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彼女たちを守るために俺は死ぬことにした  作者: うんちん丸
第4部 お姫様に寵愛を
156/301

9/5(月) 穂積音和②


◆◇◆◇◆◇




 二学期に入って変化したことのひとつ目。

 外はどうにもまだ暑すぎるので、昼休みは虎蛇に集まるようにしたことだ。



「ねーねー聞くの忘れてたけど、朝のやつ、なんなのあれ」



 変化したことのふたつ目。七瀬も一緒に弁当を食べるようになった。



「ずいぶんと目立っていらっしゃいましたね。でも朝からみなさんの顔が見られると、元気が出ます♡」



 詩織先輩が頬に手を当てて小首を傾げ、可愛い顔をしている。



「ん……。知ちゃんとお昼ごはんを毎日一緒に食べるための試練」


「ふーんそっかー! よく分かんないけど、えらいじゃんほづみん!!」



 七瀬が音和の頭をがしがしと撫でていた。たぶんホントに分かってないやつだなこれ。



「チュン太、プリントありがとう。印刷してクラスと部活動に配っておいて。期日が漏れていたから追加しておいたから」



 パソコンから目を離さず凛々姉が言う。


 横に置いてある小さな弁当箱の中身は、あまり減っていないようだった。



 ふと彼女の後ろのホワイトボードの端にあるカレンダーを見ると、赤い丸で囲まれた数字の下に大きく「朝陽祭!」と書かれている。その日がそう遠くないのがひと目で分かった。


 いちごは詩織先輩と雑誌を見ながら話してる。野中は扇風機のそばでお休みタイムだし、七瀬は音和に絡んでる。100点にのどかな昼下がりだ。



「まーまー、そんな眉間にしわを寄せずに。まだ始まったばかりなんだし!」



 ひとり怖い顔をしている凛々姉に、のんびりと声をかけた。



「そうよね……」


「ほら、美人がだいなしってやつだ」


「そうよね……」



 心ここにあらずの凛々姉がちょっと心配だった。

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