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有意義な休暇へ

有意義な休暇へ


わけも分からず追われることになったノーシは、安全の為客として宿屋に入り込み、そして目的達成の報酬を得る為マザーの部屋へと来ていた。

「随分と早いんじゃないかい?」

「時間を掛けたらその分、収入が減るからね」

「それで、仕事はしてきたんだろうね」

一応は信頼をモットウにしている商売だけあって、そう言われれば計画の詳細を話し始めた。

「なるほど、姫君と直接話ができなくとも、外の噂を中で広げれば好奇心旺盛の年頃の姫君は勝手にここに向かうか、よく考えたじゃないかい」

「うまくいってよかったわよ。まぁ、噂が広がっても外に出るまで行かないんじゃないかって思ったけど、幸いお目付け役のはずのローヤルと、ノーリッジが外へ出て行ったの見かけたし、それで姫を止められる存在はいなくなったって確信したからね」

説明を終え、横で伏せているビューイが退屈そうに豪遊を待ちわび、ノーシの袖を引っ張る。

「さ、これで仕事は終わりでしょ。私はここに客として宿泊するから、いる間にはちゃんと払ってよね」

「そうだね。姫君が無事到着して、ホタルを会わせる際に出る収入が入り次第連絡するよ」

はいはーい、と手を上げビューイと共に部屋を後にしようとしたノーシは足を止め、気になったことを思い出した。

「そういえば、ホタルって使い物にならないって言ってなかった?」

だが、なぜかローヤルと一緒にいたホタルからは仕事ができずこの国に馴染んでいない雰囲気は微塵も感じられなかった。

「ああ、あれなら解決したよ。今では【清掃】の中では稼ぎ頭さ」

「ちょっと待ってよ、それならあんな仕事する必要なかったじゃないの!?」

交渉で値切られた挙句、やる必要が無かった仕事に憤慨してマザーに駆け寄ろうとした。当然、それを盾に宿泊費を無料にしてやろうと企んだノーシだったが、肝心な事を忘れていた。

「あ? お前さんはバカかい。そもそもこの仕事はお前さんが私の所有物になったホタルを【ナレッジラウ】に売ろうと企んでいたからこうなったんじゃないかい」

「あ、」

「呆れたよ。忘れてたのかい」

「さーて、久しぶりの休暇ねぇ、じゃ、マザー休暇が終わったらまた商品買ってねぇ」

「待ちな、アタシに喧嘩売っておいて、逃げようなんて――」

マザーが言い終わる前に誰かが部屋の前で【秘書】の二人と話している声が聴こえてきた。

「あ、ほらマザーお客さん。この話はなかった事で」

「ちっ、間の悪い。誰だい、入りな」

「ビューイ、久しぶりの休暇を謳歌するわよー!」

「ガウッ!」

マザーの注意が無くなったことで、ビューイに乗ったノーシは豪遊へと完全に気持ちを切り替えたのだった。

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