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風景  作者: ninja818
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「ここなら誰も来ないしさ、ゆっくり話せると思ってね」

その言葉につられて、ぼくたちは並んで腰掛けた。


「それで、何か用事でもあるの?」

「うん、あるんだけどさ…………」

「じゃあ早く言ってよ」

「えーと、だからね…………」

その子はそこで言葉を詰まらせてうつむいてしまった。


「どうしたの?」

「やっぱり言えない!」

そう言うなり、その子はその場から駆け出してしまった。

わけがわからず、ぼくはその場に取り残されたまま、ただ呆然としていた。


教室に入ると、みんなが一斉にこちらを見た。

なんだか落ち着かない様子で、ひそひそと話し合っている。

「ねえ、なんだと思う?」

「さあ…………」

「まさか告白とかじゃないよね?」

「それはないと思うよ。だって相手は○○○だし」

「だよねぇ…………」

ちらりと見ると、例の子の姿があった。

いったいなんのことだろうと不思議に思いつつ席に着くと、今度は別の子が話しかけてきた。

「ねえ、きみってさ…………」

「えっ?」

「ううん、なんでもないや。ごめん」

それだけ言い残して、自分の席に戻ってしまった。

結局、最後までその繰り返しだった。

授業中になっても、みんなの様子がおかしいままだった。


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