episode_7 ショッピングデート 中編
「今後は、って⋯⋯。もう何回言ったと思ってるの?」
西田さんがこれまで見たことないない様子で怒りだした。
西田さんは説教するように言った。
「一昨日言ったじゃない。ただ隣りにいてくれるだけでいいからって。それなのにずっと余計なことばかりして⋯。」
どうやら西田さんは俺のやったことを余計なこと、だと思っているらしい。
そう言われると、俺も黙ってはいられなくなる。
「たしかにさっきのは俺が悪かったかもしれませんけどね、だからといってこれまでの全てが余計ってのは言いすぎじゃないですか?」
「いーや。本当に全部余計だったですぅ。」
「流石にそんなはずはないですよ。俺は俺だって西田さんに喜んでもらいたくってあれこれと考えて⋯」
「喜んでもらいたくってって⋯そんなのウソでしょ。ホントは、本当は⋯」
西田さんは何かを言いたそうだったが、またどこか言うのをためらっているようにも見えた。
「本当は⋯何だっていうんですか、、、?」
俺はそう言って西田さんの頭の上を見た。するとやはり、本音字幕が現れていた。
[佐藤くんは里奈ちゃんたちと裏で繋がって⋯]とかいてあった。
里奈ちゃんって⋯、確か西田さんと仲が悪い”敵”の人だよな⋯。そもそも俺、はその里奈ちゃんっていう人と面識がない。もしかして西田さんは俺が里奈ちゃんさんと裏でなにか一緒にしてるとでも思ってるのか⋯?
違う、そんなことはない。西田さん、勘違いしないでくれよ⋯。
「いや、西田さんそれは違うかr 」
俺が急いで弁解しようとしたが、西田さんは
「、 、 、 もういいから!」
そういってカバンを持つとツカツカと早足でどっかへ行ってしまった。
俺は追いかけたかったが、伸び始めていた醤油ラーメンを放置して追いかけるわけにいかなかった。
西田さん、、、まさかずっと俺のことを敵を見るような目で見ていたなんて⋯。だから一昨日の帰りも変だったのかよ⋯。正直、それが本音だったなら、知りたくなかった⋯
俺は麺が伸び切った醤油ラーメンを食べながら悔しい気持ちに浸った。
しかし、西田さんはなんで俺のことを里奈ちゃんさんって言うやつとグルだって勘違いしたんだ?
まず第一に、俺は西田さん以外の女子と話したことがない。いわゆる一途だ。なのになんで急に俺が里奈ちゃんさんって人とグルだと思ったんだ。
それに、もし俺のことを一昨日から疑ってたなら、どうして西田さんは今日俺をここに連れてこようとしたんだ⋯?疑ってるやつとショッピングする意味がわかんねぇよ⋯。
ったく⋯どうしてこうなるんだよ。きっと最初から俺はリア充に向いてなかったんだ。
やっぱり奇跡なんてないんだな。試練とか神から授かった能力とか、そんなものは無いんだな。どーせちょっと告白されたくらいで俺が浮かれてたのが悪いんですよねーっと。
伸び切ったラーメンを食べ終わったので、今日はもう家に帰るとするか。
俺はラーメンの器を返却口に下げた。ショッピングセンターを出て青葉ケ丘の駅に向かう。
車道側を歩くとか、荷物を持つとか、そういうことを何も考えずに歩くのは久々だ。
なんか、一人ってのも悪くねぇのかもしれねぇな。俺はそう思ってしまった。
青葉ケ丘駅まで戻ってきた。すると改札の前に須田がいた。
須田はどこかあたふたしている様子だった。そして俺を見つけると、慌てた様子で駆け寄ってきた。
「おお、須田じゃん。奇遇だね。」
「お前、今1人なのか…?」
須田は神妙な顔で俺に問いかけた。
『え、そうだけど。』
俺がそういうと、須田は焦ったように俺に言った。
「何やってんだよ、西田さんはどこに行ったんだよ」
「いや、そもそもなんでお前が俺と西田さんが一緒にいたことを知ってるんだよ」
俺は冷静に須田に突っ込んだ。しかし須田は真剣な顔つきだった。
「それはいいから今はブルースプリングカフェに行け!そこに西田さんがいるから。」
俺は西田さんに振り回されて正直もう疲れた。ショッピングセンターに行こうと誘ってきたのは西田さんなのに、急に怒ってどっかにいってしまったのだ。
それなのになんで俺が迎えにいかなければならないのだ。
「えぇ、俺が迎えに行くの?」
「そうだよ。お前彼氏だろ。お前と西田さんが一緒にいないと大変なことになるかもしれないから。」
こんなに焦った表情の須田を見たのは初めてだった。俺はただごとではないのだなと感じた。
「わっ、わかったよ…ところでなんで今西田さんがブルースプリングカフェにいるって知ってるの?」
「それは後で説明するから!とにかく今ははいけ!」
俺は須田の勢いに押されて、西田さんがいるらしいブルースプリングカフェに行くことにした。
須田に説得されたことで西田さんを迎えに行くことに決めたに佐藤航。
果たしてこの後の展開はいかに?
次回へ続く。
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