5 スペシャル・クイズ・ショウと<マクガフィン>
1
さあさあ今週もやってまいりました!
スペシャル・クイズ・ショウのお時間です!
では早速問題です!
ジャジャン♪
前章の中で、「ウィリアム・バトラー・イエーツ」という名前は何度出てきたでしょう?
正解者には、この、「ひなぎちゃんのヌード写真」をプレゼントしちゃいます!
うっふ~ん♡
あっは~ん♡
……ほんとにその答えでいいんですね?
……ほんとのほんとに?
……最終的なアンサー?
2
「なんだろう、急に悪寒が……」
とひなぎが身震いをしだした。
「あー、今日は風が強いしねー」
とぼく。
「そ、そうなのかなあ?」
「それで、お願いっていうのはね……」
と言うひなぎに、
「ちょっと待って!」
とぼくは手のひらを向けた。
「どうしたの?」
「だって、立ち話もなんだしさ」
「あっ、そうよね。どっかで、冷たいものでも飲みたいな……って、その場で座ってどうする!?」
ぼくはまたひなぎにポカリと叩かれた。
そうしてぼくは、無理やりひなぎに引きずられていくのだった。
「まったくもう! さっさと行くわよ!」
引きずられていきながらぼくは思った。
やっぱり……この歩道橋は呪われている。
もう二度とここは通らないぞ!
あれっ、昨日も同じことを思ったんだっけ。
だけど今度は、ほんとのほんとに、もう二度とこの歩道橋は通らないぞ。
……ほんとのほんとに?
……最終的なアンサー?
「?」
ひなぎと歩いていたぼくは一瞬立ち止まって、あたりを見回した。
「どうしたの、耕作くん」
「ひなぎ、今、なんか変な声が聞こえなかったか?」
「いや、ぜんぜん」
「じゃ、気のせいか」
少し考えてから、ひなぎは言った。
「それが、気のせいじゃないのよ」
「どういうこと?」
「それをこれから話すわ……あっ、あのお店よさそう。〈マクガフィン〉?」
とひなぎが指をさした。
「〈マクガフィン〉か。最近この町にできた、ハンバーガー・チェーン店だよ」
「ずるい! わたしの世界ではできてないのに!」
ぼくは一瞬ひなぎの言葉が聞き取れないような異様な気がした。
「え? 世界?」
「それをこれから話すわ」
とひなぎは言った。
〈マクガフィン〉店内は子供が多くて騒がしかった。
「ママ! 見て見て! あのお姉さん変なの! ゲタを履いてるよ~! この令和の時代に!」
「しっ! 見ちゃダメよ!」
「わあーい!」
「美味しそう!」
ぼくたちは、テーブルの上に並べられたチーズ・バーガーのセットに舌鼓を打つのに夢中で、しばらくここに来ていた目的を忘れてしまっていた。
「いうま~!」
と、ひなぎがなぜか「うまい」を並べ替えて言い、にこりと笑った。
ほんとに美味しそうに食べるな。
そうか、そういえば今日、ハンバーグが好きだって、クラスメイトの質問に答えていたっけ……。
と。
その時。
ぼくはふと、一人の女の子のシルエットが、自動ドアの前に現れたのを見た。
その影は、やがてドアが開くと、〈マクガフィン〉店内に足を踏み入れる。
「いらっしゃいませ~」
と店員。
「いらっしゃいましたよ~」
とその女の子の影。
あ、あいつは!?
そこでぼくが目にしたものとは、一体!?
To Be Continued