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実は一歩先を歩いているアイドル?


 そうか。もう休憩か。

 とりあえず休憩室で一服。新人の彼女には何かあればすぐに言ってくれれば大丈夫とも伝えてあるし、とりあえず飯でも食おうかと思う。

 今も彼女のレジでの接客対応が壁越しに耳には伝わってくるけれど、普通に問題なさそう。


 とりあえず、ここってそこまで疲れはしない分、やっぱり給料もそこまでなんだよな。そんなことを考えながら、俺はなけなしの半額シールが貼られたコンビニおにぎり一つ、ゆっくりと口に頬張る。


 でも、さっきの彼女。楓って呼んでくださって大丈夫ですよ。ってあんなに純粋無垢な笑顔で言われてもな。ちょっといきなりは無理だな。実際に呼んで嫌な顔をされたくないし。あんなことをナチュラルに言ってくるあたり、ちょっと警戒心がなさすぎないか? 


 まぁ、そもそもそういう対象には俺を見ていないということか。

 大丈夫だ。俺も、見ていない。全くな。いや、本当に全く。本当に。

 こういうタイプの女性に勘違いをして痛い目を見るのは結衣ちゃんでしっかりと学習をしたから。

 だから俺が騙されることは今後二度とない。


 「ー-ーさんは今日はもう帰られましたよ」


 それにしても、今までも新人で何人か女の子が入ってきたことはもちろんあったが、こんなに俺が頼りにされるのは初めてだな。

 そもそもの話、店長いわく向こうから俺を教育係にみたいな指名があったとかなかったとか。

 あれか? あんまり怒らなさそうでチョロそうだとかそういうことか?


 まぁ、ラーメン屋でのこともあったからかなのかもしれないけれども、別にどっちでもいいか。考えても無駄でしかないことだろう。


 「いえ、シフトの変更があって今日はもう帰られましたよ。もし伝言があるのであれば私がお伝えしておきましょうか?」


 って、ん? また彼女の接客の声が聞こえてくるけれども。

 シフト変更? 今日そんな変更があった人いたっけ?あと何の話をしているのだろう?


 よく聞くと彼女と会話をしている相手も女性っぽい。それに何か聞いたことのあるような声?まぁ、揉めているわけではなさそうだし、まだ出ていく必要はなさそうだな。


 はぁ、とりあえず色々と考えているうちにもうおにぎりは綺麗さっぱり俺の手元から姿を消した。

 やっぱり真剣にバイト先の変更も考えるしかないか。正直、ここは居心地がいいから離れたくはないのだが、生活のことを考えるとどうしても先がな。


 で、頼みの綱にしようとしていたあの曲も色々とあってあのバカが持っている。そしていまだに返信は来ない。真剣に何やっているんだよ。あいつ。


 そして、さすがにそろそろ彼女達にもlineを返すか。


 まだ開いていないが、どんどんメッセージの数が溜まっていっているのはわかるからな。


 本当に一体何なのだろうか......。

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