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栄光の陸上艦隊  作者: 石間なると
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第二話『空前絶後!シベリア横断大列車作戦』

[ 7 January 1944 Siberia ]

main characters

西住竹一

金成龍

スターリン

日本領満洲北部、極寒の凍土を力強く進む黒い影はシベリア鉄道に導入された新型ディーゼル機関車である。この新型車両を運行しているのは主に東ヨーロッパから追い出されたスラヴ人だ。満鉄本社が直々に高賃金で雇っている。「せいぜいゆっくりしていくんだべ。エカテリンブルク迄の長旅だ。」名も無きスラヴ人運転士が言う。「そうするよ。正月を捧げてまでの長旅だからな。暇で仕方ないよ。」ロシア語にも堪能な陸上艦隊副司令西住竹一は軽く返事をする。この150両編成の大蛇-古代ゲルマン神話の巨獣ヨルムンガンドを彷彿とさせる-はエカテリンブルクに到着し次第直ちにドイツの狭軌規格の車両に戦車150両を載せ替えする予定である。この戦車150両は陸上艦隊機動部隊を構成しており、パリに肉薄しつつある米英連合軍を迎え撃ち超重戦車の到着まで時間を稼ぐのだ。

しかし皆の予想とは裏腹に、バイカル湖付近で車両は停止してしまう。「運転手、どうした。時間は少ない。」西住は冷静に運転士を急かす。「それが、線路の上に兵隊さんがいるんだべ。轢く訳にはいかないんだべ。」


今は亡きソ連軍の制服に身を包み、拳銃を構え不動の姿勢で直立しているのは若年の男だ。「我は大韓義軍参謀中将、金成龍である。動けば殺す。」西住司令は動揺する。金成龍、彼はハルビンで満洲長官溥儀の暗殺未遂事故を起こし、ベルリンでヒンケル、ミラノでナパロニを暗殺しかけた国際派テロリストである。そんな彼が何故ここにいるのか。冷静に考える時間は無い。「構わん、轢き殺せ。」西住司令は冷酷な命令を下す。機動部隊には迅速な判断力、行動力が不可欠だ。ディーゼルエンジンの唸りが掛かった瞬間、金は叫ぶ「我を轢き殺しても無駄だ。ソ連軍が監視している。」


ディーゼル車の音ではない機関音が辺り一面に轟く。広大な森林をなぎ倒して現れたのは1000t戦車-30センチ砲二門搭載の多砲塔戦車-である。「大きい...大きすぎる...百式より巨大だ!」西住は思わず叫ぶ。砲塔上の巨大拡声器から発する声が凍てついた大地に響く「久しぶりだな日本猿供!私はソビエト社会主義共和国連邦書記長、スターリンである!」


☆1000t戦車

実際にソ連で1931年に計画された、究極の多砲塔超重戦車である。その巨体はさながら陸上戦艦である。

武装:30.4センチ砲、二門

152ミリ砲、四門

76.2ミリ砲四門

時速:60キロメートル


次回予告:第三話『風林火山!鋼鉄戦線を突破せよ』

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