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第3話 森で出会った少女

「う・・・・うん・・・・」

 

 今まで、硬く閉ざしていた瞼を、俺は開けた。 そして、そこには俺の理解の外のような出来事が我が物顔で存在していた。それは、目の前に見たこともない木漏れ日が射す、森の中だった。


「な、何なんだっ!! これは!!」


「『何なんだ?』って言われても、それは『はい、これは森の中ですね』としか言いようがないわ。遂に目の前の現象にさえ、異論を唱え始めるとは、社会の役に立たないから、早急に自害願えるかしら」


「この状況で、相も変わらずの毒舌か。てか、魔女を呼び出すんじゃなかったのかっ!」


「ああ、その事なのだけれど。 どうやらワタシは、『マジョをワタシ達の世界に呼び出す魔方陣』を描いたつもりが、実は『ワタシ達がマジョの世界に行く魔方陣』を描いてしまっていたらしいわ。 ちなみに、『魔女』ではなく『マジョ』よ。2,3分前のことすら忘れているなんて、アナタの脳のリセット機能は、コンピュータのように的確で優秀なのね」


「てめぇ・・・自分の失敗を棚に上げやがって・・・・」


「あら、棚になんて上げられないじゃないの。どこにも棚なんてないのだから。それとも、あっくんには麻薬の禁断症状のような視えてはいけない幻覚が視えているのかしら? それはそれで、実に滑稽だわ」


「・・・・・いい加減にしろよ。そろそろ限界点が近いんだからよぉ」


「喧嘩? 売られたのなら買うわよ。いくらで買ってほしい? あっくんのことだから、3銭ぐらいが妥当かしら?」


「もういい、ここでノタバラしてやるっ!!」


 そして、俺はクロンに飛び掛った。 何とでも言ってくれ。『女子に手を上げるなんて最低な男』でも、『変態』とでも。だが、今の俺は・・・・こいつを殴らないと気がすまんっ!!!


 そして、3分後・・・・・


「まだやる気? いくらワタシでも、これ以上はやりようがないのだけれど」


「はい、私めが悪うございました。ですから、私めの背中をこれ以上踏まないで・・・・」


「イヤよ。主人に楯突いた身の程を知ればいいわ」


 とほほ。自分の弱さが身に沁みるぜ・・・・もうイヤだ、こんな仕打ちっ!!



「あ、あのぅ・・・・・」


 

 と、そんなことを思っていると、目の前から声が聞こえた。声の方向に首を向けてみると、身長158CMぐらいの少女が立っている。


「何かしら」


「い、いえ。その・・・・お二人にお聞きしたい事があって・・・・・」


 どうやら、クロンも彼女の存在に気付いているようだ。


「いいわよ。 存分に伺ってしまうがいいわ」


 と、その数秒後、彼女の口からこんな言葉が漏れたのだった。


「お、お二人は・・・・・断罪者ジャッジメントの方々ですかっ!!」


 そして、俺達2人は声を揃えて言うのだった。


『はぁ?!』

いかがでしたか?

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