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ひなぎく  作者: くらむ
5/22

5 スペシャル・クイズ・ショウと<マクガフィン>


      1


 さあさあ今週もやってまいりました!

 スペシャル・クイズ・ショウのお時間です!


 では早速問題です! 

 ジャジャン♪

 前章の中で、「ウィリアム・バトラー・イエーツ」という名前は何度出てきたでしょう?

 正解者には、この、「ひなぎちゃんのヌード写真」をプレゼントしちゃいます!

 うっふ~ん♡

 あっは~ん♡ 

 

 ……ほんとにその答えでいいんですね?



 ……ほんとのほんとに?

 

 ……最終的なアンサー? 


          

      2


「なんだろう、急に悪寒が……」 

 とひなぎが身震いをしだした。

「あー、今日は風が強いしねー」

 とぼく。

「そ、そうなのかなあ?」


「それで、お願いっていうのはね……」

 と言うひなぎに、

「ちょっと待って!」

 とぼくは手のひらを向けた。

「どうしたの?」

「だって、立ち話もなんだしさ」

「あっ、そうよね。どっかで、冷たいものでも飲みたいな……って、その場で座ってどうする!?」

 ぼくはまたひなぎにポカリと叩かれた。


 そうしてぼくは、無理やりひなぎに引きずられていくのだった。

「まったくもう! さっさと行くわよ!」

 引きずられていきながらぼくは思った。

 やっぱり……この歩道橋は呪われている。

 もう二度とここは通らないぞ!

 あれっ、昨日も同じことを思ったんだっけ。

 だけど今度は、ほんとのほんとに、もう二度とこの歩道橋は通らないぞ。


 ……ほんとのほんとに?  


 ……最終的なアンサー?


「?」

 ひなぎと歩いていたぼくは一瞬立ち止まって、あたりを見回した。

「どうしたの、耕作くん」

「ひなぎ、今、なんか変な声が聞こえなかったか?」

「いや、ぜんぜん」

「じゃ、気のせいか」

 少し考えてから、ひなぎは言った。

「それが、気のせいじゃないのよ」

「どういうこと?」

「それをこれから話すわ……あっ、あのお店よさそう。〈マクガフィン〉?」

 とひなぎが指をさした。

「〈マクガフィン〉か。最近この町にできた、ハンバーガー・チェーン店だよ」

「ずるい! わたしの世界ではできてないのに!」

 ぼくは一瞬ひなぎの言葉が聞き取れないような異様な気がした。

「え? 世界?」

「それをこれから話すわ」

 とひなぎは言った。


 〈マクガフィン〉店内は子供が多くて騒がしかった。

「ママ! 見て見て! あのお姉さん変なの! ゲタを履いてるよ~! この令和の時代に!」

「しっ! 見ちゃダメよ!」

 

「わあーい!」

「美味しそう!」

 ぼくたちは、テーブルの上に並べられたチーズ・バーガーのセットに舌鼓を打つのに夢中で、しばらくここに来ていた目的を忘れてしまっていた。

「いうま~!」

 と、ひなぎがなぜか「うまい」を並べ替えて言い、にこりと笑った。

 ほんとに美味しそうに食べるな。

 そうか、そういえば今日、ハンバーグが好きだって、クラスメイトの質問に答えていたっけ……。

 と。 

 その時。

 ぼくはふと、一人の女の子のシルエットが、自動ドアの前に現れたのを見た。

 その影は、やがてドアが開くと、〈マクガフィン〉店内に足を踏み入れる。

「いらっしゃいませ~」

 と店員。

「いらっしゃいましたよ~」

 とその女の子の影。

 あ、あいつは!?

 そこでぼくが目にしたものとは、一体!?

 

  To Be Continued


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