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明治日本と大英帝国の共闘 〜異世界に何を思うか〜  作者: しまー
一章 異世界にて
16/27

激震走ル

日英が異世界に転移してから数か月、パントール共和国と国交を結んでから数ヶ月後に事は起きた



ゴトワナがパントールに侵攻を開始したのである




時を少し戻して三日前


ゴドワナ国 王城ヤーヌス



「皆のものよ!喜ぶがよい。あの忌々しきパントールをわが版図に加える時が来たぞ!そして半年前に我が国ゴドワナに対し愚かな行為をした英国とやらも征伐する。オマケだがパントールの友好国とやらのニホンも制圧する」


声を張り上げながら臣下たちに伝えているのはゴドワナ国大王ゴトニアスⅨ世である。列強国からの屈辱的なまでの要求を飲み軍拡を成し遂げオセニオ大陸統一を可能にする戦力となった




ゴドニアスⅨ世はこの戦争が終われば今までのお返しとして戦力を率いて列強国に乗り込んでやろうかと考えた。列強国といえど本土上陸は免れない程の兵力である。しかし、ゴドニアスⅨ世はそのように考えていたが列強に攻め入るには時期尚早と考え邪念を捨てた




時を戻して現在、パントール共和国では議会でゴドワナによる侵攻の対応について話し合われていた



パントール共和国 議会 議場



パントール共和国は国防委員会を結成してゴドワナに対する防衛作戦をすでに実行に移していたがゴドワナの軍拡により被害が拡大してしまった



「国防卿!今こそ、日本と大英帝国に救援を呼ぶべきです」


「そうですぞ!国防卿、急がなければ西部の最大都市マレクリーナが墜とされますぞ!」


「それはわかっておる!しかし、安易に他国の軍を呼び込むのも看過できない」



国防卿の言っていることは正しい。下手に他国の軍隊を呼び込めば自国は自国で守れないと喧伝しているようなものだからだ



議論を重ねられてる途中に議場の扉が大きな音を立て開かれる。そこにいるのは大日本帝国について報告をした報告手である。議員らは報告手を見て最悪を想定する



「何事か!」


「まさかマレクリーナが墜とされなのか?」


「伝令!何があった?報告せよ」


息を切らしながら報告手は議員らに報告を始める。少し青ざめた表情をしている



「ゴ、ゴトワナが・・・」


「ゴドワナがどうしたって?」


「あの大日本帝国と大英帝国に宣戦布告を行いましたッ!」



その報告を受けた議員らの思考は止まった。そして驚きと嬉々とした表情を見せている


「まさか我が国だけではなくゴドワナがあの二カ国に宣戦布告したとは」


「我々も負けぬようにするぞ!」


議員らは意気揚々と話している。報告手は報告を続ける


「大日本帝国と大英帝国から我が国の港の使用と真水の供給を求めてきました」


「国防卿!」


議員らは国防卿に目を向ける。国防卿はそれを察して


「うむ、二カ国に許可すると伝えてくれ」




別の報告手が議場に駆け込んでくる


「た、大変です!」


「今度はどうした⁈」


「防空隊が甚大な被害を受け英国大使館と日本大使館が襲われました!」


「なんだと!」


「しかし、幸いなことに両国の大使館の人間は無事でした」


議員らはホッとする。もしも、大使館の人間が怪我一つおっていればその国に責任があるからだ










パントール共和国から大使館襲撃事件を日英両国に知らされた。その情報は公開され新聞が報じたことにより世論が沸騰したのであった


大日本帝国 帝都東京


民衆は日比谷公園に集まり「ゴドワナを懲罰すべし」「ゴドワナをぶっ潰せ」と声をあげ政府に訴えるデモを行っていた



帝国議会 衆議院


現在、帝国議会では山本権兵衛総理大臣がこの大使館襲撃事件に対しての対応が迫られている


「山本総理!これは以前、朝鮮であった大使館襲撃事件と同じ案件ですぞ!」


「分かっております。陸海軍共々、出撃を行えるように先ほど侍従長を通じ陛下に上奏いたしました」


「オオッ」


複数人の議員は感嘆の声を上げる



「では大命は下るのですね」


「はい、間違いありません」



この襲撃事件に対し即座に対応を行い陸海軍の出撃が決定された。ついでに女神よりもたらされた兵器群の実験も行われることとなった


日本が対応を議論していた同じ頃、大英帝国も対応について話し合われていた







大英帝国 帝都ロンドン 貴族院議事堂


ロンドンでもかなり議論が沸騰していた。各社新聞社は即座に征服すべしという論調であり民衆はゴドワナを潰すべしと一丸となって政府に訴えかけている。同じ頃の日本と同じ状況である

一方、議会では例のウィルソン男爵は唾を飛ばしながら議員らに訴えかける


「我が国大英帝国の大使館襲撃されたとなっては徹底的に蛮族国家を叩くべきです」


そうだそうだとヤジが飛びざわざわと騒がしくなっている。それに対しウィンストン伯は冷静に反論する


「それに関しては同意します。しかしですな、叩きすぎて現地民を減らし過ぎては植民地化した後の働き手が少なくなってしまうでしょう。叩くところは叩いてうまい具合に降伏させるのが1番かと思われますが」


「それだけでは、この偉大なる大英帝国の名に傷がついたままとなるではありませんか!あくまで徹底的に叩くべきです‼︎」



ウィンストン伯は現実目線に立って単に叩くだけではなくその後の展開まで考え戦うべしと考えていた。現実主義者である多数の議員はウィンストン伯と同じ考えをしていた。強硬派と現実主義派との議論は2時間に及び採決がとられた。採決の結果、大英帝国の軍の派遣が決まった



しかし、大英帝国の現状としては戦艦や巡洋艦などの主力艦は領海保持のため一隻たりとも動かせることができない。そこで白羽の矢を立ったのが半年前に改装した戦列艦であった。旧式のため幾ら損害を出そうとも海軍戦力の減少にならないためであった





日英が軍の派遣を決定してから数日後、ゴドワナにも動きがあった


ゴドワナ国 ゴドアリア港


幾千の水兵が整列し数千隻の軍船に乗り込んでいる。その整然とした様子を見てゴドワナ水軍提督ガランは喜びに打ち震えていた。憎きパントールを制圧でき噂のニホンとやらも制圧し鉄甲艦を接収できるからだ。鉄甲艦さえあればこの東洋文明外地域をゴドワナの版図に収めることができるからだ


「ガラン提督!兵の乗り込み完了しました!」


若い部下はガランに報告を行う


「うむ、そうであるか」


部下からの報告を受け自らも旗艦であるガレオン船ルイス号に乗り込む。ガランの後にゴドワナを支援している列強国の観戦武官が乗り込む



彼は個人的にこの戦いに興味があった。これだけの数の軍船が海戦を行えばどうなるのかといったものだ




旗艦ルイス号


「提督、決戦はサースン沖ですね」


「ああ、そうである。サースン沖を制するものはこの東洋文明外地域を制すると言われているからな」


ゴドワナ水軍の艦隊はサースン沖を目指し魔石風神の息吹を使い人工的に風を起こし航行し始めた







この様子を見てとある人物が動いた。それはゴドワナに侵入させておいた日英の工作員である。工作員により数百近くの軍船が各地から出港したことを報告された。日英両国はこれを撃滅せんと艦隊の派遣が決まりサースン沖に急行させたのであった








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