部隊再編
私のミリタリー知識は拙いので、内容の間違いについてはご容赦ください。
本州の端である東北地方。地球ではない未知の天体に飛ばされて以来、この地は日本の中で最もホットな最前線となっていた。
所謂赤い北海道、第二次世界大戦でソ連が北海道を占領したことで生誕した共産主義国家と隣接している地域だからだ。
赤い北海道が日本への統合を拒んだとしても、日本とは本気で開戦する可能性は極めて低い。後ろ盾といえるソ連も消滅しているし、共産主義の弊害として技術の停滞や経済の低迷に苦しんでいるためだ。
事前に立案された計画に基づき産業を実行する計画経済では新技術を迅速に導入できず、貧富の差を無くすために賃金を等しくすることで労働者は労働意欲を失うと共産主義は、決して理想の経済ではない。
長年にわたる共産主義のマイナス面に赤い日本は苦しんでいたが、それでも開戦する可能性はゼロではなく、何より日本に近い地域に弾道ミサイルや巡航みさいるさえ配備されているのだから、警戒するのは当然だ。
軍備の増強を行い、海洋進出を行う中国への備えとして九州方面の自衛隊の戦力を増強したように、東方地方の自衛隊の戦力の増強が行われた。赤い日本と万一戦争に突入すれば役立つだろうし、突出した技術を持たない1980年代ままの赤い北海道に先進的な装備を見せることは戦争の抑止に繋がるからだ。
陸上自衛隊は、小銃を89式から20式照準への順次転換が進められ、歩兵部隊に当たる普通科の人員増強や機甲、砲兵に当たる特科の増強や並行世界の日本で配備されていた2000年代以降に配備された比較的新しい装甲車や歩兵戦闘車に当たる装甲戦闘車など新型車両も配備された。
航空自衛隊には、弾道ミサイル対策にPAC-3が配置され、巡航ミサイルとそれを装備可能なF-35JAを有する航空隊が展開した。GPSによる精密誘導は封じられても、慣性誘導は有効であるため赤い北海道の軍施設等をいざとなればこれで攻撃する予定だ。
海上自衛隊では空母の常時の配置こそ見送られたものの艦隊防空と弾道ミサイル迎撃のためにイージス艦を含む護衛艦の増強が行われた。巡航ミサイル迎撃のために並行世界の日本が購入していたSM-3も護衛艦に搭載する見込みだ。
このほか、軍用パワードスーツやレールガン、対地・対空を目的とするレーザーやビーム兵器を装備する自走砲などより先進的な装備も配備される見込みだ。現場で運用方法を行う人員や戦術を見直さなくてはならない自衛隊上層部には気の毒だが。
日本政府は、東北方面の自衛隊の兵力の増強することで赤い北海道への対策を行った。