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親子の家にて3



 異世界から来たこと。

 言葉がわからないこと。

 ここから帰る場所も行くところもないこと。


 非現実のような事実を、途中で嗚咽を含ませながらもなんとか話した後、ルークスは困った顔をして頭を整理をすると言って出て行った、疑うこともあったけれど話終えた後は疑問を口にすることはなかった。


 長く感じられる時間を何もできずに過ごしていると表情が幾分が落ち着いたルークスが戻ってお風呂に入るように促した。

 お世話になりすぎるのも辛かったから断ったけど、どちらも折れる気配がなくて最終的にこちらが折れた。



・・・


 それで今、お風呂場にいます。



「広いね」


 お湯が張ったそれはいつも使ってたタライじゃなくてバスタブという名前の湯船。一人が余裕で体全体を伸ばせるぐらい、いやそれよりも広く、感動を隠せなかった。

「なんか勿体無いよね……」

 そう言う咲良の身は言葉通り身体を強ばせてるみたいだった。湯船に浸かる前にリリアスさんが身体と髪を丁寧に洗って。出ていく際にゆっくりしていってねとは言ってくれたものやっぱり遠慮が勝りゆっくりできない。

 私も申し訳なさで強ばってたけれどお湯がくれる温もりとか安心感が次第にそれを和らげてくれた。


「もう食べられてもいいかな」


 広い湯船をもう一回見渡して一見不吉な事を呟く。


「あったよね、迷子になってた子がたどり着いた家の主はすごく優しかったけど。実はひとくいの魔女でしたってお話」

「千幸ちゃんやめて」


 咲良は今まさにそのお話みたいじゃないかと想像したらしく火照ってた顔がさっと青くなる。

 ごめん、と微笑み混じりに謝罪すると仕返しとばかりにお湯をかけられた。急で驚いたけれどある程度落ち着いてきたんだなと思うと嬉しさの方が強かった。


 上から目線で物語ってる気がするけど、まだ私も吹っ切れてないのは事実だけど。



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