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栄光の陸上艦隊  作者: 石間なると
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第一話『決戦万里!赤旗は重慶に散る』

[ 3 December 1943 Chongqing ]

main characters

スターリン=ジュガシヴィリ

トロツキー

張中正

劉沢東

島村豊作



…―――「我々も落ちぶれたものだな。」

ソ連亡命政府-モスクワ防衛戦の最中政権を赤軍講話派のクーデターによって奪われた党中央委員会構成メンバーが命からがら逃げだし中華民国重慶に立ち上げた政権-その長であるスターリン=ジュガシヴィリが呟く。

「同志スターリン、貴方が招いた災厄ですぞ。」

副主席トロツキーが言い放つ。

「今までのヒンケルの対ソ政策、特に我々スラヴ民族に対する敵愾心ははっきりわかっていただろうに...この有様だ...独ソ同盟が不可能なことは明白だった。よりにもよって中国人野郎の庇護を拝することになろうとは誰一人知り得なかったぞ。まあ、国民党軍が我々に軍事指導を乞いてきたことが唯一の救いかな。暫くはここに留まれる。」

スターリンは反駁する

「私を否定するのかね、同志トロツキー。私が居なかったら既にない命だ。それとも世界革命の夢に耽りメキシコで野垂れ死にたかったのかな?」

「ここまで来ても内部抗争ですか。」トロツキーは言漏らす

その刹那、轟音が響き地下司令部は激しく振動した。一体何事か?重慶に到着して間もない二人は戸惑う

「日本本土からの大爆撃編隊だろう。一昨日に増して騒がしい音だ。」こう云って現れたのは中華民国大総統、張中正だ。「近頃の日本は空軍を創設し、指揮系統も一変させたらしい。おまけに航空艦隊なる組織を設けたそうだ。」

「その航空艦隊なるものが現在この重慶を爆撃しているのだ。我々の航空機では歯が立たない。国共合作の名が泣くな。」中華民国副総統、劉沢東は言う。

砲火はますます激しくなる。


「20センチ炸裂徹甲弾、撃てっ!」

重巡顔負けの連装砲塔を搭載した超重戦車-移動要塞と呼ぶのが相応しいかもしれない-が8両、単横陣で一斉砲撃を開始する。重慶の臨時政府庁舎のみならず、要所に分散配置してあった虎の子第200師団のT26戦車やBT戦車-ソ連政府要人亡命の見返りとして受け取った-も圧倒的火力により為す術もなく撃破されていった。「艦砲さんだけに楽しませないぜ!」十分な火力支援を受けた中戦車、軽戦車部隊が市街地へ殺到する。戦いは一方的であった。航空艦隊の砲爆撃に続く自走砲と陸上艦隊の砲撃、そして戦車部隊の突撃により、敵陣地は鋤き返された。

「撃ち方、止め!」陸上艦隊旗艦百式重砲戦車「あそ」車長兼陸上艦隊総司令、島村豊作は号令をかける。直ちに中華共和国政府主席である王兆銘が重慶に入城し中国統一を宣言した。スターリンとトロツキーは行方不明、同日には張中正、劉沢東の戦死が確認された。


☆百式重砲戦車☆

四菱重工業が開発した超巨大戦車。ノモンハン戦後に試作した大型イ号車を拡大発展させた設計だと専門家から分析されているが、真相は定かではない。

車体前面装甲:150ミリ

砲塔前面装甲:200ミリ

武装:五十口径三年式二〇糎砲、二門

   九九式二〇粍機銃、二挺

   九七式車載重機関銃、二丁


次回予告:第二話『空前絶後!シベリア横断大列車作戦』

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