9/2(金) 部田凛々子②
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「10月の1日、2日が文化祭本番よ。もう1カ月を切ってる。みんな、来週から毎日残ってもらうけど、かまわないわね?」
生徒会から戻って来てからの凛々姉は、妙に力が入っていた。
今日の参加者は七瀬と詩織先輩、音和と俺。野中といちごは欠席している。
「了解。野中は期待できないから頭数から外してくれ。その分設営で働かせる。いちごは家の事情もあるから無理はさせたくない。あとのみんなは大丈夫?」
みんな俺を見てうなずいてくれる。
「もちろん! このための委員会だもんね! あたしもやるときはやるよー!!」
七瀬……立派になったな。お父さんは泣きそうだ!
「で、詩織先輩は体調悪かったら遠慮なく俺に言うように」
「うん、ありがと」
詩織先輩とウインクをかわす。
「それでは早速、チュン太と穂積がクラスと部活動、有志の出し物をまとめて。前ふたつは来週水曜まで。有志は再来週末までにお願い。プリントの資料は去年のものを参考にしなさい、棚に入っているわ」
「おっけー!」
「大変だけど踏ん張りなさい」
「仰せのままに」
「うん。芦屋は……」
凛々姉が全員に指示を出して行く。
……なんか懐かしいな、この感じ。
今度は二人だけじゃない。必ず成功するさ。