空と海の冬の花A Ⅰ
※BL注意です。
今回はAnother Var.です。
「空と海の冬の花」を読んでいない方は、A Var.を読んだ前でも後でも是非読んでください!
「空と海の冬の花」については、後書きにURLを貼っておきます。
2012年5月13日、今日は俺の誕生日だ。
そして、人生最高の日かもしれない。海から手紙を貰ったのだ、それもハートのシール付き、可愛すぎる。
今すぐ中身を見たいところだが、それは後のお楽しみとして。
今日はもう1つ嬉しいことがあった。それは、海の誕生日を知れたことだ。柔軟年も一緒に居て誕生日を知らなかったことにも驚いたのだが、それより。
海の誕生日である12月12日は、俺が海に告白された日なのだ。告白された当時は海の誕生日だと知らずに軽率なことを言ってしまった。申し訳ないとは思ってるし謝りたいところなんだけど、きっと同時のことを海に話したら顔を真っ赤にしてろくに口も聞いてくれないだろう。それは勘弁なので当分はこのままにしておく。
でも、そんなに可愛いなら口を利いてくれなくても良いかも・・・。なんて考えてついニヤけてしまう。
いかんいかん。今日は遅いし手紙をじっくり読んでから寝ることにしよう。
あれから丁度6ヶ月。あと一月で海の誕生日だ。
それはとても良いことなのだが、問題は海へのプレゼントだ。
今まで海以外に恋人の居た例がないし、海は男だし・・・。
とにかく、なにを送ればいいか全くわからない。
キーーーンコーーン・・・
放課後を伝えるチャイムだ。
ちくしょう。これじゃ初恋じゃねぇか。あれ、これってマジで初恋じゃね?え?海が初恋とか・・・それ、色々ヤバイよ・・・。ありえんありえん・・・・・・
「―――ら?空、帰るぞ?空?」
「・・・は?」
顔を上げるとそこには、いつも一緒に下校している京太が居た。
「『は?』じゃねぇよ、帰るぞ?」
「うん、そだな」
「何?お前あんまし元気なくないか?」
流石京太は分かってるな~。なんて思いながら、相談すべきかどうか迷っていた。
こいつは信用深い奴だから、海のことを一通りとまではいかないが話してある。この前貰った手紙のことも。
でも、だからといって恋人への贈り物を他人に相談していいのか・・・。
そんなことをグズグズ考えていると、京太がまた声をかけてきた。
「なんか悩んでんなら、ちゃんと相談しりんよ?俺でよかったら何でも聞くし」
またこいつは。的を射るようなことを言うから、良いのか悪いのか。
とにかく、話さないことには何も進まないと思ったので結局相談することにした。
「それなら、うちにこいよ。いいものそろってるぞ」
京太が言う。
ああ・・・その手があったか。
京太の家は俺がいつも通学に使っている駅の前にあり、そこで花屋をやっている。
「おじゃましま~す」
「そんじゃ、くつろいでていいから待っててね」
俺は京太の部屋に入り、そして二、三十分待たされた。
「空~、出来たよ~!」
戸を開けて入ってきた京太の手には
一輪の赤いチューリップ、それと綺麗なラッピング。
「どう?」
「結構いいじゃん」
「これにする?」
「あぁ、そうする」
それからラッピングやらを考え、予約して帰った。
後日聞いた話だが、俺は終始ニヤついていたらしい。
そりゃそうだ。花言葉を聞いた海の顔を早く見たかったからな。
A Var.いかがでしたでしょうか?
海支店のほうを読んでくださったいた方なら、色々と思うところはあったと思います。
また、読んでいない方は海支店の方を読んでいただければ、色々と思うところがあると思います。
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