも全然使ってないし。
杖を構え、《杖術》のアーツ《払い》で、2羽まとめて叩く。
「はっ!」
右から左に無骨な杖が振り抜かれ、右の兎にぶち当たり、嫌な音を立てながら、隣の兎を巻き込み吹っ飛んでいく。
「ふーむ、準前衛じゃ威力不足かな?」
一撃で倒れず、ヨロヨロと立ち上がる兎を見据える。もっとも1羽目はほとんど瀕死の様子だけど。
うーむ、これは、あっちの瀕死の方にアレ、試してみるかな。
とりあえず比較的ダメージが少ない兎めがけて《引っ掻き》を仕掛ける。
「キュウッ!」
っと、とっさによけられちゃった。まあ、《毒》の状態異常が発動したっぽいし、どこかにかすったっぽいけど。
「えいっ!」
兎の背が低いため飛びかかるように手を突き出し爪を立てる。
「キュッ!?キ、キゥィ……」
《引っ掻き》と《毒爪》の効果で一気にHPを削れたのか、そのまま動かなくなる。
「さて、と」
瀕死でふらふらのうさぎにトドメを指すために近寄る。
「えいっ、とー」
杖を振り下ろし当てる。ダメージが大きかった分一発で戦闘不能になる。
「よっし、始めるか!」
兎の死骸を前に、あるスキルを発動する。
「成功すればいいけど……《眷属化・極低》」
兎の死骸の一つが光る、が何も起こらない。ふむ?失敗かな?
もう一回スキルを使うが、また光っただけで何も起こらない。3度目の発動では光ることすらなかった。
「うー、ダメかー。」
《眷属化》は失敗に終わってしまった……ま、気を取り直して兎やらを狩りますか!
Playername《Kokage》性別 ♀ 種族 マミー 職業《縛霊術師》種族Lv8 職業レベル4
HP (ヒットポイント) 214(+10) [224]
MP (マジックポイント) 180(+10) [190](+27)(+27)
SP (スタミナ) 94(+4) [98]
STR (筋力) 77(+4) [81]
VIT (生命力) 120(+6) [126]
SIZ (体格) 17 [17]
DEX (器用さ) 64(+4)(+1) [69]
AGI (速力) 63(+2) [65]
REA (反応速度) 53(+2) [55]
INT (知力) 93(+4)(+2) [99]
MND (精神力) 87(+2)(+2) [91]
CON (集中力) 65(+2)(+1) [68]
SEN (五感)
·視覚 44(+2) [46]
·聴覚 39(+2) [41]
·嗅覚 29(+2) [31]
·味覚 44(+2) [46]
·触覚 48(+2) [50]
APP (魅力値) 61 [61]
LUC (幸運) 12(+1) [13]
KAR (カルマ値) -64 (-8)(-6)[-78](MAX500〜-500)
ATK 8
DEF 14
MATK 9 (MP消費5の場合)
MDEF 15
CRI 8%
・職業スキル
《死霊使役》Lv3《死霊召喚》Lv2《死霊創造》Lv3
《死霊強化》Lv3《屍操作術》Lv2《杖適性》Lv3
·種族バッドスキル
《火属性弱点》Lv無《光属性弱点》Lv無《斬撃被ダメージ増加》Lv無
《回復魔法ダメージ化》Lv6
《神聖域内常時ステータス大低下》Lv無
《屍人》Lv5《死霊》Lv3《印象値低下》Lv無《飢餓状態》Lv無《渇水状態》Lv無
·種族グッドスキル
《乾燥ダメージ無効》Lv無《水属性耐性》Lv2《夜目》Lv7《乾燥域内ステータス微上昇》Lv2《日光下行動可能》Lv10(MAX)《呼吸不要》Lv無《睡眠不要》Lv無《精神攻撃耐性》Lv3《痛覚鈍化》Lv3《生命感知》Lv4
・初期選択スキル
《闇魔法適性》Lv2《土魔法適性》Lv2
《引っ掻き》Lv2《噛み付き》Lv1《吸収回復》Lv2《呪い》Lv2《杖術》Lv2《毒爪》Lv2
《布装備作成》Lv1《木工》Lv1《眷属化》Lv1《気配遮断》Lv1《瘴気》Lv2《乾燥》Lv1
・控えスキル
《研究》
・習得魔法
·最下級土魔法 《ストーンバレット》《サンドダスト》《ストーンボム》
《サンドウォール》
·最下級闇魔法 《ダークショット》《ブラックミスト》《ダークボール》
《ブラックウォール》
・装備
·weapon
・【暗石の魔術杖+4】magicrod耐久値90/90 重量5
ATK +12(+4)
MATK +10(+2)
装備制限 MND65以上
《闇属性補助·弱》《MP上限上昇·小》《魔法攻撃力上昇·微》
·protection
・【土染めの布+8】underwear耐久値60/60 重量1
DEF +6(+8)
装備制限 種族·マミー系
《火属性ダメージ軽減·極微》
・【灰の包帯+10】tops,bottoms耐久値60/60 重量1
DEF +6(+10)
MDEF +8(+8)
装備制限 種族·マミー系
《火属性ダメージ軽減·微》《MP上限上昇·小》
・【暗がりのローブ+8】outerwear耐久値100/100 重量2
DEF +8(+8)
MDEF +12(+6)
《闇属性魔法強化·小》《夜間隠蔽効果·中》
・習得アーツ、魔法
《死霊操作·攻》《死霊操作·防》《サモニング·レイス》《レッサー·アンデットクリエイト》《屍操作·動》《杖術·払い》《杖術·振り下ろし》《眷属化·極低》
【サモニング(アンデット限定)】【レッサー・アンデットクリエイト(最下位から中位まで)】
・創造、召喚リスト
【レッサーレイス】
【レッサーゴースト】
【レッサーワイト】
【レッサーミスト】
【レイス】
・創造可能数
3
・召喚可能数
2
取得スキルポイント 3