第2話 魔方陣のなかへと・・・・
俺が、勉強道具を片付け、嫌々な気持ちを溜息と言う形で表わしながら、屋上へと辿り着いた。
そこで、俺が見たものは、クロンが一生懸命に地面に何かを描いている、と言う事だ。
「あら、先に行ってと言っておいたのに、ワタシより後に来るなんて、どれだけのろくさいのかしら? ペンギンでも、もう少しは速いわよ。 これってつまり、アナタは鳥類以下って事ね」
「いやいや、お前が速すぎるだけで――――」
「言い訳なんて聞きたくないわ。 この童貞風情が」
・・・・・なんか、変なことをいわれた気がするが、気にしないでおこう。気が持たないから。 俺は、クロンが書いている何かに近づいた。
「何、描いてるんだ?」
「馬鹿でも分かる、魔方陣と呼ばれるものよ。それが分からないアナタは、馬鹿以下ね。何と呼べばいいかしら?」
「はいはい、もう好きにしてくれ・・・」
そう言って、俺はフェンスに腰掛けて座った。
「で、本当に魔女を呼び出す気なのか?」
「当然よ。でも、よくある一般的なイメージの魔女じゃないわ」
「なんだ、それ?」
「つまり、馬鹿以下のあっくんに分かりやすく、かつ無駄な時間をわざわざ裂いて言えば、『ホウキに跨って空を飛ぶ魔女』ではなく、ここでの魔女と言うのは『神に対して大罪を犯したマッド・ジョーカー』と言う者のこと。ちなみに、馬鹿以下のあっくんでも、間違わないように、ここからは、漢字で『魔女』ではなく、『マジョ』と言う事にするわ。感謝なさい、下等生物」
「その毒舌は、もういいよ」
「そう」
そう言って、クロンは動かしていた手を止め、立ち上がった。
「準備ができたわ。早速、こっちに来てワタシの靴を舐めなさい」
「丁重にお断りします」
「何を言っているの? 変な独り言はやめて頂戴。いいから、来い。」
一回溜息をついて立ち上がり、クロンのいる陣の真ん中へと足を進めた。
「では、手を出してもらえるかしら?」
「え、こう?」
右手をクロンに差し出した。そしてクロンは、その右手をギュッと両手で握り締めてきた。
「あら、あっくんったらそんなに赤くなって、どうしたのかしら? そんなにワタシに触れられてうれしいの? 不潔だわ」
「なぜ、人の行動に対して一々文句をつける?」
「さて、はじめるわよ」
相も変わらず、人の話は無視ですか、この野郎。
何てことを思っているうちに、地面の魔方陣が光りだした。そして――――
「あっくん。ワタシが一声上げたら、この繋いだ手を思いの限り、地面にぶつけてもらえるかしら?」
「ああ、いいけど。なんで、光りだしたんだ?この魔方陣。」
「そんなの、神たるワタシのチカラに決まっているじゃない? それさえも忘れたの?」
「・・・・・・・・・」
敢えてここは、スルーと言うことにしておこう。どうせ成功しないんだし・・・・
「さぁ、いくわよっ!『レジガンドッ!!』」
その瞬間、俺はクロンに言われた通り、地面に2人の手をぶつけた。しかし、地面は本来の硬さではなくなっており、そのまま、魔方陣の中へと飲み込まれていった・・・・・・
いかがでしたか?
こんな感じで進めていこうかと思いますので、感想等よろしくお願いします。




