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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

永遠の愛なんて存在しないと恋愛に呆れ、女の子たちを騙して金をとることにしたら永遠の愛を手に入れた。

作者: 儚幻影

僕は永遠を手に入れた。

生きていると、その時その時で感情が変化するわけで、何かをきっかけで芽生えた感情は、人生にとってとても必要なものであると思う。


そして人生においてある出来事が起こり、感情が動くことは必然的なことで、そうなるべきだと元から決まっていて、また同時にその感情の変化が自分に必要なことだと教えてくれる。


こんなたいそうなことを言っているかのように思える僕は、大事な、人生に必要であるから起こった出来事で芽生えた感情を忘れてしまわないように、あの壮大な過去を振り返っているのであった。

ーーーーーーーーーーーーー。


3月中旬。

学生の大半はもう春休みに入り、来年は何組だろうか、可愛い子はいるだろうか、などと頭の中で思考を巡らし、有意義な休みを過ごしていることだろう。しかし僕は、そんな能天気なことを考えている人達を隅に、絶望感を味わっているのであった。


まず、結論から言うと、僕は愛する人を失った。失ったと言っても、そんなすごい出来事があったり、死んでしまったり。と言うようなたいそうなことじゃなく、普通に、誰もが別れを経験してるように、僕もただ彼女を失っただけだ。


、、、、、。しょうもないと思ったであろう全国民に僕はこう言おう。しょうもなくねーよ!!!!!


いやしかし、ほんとにしょうもなくはないのだ。実際恋愛を経験してみて、愛する人と身体を重ね、沢山デートをして思い出をつくり、その人がいないと嫌なくらい依存してしまうと、失った時の代償は人生においてすべてを上回るくらいにでかいのだ。


そんな人生最大の大切な人を失った僕は、もう立ち直れなくなっていた。


僕は彼女と婚約もしていたが、この有様だ。もう無理。永遠の愛なんてねーじゃねーか。


そうして永遠の愛などないと知った僕は、真面目な恋愛に嫌気がさして、女を騙して金をとるために彼女を作ることにした。


その結果、あんな目に遭うとも知らずに。


ーーーーーーーーーーーーーー


4月上旬

僕は山下寧々という高校2年生の女の子と出会った。彼女は学年1とも呼ばれる美貌の持ち主で、僕は相手にもされないだろうなと思っていた。


しかし、ぼくはそんなことどうでも良かった。だましてやろうという気持ちの方が強かったからだ。付き合いたいとか、ヤリたいとかは思わなかった。だから簡単に関わることができた。



山下寧々は駅で変な兄ちゃんにナンパされていた。


「え、めっちゃ可愛いじゃん!え今暇!?」


「......ごめんなさい、今家に帰る途中で寄り道とかしたくないので....」


「大丈夫だよ!俺君の好きなものとかなんでも買ってあげられるし、気持ちよくもさせてあげられるぜ?」


「いや、でも....。」


どうやら、結構押しに弱い子なのかもしれない。

僕は助けたら付き合う展開あるんじゃないか?それで金を、、とか思って兄ちゃんに怒った。


「嫌がってるだろ?俺の女に手出すんじゃねぇ」

俺の女とか言っちゃった。一度言ってみたかったんだよなぁ。


「チェ、男いんのかよ」

そう言って兄ちゃんは逃げて言った。


「大丈夫?ごめんな、俺の女とか言っちゃって。」


「いや!全然、、、」


「....なんかお礼させて下さい!」


「いや大したことじゃねーからいいよ。」


「絶対お礼します!させて下さい!」

させて下さいって、なんかグッとくるものがあるな。


「んー、じゃ俺と付き合ってよ」

もーめんどくさいからさっさと言ってしまった。でも流石に、、ない


「....わかりました!」


「はぁ!?」


まぁこうして僕は騙す彼女第一号、寧々と付き合うことになったのだ。


僕は寧々から金を取るために、まずは大前提として交友関係を築くことにした。


5月上旬

「寧々〜、今度一緒に水族館とかどー?」

「...うんっ!行きたい、かも....!」

僕は寧々と付き合って1からヶ月が経ち、もうデートは4度ほどし、だいぶ仲良くなっていた。

ちなみに今は寧々の家に遊びに来ている。


「...ねぇ...こっち来て...?」

「う、うん」

寧々はベットにいて、呼んでいる。まさか??騙すためには、まぁ、仕方ない?か。仕方ないんだから、別に僕がしたいとかは...


そうして僕は激しい行為を行ったのだったーーー




行為が終わってから、寧々がぐっすり寝てしまったので、そっと毛布をかけて、僕は家を出た。


帰り道、僕はぼんやりと路地裏を歩いていると、一人の女の子が僕をみて近寄ってきた。


「こんなとこで何してるの??」

女の子は聞いてきた。この子は、、、

「え?もしかして花梨?」

確かこの子は、中学校時代の友達で、よく遊んでいた子だ。


「そうだよ!覚えててくれたんだ...。嬉しいな...。」


「忘れないよ〜、懐かしいなぁー」

そう、忘れる訳がない、彼女もまた、学年1を争うレベルで可愛かったのだから。


「で?なんでここで歩いてるの?」


「いや別に関係な」

「で!!!なんでここにいるか聞いてんだけど?」

「どうし」

「ねぇ、苛々させないで?」

「買い物に行ってたんだよ」

俺はやばい予感がしててきとーに嘘をついてみた。


「ふーん?」

なんか彼女はいいたそうだが。

というか、この感じ、もしかして僕のこと好きなんじゃね、?

僕は少々馬鹿な女の方が騙しやすそうと思いこの子に思い切って言ってみた。


「あのさ、俺お前のこと好きだったんだ」

嘘をついた。僕は嘘をついたのだった。


「え!嘘!私もずっと好きだった!」

やっぱり、。こいつ僕のことが好きだったのか。


僕は恋愛に興味がなくなってから簡単に好きとか言えるようになってしまった。


前は好きとか言ったら嫌われる、とか思ってたのに、てきとーになってからなんだかすぐ彼女ができるようになった。


「なんでやねん、」

「え?」

おっと、口が滑ってしまった。


前の僕が馬鹿馬鹿しくなった。


結局、こうして騙す餌となる彼女第二号が完成したのだった。


ーーーーーー


花梨は僕の帰り道に一緒になってついてきた。

「なんでついて来るの?」

「は?」

「ついてきて嬉しいです、」

「うん!」

なんだか怖いけど、こいつは馬鹿だからさっさと騙して逃げようっと。


家の前についた。

「じゃあまたな〜」

「何言ってんの?」

「え?」

「いや、家入ってもいいでしょ?」

そういうことか。もう疲れてるから正直帰って欲しい。


「ごめん俺今日疲れてるか」


「は?いいでしょ?」


「はい、」

結局彼女を家にあげるのだった。ーーーー



まぁいうまでもなく、ヤった。


「またね!あ!後浮気したら殺すね?」


「あー分かってるよ。またね」


なんだか疲れたな。今日はぐっすり眠れそうだ。


7月中旬


僕は寧々からたくさんプレゼントをもらっては売っていた。ちなみに今のところ合計37万円弱GETした。


高い腕時計、高い指輪、、。


寧々は僕のために色々くれた。まぁ、当然僕は金のかかるものはなんもあげてないが、。

しかし、手紙を渡していたのだ。きちんと気持ちのこもったような嘘の手紙を。


それでうまくここまでやってきた。

だが、もうたくさんもらったおかげで、プレゼントも高いものがなくなってきている。あげるネタがなくなって困っている様子だ。

「潮時か、」


そう思って僕は寧々に何も言わずに姿を消した。


8月下旬

花梨はやっぱり馬鹿だった。欲しいものをねだったらすぐくれた。花梨からは50万ぐらい集まっている。


花梨は別れずとっとこうかと思った。が、しかし、正直こいつはいつもヤってばっかで、ヤらないと満足してくれないのだ。寧々は手紙でよかったが、花梨の場合は性行為なのだ。

僕がもたなかったので逃げることにした。


寧々の場合は静かだしどうでもいいだろと思って何も言わずに捨てたが、花梨も何も言わずに捨てたほうがいい。というか、逃げた方がいい。


こいつはやばい。おそらく別れるの「わ」という文字を言っただけで包丁でブッ刺されるだろう。


ということで清く二人ともさよならをしたわけだ。


「さぁ次の餌さがすか」


そう思ったところで僕の8月は幕を閉じた。


ーーーーーーーー

9月上旬


僕は図書館で本を読みに行っていた。真面目に本を読む気はない。僕はただ、図書館に行ったら可愛い女の子がいて、話す。という展開を期待して来ているだけだ。


まぁ、別に期待は正直少ない。別にいなくたって、、


そう思いながら僕は図書館のドアを開け中を見渡した。


「本棚が高くて人が見えないな、。」


とりあえず、僕は本を探すふりをして出会いを探した。しかし、周りからみたら僕の行動は本を探してらようには見えない、ただのヤバいやつだと思われてるだろう。


だって、僕は、こうして図書館中を本を見るわけでもなく歩き回って、常に人を探してジロジロしてるからだ。気持ち悪。


「お」


僕はこの図書館の本棚の角を、約17回ほど曲がって歩き続けたところ、ある少女を見つけた。


まぁー可愛かった。うん、可愛い。


僕は話しかけた。


「ねぇ、そこの可愛い子さん」


「??、なんでしょうか?」


「なんの本読んでるの?B L?」


あ、やべ。友達のノリで言っちゃった。正直こいつはもう無理だな。


「え!?なんで分かったんですか!?」


「はぁ!?」


いや意味わからん。まじで見てたの?

とりあえず僕もなんか恥ずかしくなった。これは共感性羞恥だろうか。


「ごめんごめん冗談で言ったんだけど、まさか、、」


「じゃあ、僕はこれで、、、」


気まずくなって僕は逃げようとした、したが、、



「待って!」


「はい?」


「あの、バラさないで下さい!私が読んでたこと忘れて下さい!」


「もし神崎高校の生徒に言ったりでもしたら、私もう生きていけません!!」


ん?今神崎高校って言った?


いい情報GETしちゃったな。てか高校名自分で言うとか馬鹿だろ。人は焦りすぎると馬鹿になるのか?



「どうしよっかなー!?」

「お願いします!」


「いーやーだww」


僕は最低だろうか。正真正銘のクズだな。


「お願いします....」


涙目になってる。あらら。


でも、


「そんなにもバラしてほしくなかったら、俺に身体を捧げるんだな!」


「君のその身体を絞りたいなー?」(ペロペロと舌で唇を舐めながら言った)」


いや完全に俺やばい奴だろ。


でもさ、別にこいつに嫌われてもどーでもいいし、内気なタイプっぽいし、、


僕は散々好き勝手に言った。


どこを舐めたいとか。どの体位が好きとか。君のアヘ顔が見たいだとか。


「はい、」


最後に彼女はその言葉だけ発した。


僕は人生において何か大切なものを失った気がした。


ーーーーーーー


その後、僕たちは図書館のトイレでヤった。


最高に気持ちかった。


なぜヤったのかには理由がある。女は満たされてる時に相手を好きになると聞いたことがあったから。


だから僕は、終わった後に彼女にこう言った。


「ねぇ、嫌なことしてごめんね?さっきの言ったことは全部冗談なんだ。」


「君のこといじめた代わりに、俺が責任とって幸せにするよ」



そんなてきとーなことを言ったら、


「うん、分かった」


そう彼女はいい、僕たちは無事付き合うことになったのだった。


ちなみに、この時はまだ僕は彼女の名前を知らなかった。付き合った後に知るという謎の展開だった。


彼女の名前は柳沢薫、高校1年生。彼女は学校では人気者だそうで、だからバラされて周りがいなくなるのが嫌だったらしい。


自分の地位が下がるのは確かに嫌だよな。


ーーーーーーー


9月中旬


薫とは温泉旅行に行っていた。


ちなみに現時点では、薫からは27万ほど集まっている。薫は弱みを握られてるから、僕は何もあげたりとかしなくても、関係は成り立っている。


「この温泉気持ちいいね〜」


「うん!好きな人とも一緒にいられて、幸せ。ずっとこの時間が続けばいいのにな」


「俺もだよ」


彼女はすっかり僕のことを好きになっていた。まぁそんな彼女とはもうお別れなんだが。


そう思っていた、そう思っていたんだが、、。


彼女は帰り道に、自分で作ったというお弁当を見せてくれた。そして二人で食べた。


美味しかった。見た目はなんていうか美味しそうではないんだけど。彼女が自分のために作ってくれたというだけでなぜだか美味しく感じた。


今までは金が嬉しかったのに。なんでこんなにも嬉しいんだろう。なんの利益もないのに。


そう、僕の情がでてきてしまったのだ。


僕もあろうことか幸せだと思ってしまった。


思い出してしまった。3月に別れてしまった彼女のことを。


彼女もまた、金にはならない、たくさんの思い出をくれた。


そこで僕は薫のことが好きになりかけていた。


どうせ捨てられるのに。どうせ別れるのに。辛い思いをするだけなのにーーーーー。



10月上旬


僕は薫以外の女の子と関わっていなかった。


薫とデートばかりしていて、関わる時間がとれていなかったのだ。


それがダメだった。それがこんな結果を招いたのだ。


そう、僕は今、監禁されている。


寧々に、、、。


デートばかりして色んな場所に行っていたから、見つかってしまったのだろう。


確か僕はいつもと同じように薫とデートをしていたはずだ。


どうしてこうなった。記憶がない。おそらく僕はスタンガンか何かで気絶させられたのだろう。特に傷はない。


「薫、、。助けてくれ、、。会いたいよ、、。」


「....ねぇ、他の女の子の名前出さないで...?」


「でも、だってさ、なんで、こんな...」


「....寧々と付き合ってるのに、どうして他の女といたの...?」


「え?あれは俺の彼女で、、」


「、、、」


そうか、寧々は捨てられたことに気づいてないんだ。だからまだ付き合っていると思っているのか。


一番どうでもいいと思ってる奴にこんな目に遭わされるなんて、。


「...ねぇ、私のこと、好き...?」


「ごめん、俺は薫のことが...」


自分でもびっくりした。ただの餌だったあいつのことが俺は好きだと。薫のことを好きだと思っているのだ。


「...もしかして、薫ってこの子....?」


寧々は変なビニール袋を持っている。


さっきからなんだか部屋が臭いなと思っていたが、そのビニール袋からだったらしい。


寧々はその袋から何かを取り出して僕に見せた。


僕は訳がわからなかった。


常識的に考えてビニール袋になんか入る大きさなんて、たかがしれている。


そこに人間なんて入るはずもないのだ。


でも、そこには確かに人間が入っていた。


人間というより、、、


薫の生首がーーーーーー。



ーーーーーー


10月下旬


僕は安定的な生活をしていた。


食料は出て来るし、なんでもできる。


ただ、寧々の部屋からは出られない。


ところで、今日寧々が買い出しをすると言ってからもう6時間が経っている。


なんで帰ってこないんだろう?


いつもなら1時間もかからず帰って来るのに。


まぁ、いいか。


そう思って僕はいつものように寧々の家でぼうっとしている。


手錠はもう慣れた。


最初はストレスに感じていたが。


首輪も慣れた。


僕は果たして人間なのだろうか。


「ガチャ」


あー、やっと帰ってきた。


と思ったのも束の間。


そこに、玄関に、立っているのは、花梨だった。


「え?」


なんでだろう。なぜだか安心してしまった。


久しぶりに人に会ったので、花梨であろうとも喜んでしまったのだ。


「..花梨!!」


「助けに来たよ」


僕は泣きそうになった。嬉しかった。


でも、寧々はどうして帰ってこないのだろう。きっと花梨がうまくやってくれたのだろう。


「あー、寧々のことなら殺しといたよ〜」


うん、ありがと、ん?今なんて言った?


僕の耳が正しければ殺したと言ったか?


そうじゃなかったら僕はいち早く耳鼻科に行かなければ。


きっと精神がおかしくなってるのだろう。


精神科にも行くべきだろうか?


「どうやって寧々を帰って来るの遅らせたの?」


僕は気になって聞いた。


「ん??だーかーら、殺したんだってば」


は?


あー、そういえばこいつ、そういうやつだったな。もうめちゃくちゃだ。死にたい。


僕の頭はもう訳わからなくなっていた。


ーーーーーーーーーーー


?月?日


僕は今花梨の家にいる。と思う。


花梨は僕のことが本当に好きらしく、僕もまた、花梨のことが大好きだ。


花梨はいつも僕のことを包丁で軽く刺したり、叩いたりしてくれる。


あー。ほんとに嬉しいな。なんでこんなにも幸せなんだろう。


僕は幸せでいっぱいだった。


永遠にこんな幸せが続けばいいのになー。


花梨は可愛いし、僕の自慢の飼い主。今日はどこを刺してくれるんだろうか。


もう、歩けなくなっちゃったよ。



ーーーーーーーー。





僕は永遠の愛を手に入れた。


永遠の愛なんてないと思ってたのに。


案外、テキトーに生きてた方が上手くいくのかもしれない。


永遠の愛は最高だ。


僕はもう何もいらない。



そして、、、僕は今日、おそらく永遠の眠りにつくだろう。




◇533々>月♪☆日

僕は最後の場所を刺され、何もかも手に入れてこの世をさった。


「一生あいしてるよ」



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