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逃げられない運命を背負う男


 もしかしたらと嫌な予感はしていたが.......。

 マジか。そして待てよ。俺のアパートの前に何であのバカがいる。

 ふざけているのか、あいつ。

 lineや連絡を無視し続けたらこうなるのか。いや、今までにあいつを無視する場面なんていくらでもあった。でも、ここまでされることは初めて。


 完全にあのバカ、俺のことを待ち伏せしていやがる......。

 いつからだ。俺も大学が終わってからそれなりに寄り道もしたから、割りと待っていたのか?


 しかも何だ、その革ジャンにサングラスの全身真っ黒なファッション。

 完全にもうそういうファッション。と言うか、似合わなさすぎるのはもちろんだけれど。もし、そういうバンドマンを意識しての格好なのであれば色々と古くないか?センスから何から......。


 不審者か?


 でも、もうこれはそういうことだよな。やっぱりそういうことでしかないんだよな。

 絶対にあいつ、あの夏乃とかいうあざとさの塊みたいな女に触発されてバンドか何か音楽活動を始めるつもりだろ.......。

 それも、いきなり今日から初めて今日もうライブハウスデビューとか考えているに違いない。

 暴走しすぎとしか言いようがない。何だその意味もない行動力。そもそも出れるのか? まぁ、出れるからいるのか.......。


 いや、死んでも嫌だぞ、お前に付き合わされて俺まで恥に恥をかかされるのは。

 いつもは何だかんだでお前に巻き込まれてしまう俺だが、今回だけは絶対に死んでも拒絶する。そもそも曲は? ギターとかも持っていないんだろ? そして歌はド下手。


 いくらあの女に堕とされてしまったとは言え、周りが見えなくなりすぎだろうが。あまりにも単純でバカすぎる。

 いや.......それは俺も人のことを言えないのか。

あんな曲作っちまったぐらいだしな......。やばいな。急に恥ずかしくなってきた。

 あのバカと同レベル? いや、もしかしたらあれよりも......。

 い、いやそれはない。あってはならない。


 でも、本当にどうする。あの感じになってしまっているあいつから逃げられるイメージが俺にはない。

 

 とりあえず、幸いだが俺は普通にギターは持っている......。あのバカに貸したくはないが貸してやるしかないか。それで俺の前から消えてくれるなら。

 

 ただ、それだけで済むのか......? そもそもやっぱり何も弾けないだろ、お前。


 それに、楽器があったとしても曲とかは本当にどうするつもりだ......。


 し、知らん。俺は知らんぞ。

 そもそもあいつは俺が音楽とかを作っていたことすら知らないはず。


 なら、尚更どうするつもりだ......。


 いや、真剣に俺は関わる気はないぞ。


 でも、何だ? 今日、大学で夏乃とかいう女がベタベタしていたあの男? そんなに有名な奴なのか?


 確か、たまたま今日も近くに座っていた黒縁眼鏡の何ちゃら愛ちゃんも今日のライブハウスがどうこうとブツブツと一人で言っていたな。大きなため息とともに。


 よくわからないけれども、とりあえず俺は本当に関係ない。

 いや、そういうフリではなく本当に関係ないからな。本当に......。

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― 新着の感想 ―
[一言] ジェットンさんがプロット書いて来るとは。続きが楽しみ。
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