第11話 ワタシの中の私
「う・・・・・うん・・・・・」
気が付くと、ワタシは見たことない、真っ暗な空間にポツンッと立っていた。 本当にどこまでも暗く、上に天井があるのか、下に床が在るのかすら、分からない状態でいる。
「まったく・・・また『これ』だなんて・・・・・」
ワタシの言う『これ』とは、この黒い空間の夢のこと。いつもなら、少しの淡い光が見えて、そこに向かって走ってくのだけれど、今回はそんなもの何処にもなく、本当に希望が潰えたみたいな感じになる。
『・・・・・・・・か・・・・・して・・・・』
突然の声に、ハッとして声の主を探しているのけど、当然そんなものなど何処にもなかった。
「な・・・なんなの・・・・」
と嘆息を零している、次の瞬間――――― 何か鎖の様なものに、巻きつけられ身動きが取れなくなった。
「っ!!!!」
どんなに動いても、鎖は離れないどころか、逆に逃がさないように、しっかりと巻き付いてくる。
『無駄だよ・・・・暴れても・・・・・』
その声に反応して、振り向くと、真っ黒の翼を持った少女がワタシの前に現れた。
「誰よ? アンタ」
『私は・・・・あぁ。分からないよ? 名前なんて。もう忘れた』
「では、質問を変えましょう。 どうしてここに居るの?」
『どうして?・・・・それも・・・分からない」
「では、何が分かるの?」
『分かるのは・・・・・私の・・・・遣らなければならない事」
「それは?」
『・・・・お願い。皆を止めて』
「・・・・・何のこと?」
『・・・・本当は、私が・・・遣らないといけないの・・・・けど、私は・・・貴女に磔られている・・・呪いでしかないから・・・・だから・・・お願いっ!! 皆を止めてっ!!!』
切実に訴えている少女は、ただ、それだけを繰り返し、叫び続けた。
「・・・ワタシにどうしろと言うの?」
『分からない。・・・ただ、私は、・・・ゼルレッタとセラフィムの皆を・・・・・』
そう言い残して、少女は闇に消えた。
「結局、何なの?・・・・」
そう呟いても、誰も答えてはくれない。そして、ワタシも、彼女と同じように、この空間から消えてしまった・・・・
いかがでしたか?
今回は、この先の展開のキーポイントを言ってだけなので
分かりにくかったと思いますが、これからは、分かりやすくするので
よろしくお願いします。




