第4話 エンジェルズのソフィア
森で出会った小柄な少女は、俺達のことをすっかり断罪者なるわけの分からない者だと思い込んでいるようだ。 そして彼女は、村の長老に(どこのRPGだよっ!)俺達を紹介したいと言い出した。まぁ、そういう件で、今は、森を抜けるためクロンと俺は少女の後を着いて行っている。
「ちょっと、アナタ。ワタシ達を案内するのはいいとして、幾つか質問に答えなさい」
「はい。いいですが・・・」
「まず、アナタの名前は?」
「私は、ソフィアと言います」
「そう。で、ここはマッド・ジョーカーが居る『神監獄』で間違いないのね?」
「はい。そうです」
「そう。次に、断罪者とは何かしら?」
「そうですね・・・掻い摘んで説明すれば、貴方方のように『人の身でありながら、この神監獄に入ってきたもの』ですね」
その言葉を聞いて、軽く「そう」と言ってクロンはだんまりと決め込んだ。だが、俺の退屈が納得するはずもなく、即座にクロンに話題を振った。
「しかし、お前はこの事態に豪く、冷静だな」
「当然じゃない。こんなの想定の範囲内だからよ。まぁ、ゴミのように人間ピラミッドの底辺を、よくも飽きもせずに縦横無尽に這いつくばっている、あっくんには判らないでしょうけど」
「そこで、俺はお前に反論するっ!!」
「まぁ、何時にもなく強気ね。いいわ。あっくんがどんな痛いことを平気に、勝ち誇った主人公のように言っても、20%ぐらいは受け止めてあげるわ」
「むぅ、一々釘を刺されるのは痛いが・・・・・敢えて言わせてもらおうっ!!」
そして、俺は思いの全てを注いで、言葉を発した。
「俺の方が、頭脳的に、お前の、上なのだぁ!!!!」
「・・・・・・・わーすごいわ」
「なんだその、どうでもよさ気な発現は!?」
「だって、つまり『頭のいい人間=有能』いうことでしょ? 人間性からしてアウトな、あっくんにはそれぐらいのチカラが無いと、生きている意味すらないそれこそ、排泄物やゴキブリなんかよりも程度の低い下等生物になったしまうわ」
「俺は、頭だけですかっ?! 良いとこっ?!」
「それ以外に、何かあったかしら?『気さくなとこ』? そんなの見たことないし、『女子にすぐ、いちゃもんつけるとこ』? それは、もはや小さい人間である証を露呈・・・
結論は、『頭も大して良くないから、人間ですらない』で、いいわね」
「俺のアイデンティティ、全面否定?!!」
「あ、ごめんなさい。一つ、訂正があったわ」
「おお! さすが俺の彼女! それは一体どんな良いとこ――――」
「生物のカテゴリに入る事すら、おこがましいわ」
「もうっ!! いやだあああああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
「あのぅ、いいですか?」
「なにかしら、ソフィア?」
「いえ、そろそろ着きますので・・・・」
「判ったわ。ほら、さっさと立ち直りなさい。ごみ」
「もういいよ・・・・」
そんなことに、一々めげてはいけないと思うが・・・・男は、つらいね。色々と。
そんなことを思っているうちに、森を抜けており、辺りには人々の集落を見つけることができた。
「つきました。ここが、私たちエンジェルズの村です」
ソフィアは、笑顔で振り返り、そう言った。
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