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学院が変わる日 上級生の視線

説明会が終わった後、ホールに上級生が残った。


俺たち新入三年生は、出口に向かった。

しかし上級生の一団が、出口の近くに立ちはだかっていた。

道を塞いでいるわけではない。しかし、明らかに見ている。


その中の一人が、俺の隣を歩いていたラウルに声をかけた。

「ラウル・ベルネか。蒼穹会に来い。お前の家は財務省と繋がりがある。うちが合う」


ラウルが固まった。

突然のことで、返答ができていない。


別の場所では、紅炎団らしき上級生が剣術の成績上位者を囲んでいた。

「実技でトップだったな。うちに来れば昇格が速い」


勧誘が、既に始まっていた。

説明会が終わった直後から。


俺は足を止めずに歩いた。

どの上級生も、俺には声をかけなかった。

7歳の子供は、一見して戦力に見えない。

それでいい。


エドに声をかけてきた上級生がいた。

紅炎団の紋章を付けた、体格のいい男だ。

「お前は剣の腕があるな。紅炎団に来い」

エドは1秒、その男を見た。

「考える」

それだけ言って歩き続けた。


俺はエドの横に並んだ。

「どうする」

「わからない。まだ」

「焦る必要はない」

「お前には来なかったな」

「子供に見えるんだろう」

エドが小さく鼻を鳴らした。

それがエドなりの笑い方だと、2年間でわかっていた。


ヴィクターには、どの派閥も声をかけなかった。

ヴィクターが歩くと、上級生たちが自然に道を開けた。

フォン・クラーゼンの名は、それだけの圧を持っていた。

ヴィクターは何も言わず、ただ歩いた。

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