閑話 とある研究員の憂鬱
時を戻して1899年
大日本帝国 東京帝国大学 とある一室
ここではとある物の基礎理論を解析していた
「ダァー!なんだよこれ 意味がわかんないよ‼︎」
頭を掻き毟りながら叫ぶ研究員
「先輩、落ち着いてくださいよ。ぼくだってわからないんですから」
「俺より先にオメーがわかってたまるかよ」
「はいはい、わかりましたわかりました。作業続けてください」
「ハァ」
2、3年前に国防大臣が持ってきた謎の設計図と論文を渡してきた。俺はそれを見たとき飛行機械なんぞ不可能だと思っていた。だが、海軍と陸軍は飛行機械を数年前にすでに飛ばしたと噂では聞いた
だが、国防大臣の持ってきた設計図は海軍さんと陸軍さんの飛行機械と全く違う形でかなり異質なものだ
こんなモノが飛ぶとはいささか思えない
まぁとにかくやるしかねぇか
2年後 北海道 とある山奥
「やっとさブツが出来たらよぉ、今度は国防軍の開発部に蝦夷に連れて来られるとは」
「いいじゃないですか。特殊推進器の試作品も完成したんですから」
「うるしぇー!」
研究員の叫びが自然豊かな北の大地にこだまする
ここでは女神からもらった設計図を元に作られた兵器類が試験されている。かなりの警備体制が敷かれているので工作員やスパイなんてものは入れない。ある意味ここはさながら大日本帝国版エリア51とも言える
今日ここでは女神がもたらした兵器類で『とある戦闘機』の推進機の実験が行われていた
実験棟
「おお!完成させてくれたかね」
「!」
「や、山縣閣下!」
研究員二人は驚いていた。明治維新から優れた功績を挙げ元勲となった英雄山縣有朋が話しかけてきたからだ
「そう硬くなりなさんな。ワシ程度で驚いておったら体が持たんぞ」
「山縣閣下程度?」
「それは一体どういう?」
研究員は頭を悩ます。英雄である山縣有朋がワシ程度と言ったことだ。つまり、将軍閣下以上の存在が来ていると言っているということだ
スタスタと近衛兵と一緒についてきた御仁が来た
「!」
二人の研究員は目を見開き驚いた。そのお方は驚いたことに明治天皇その人だったからだ
「へ、陛下!」
「なぜこのような場所に⁉︎」
明治天皇は微笑みながら二人の研究員に話しかける
「其方らよ、実に大儀であった。この皇国の発展の為尽くしてくれたこと感謝する」
二人の研究員は喜びに満ちた
山縣は明治天皇に声をかける
「陛下、そろそろ実験開始のお時間ですのであちらへ」
「そうか。では行こうか」
明治天皇と山縣は用意された席に行った
「なぁ、オメーこんなことあり得るのか?」
「先輩ッ」
二人は喜びに満ち俄然やる気が湧いた
「山縣よ」
「陛下 いかがされました?」
「準備は滞りなく進んでおるから安心した」
「何よりです。陛下、あと少しで時間ですのであちらをご覧ください」
「うむ」
「では始めます!」
そう言い特殊推進器の点火をした
フィイイイーーーンと音を上げ出力を上げていく推進器。さらに出力を上げゴーゴーと大きな音を立ていく
「実験 成功しました!」
これにより『とある戦闘機』の開発が進み少しづつだが作られるようになっていった




