表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショート過ぎるショート

淡恋慕

作者: 歩共あるま

あの日、君を一目見たときから僕の中には君がいっぱいだった。


あの日は確か雨の日だった。古びた神社だから、まさか誰かがここに来るとは思っていなくて驚いたことを覚えてる。突然の雨だったんだよね。


あ、そうそう、友達と喧嘩したときだって来てたよね。友達の消しゴムを君がなくしちゃったんだよね。でも僕は知ってるんだ。その消しゴムに友達の悪口が書いてあった。君はそれを見つけて、友達にはなくしたことにしたんだよね。優しい君の事だから、本当の事を教えたら友達が傷つくことだって考えてあげられたんだ。


後は、受験に合格した時。本当に嬉しそうに笑ってて、今でもそのときの事覚えてる。嬉しそうに僕に合格通知を見せてくれたよね。僕も嬉しかったなぁ。皆にそんなレベルの高いところ無理だって言われて、悔しくてたまらなかったんだよね。あの日から寝る間も惜しんで頑張っていたことを僕は知ってるよ。


時間がたつのはあっという間だなってよく思うんだ。おじいちゃんみたいって君は笑うのかな?ふふ、でもそれでもいいんだ。君が笑ってくれるなら。


ねぇ、君には僕は見えてるのかな?


僕にはとても綺麗に見える。これ以上にないってくらいに。その白無垢、本当によく似合っているよ。


いつでもおいで。僕はここでずっと待っているから。毎年綺麗に咲いて見せるから。


君なら大丈夫。


幸せになれ。


幸せになれ。


どうか幸せになって。


大丈夫。


いってらっしゃい、僕の大切な人。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 会話のないショートもやっぱり面白いです! 内容だけではなく文章の構成で面白いと思うので流石です。 誰視点のお話だったのかわからなかったので、教えていただけると嬉しいです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ