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彼女たちを守るために俺は死ぬことにした  作者: うんちん丸
第4部 お姫様に寵愛を
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9/8(木) 穂積音和②

「はーーームカつく!!」



 昇降口で両脇の二人から解放された中村未彩(ミサ)が、ロッカーに拳を叩きつけ、怒りをぶつけた。



「ウチの彼氏とあいつ、さっき話してたじゃん!? ありえなくね!?」


「あーね、穂積チャンでしょ〜」



 ゆるい語尾が特徴の水川もなかは、相槌を打ちつつミサの背中をぽんぽんと叩く。



「最近クラスでも喋ってんの見るけど、ホッント不快!」



 それでも勢いが止まらないミサは喚き散らした。校門を振り返りながら、頭のお団子にチュパチャをさした田中杏樹(アンジュ)が面倒そうに舌打ちする。



「男ウケだけはいいんだよねーあいつ!」


「これみよがしに野中先輩とも喋ってるし、最近ちょっと調子乗ってない?」


「あ〜わかりみ〜」



 ケラケラと笑いながらもなかがミサを肯定する。それに満足したのか、ミサはようやく靴を脱ぎだした。



「せっかく忠告してやったのに、ありえないんだけど……」



 ローファーをロッカーに入れながら、ぶつぶつと恨み言は止まらない。


 友人のアンジュともなかも頷き合う。


「だいたいさー、ミサの彼氏に色目使った時点でアウトっしょ!」


「忠告も聞かないしぃ、100%向こうの過失だよね〜」


「んじゃ、ウチらがなにやっても正当防衛じゃん!?」



 二人の会話を聞きながら、ミサは上靴を足元のすのこに投げて、眉間のシワを解いた。



「そうよね。こっちは傷つけられたんだから、わからせるしかないでしょ」



 長い髪の毛をばさっとかいて、ミサはニヒルに笑うのだった。

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