夢の友達
君はさ、自分自身のことどう思ってる?
……え?どういう意味かって?
うーんと、つまりさ、君は自分が好き?嫌い?
……そっかー、普通かー……ん?何でこんなこと聞いたのかって?
あはは、それはね。
「私は自分が嫌いだから」
夢を見た。不思議な夢を。
僕は彼女にあったこともないし、見たこともない。
なのに夢に現れる。
毎晩夢に現れて、同じことを繰り返す。
君は誰なんだろう?
やあ、またあったね。
また一つ、聞きたいことがあるんだ。
君はさ……
……、………
……えっと、……
………君は、私のこと、好き……?
………え?あ、そっか。
よく、わからないか。そりゃ、そうだよね。
……え、私のことを聞かせて欲しい?
え、と………
………
……そんな、面白い話じゃないよ?
………え?別いいって?何でもいいから私の話を聞かせて欲しい?
……そっか、うん。
うん、わかった。
私の話、聞いてくれる?
……あ、でももう時間だ。ごめん、また明日、話そうね。
「明日になれば、それで」
夢を見た。不思議な夢を。
僕は彼女にあったこともないし、見たこともない。
なのに夢に現れる。
毎晩夢に現れて、今日違うことをした。
君は誰なんだろう?
やあ、またあったね。
今日は私のことを話そうか。
……えーと、なにを話せばいいのかな?
うーんと、とりあえず思い付いたことから。
私は高校二年生、頭は……そこまでよくはなかったかな。
私が学校で好きな場所は屋上。ここから夕日をみるのが好きだったんだー。
……え?何で過去形なのかって?
…………私さ、友達いなかったんだ。
皆私のこと見下して、苦しんでいる姿を見て嘲笑って、楽しそうに。
家族も私のこと見下して、苦しんでいる姿を見て嘲笑って、楽しそうに。
……私は苦しかった、このままでいるのが辛かった。
だから、ね。
友達をつくることにしたの。
私の話をずっと聞いてくれる人。
でも私の周りにはそんな人いなかったから。だから、
夢の中で探すことにしたの。
探して探して探して、やっと見つけた。
君を。
……あれ?どうしてそんなに青ざめてるの?
君が言ったんだよ?
私の話を聞きたいって。
大丈夫だよ?君は私の話をずっと聞ける。
ずっとずっとずっとずっとずっとずっと、
私と一緒に。
「じゃあ、話そうか」
「ずっと、ね」