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第09話 報酬の分配

「ズッドーーーーーーーン!!!」


 残った二人のチンピラの間に雷が落ち、直撃は免れたものの思いっきり感電して、気を失う。


 あっ、やっちゃったか……。まいっか。


 ちなみに感電した奴ら、死んでないよね……?


「やっ、やりました! でも……チンピラさん、大丈夫でしょうか……?」


 一応、チンピラさんの状態を確認する。うん、死にかけだね……弱すぎこいつら……。


「全然大丈夫だ! 良くやったな、リーナ!」


「はい! 頑張りましたっ!」


 リーナの笑顔が眩しい!


「(こいつらが死ぬ前に)早く警備隊に引き渡そう!」


 そう言って俺達は、チンピラを町の警備隊に引き渡した。ぶっちゃけこいつらが死んでも良いんだが、リーナがどんな気持ちになるか心配だからな……。


 事情の説明に時間が掛かるかと思ったけど、何か悪名高い冒険者達みたいで、すんなり引き渡せた。ラッキー!



 俺達は食堂に入って、食事をしながら報酬についての相談を始める。


「まずギルドからもらった報酬なんだが」


「アランさん。私は教えてもらってばっかりで、全然役に立っていないので、報酬は無くて大丈夫です!」


 いやいや、リーナならそんなことを言うと思ったよ……。


「リーナ、それは違う。そもそもパーティーとして依頼を受けた時点で、君にも報酬を受け取る権利があるんだ。それに新人の時は自分への投資が大事だ。どんどん稼いで、どんどん使ってくれ!」


 俺はそう言って、まずはギルド報酬の半分、銀貨三枚が入った小袋をリーナに渡す。


「……はい」


「そしてリーナ、一つ伝えておきたいことがあるんだが」


 俺はそう言って、自分のスキル【コンサルティング】の『解決報酬』について説明した。


「アランさんの持ってるアイテムバッグは『解決報酬』で手に入れたものだったんですね?! すごいですっ!」


「確かに、良いスキルではある。それでこの報酬も山分けにしたいと思っているんだが」


 俺がそう言うと、リーナが全力で首を振り、


「いやいやいやいや、それは絶対ダメです! アランさんのものですっ!」


「いやいや、これはリーナがいてくれたから得られた報酬なんだ」


 俺がそう言っても今度はリーナが折れてくれない。


「……分かった。じゃあ、『解決報酬』で得た金やアイテムはパーティーのものとしよう。これ以上は流石に引けないぞ!」


「えぇ……? わっ、分かりましたぁ……」


 俺は金が欲しいのは欲しいんだが、自分だけで独占したいわけじゃないし、投資することに躊躇(ためら)いはない。


 この報酬でパーティーが強化できれば、さらに大金を稼ぐことができるはずだからだ。前のパーティーでもその考えで結構成功したと思う。最終的にはクビになったけど……。


「俺達でどんどん強くなって、さらに金を稼ごうじゃないか!」


「はっ、はい! お金稼ぐの頑張りますっ!」


 あっ、リーナにも同意させちゃった……。 ま、いっか……お金、大事だし……。


「じゃあ、その為にこれからどうするかだな。リーナ、何かアイディアはあるか?」


「そっ、そうですね……。ダンジョンを探索するとか、でしょうか……?」


「……そうだな。確かにパーティーだし、ダンジョン探索ができるか……」


 ダンジョンはパーティーじゃないと流石にリスクが高いから、ここ最近頭から抜けてたけど、アリだな。


 リーナのレベル上げもしておいた方が良いし、モンスターが多いダンジョンは都合が良い。


「よし、じゃあ次はダンジョン探索に行こう。その前に、色々準備が必要だな」


「はい!」


「ちなみにリーナ、サンダーボルト以外の魔法は使えるか?」


「いっ、いえ……。初めて教えてもらったサンダーボルトが使えなかったので、他の魔法は教えてもらってないんです……」


「そうか。生活魔法は俺が一通り使えるから良いとして、リーナは他の魔法を色々覚えておいた方が良いだろう」


「生活魔法を一通り……。分かりました! 魔法ではアランさんに負けられません! 色々な魔法を覚えますっ!」


「よし、その意気だ! ダンジョン探索を始める前に、リーナはその辺りを進めていてくれ。俺は俺で探索の準備を進めておくよ」


「了解です!」


 ビシッと敬礼するリーナ。やる気に満ち溢れていてよろしい。



 同じパーティーなので、俺とリーナは同じ宿を利用することにした。宿代やら食事代やらはパーティーの資金から出す。


 これから数日、ギルドの依頼をこなしながら、合間を見てリーナはギルドで魔法を覚え、俺はダンジョン探索の準備をする予定だ。


 ギルドには、初級の冒険者向けに剣術や魔法の指導をするサービスがある。ギルド報酬から税金が取られてるし、当然っちゃあ当然なんだが、特に魔法使いには良いサービスだ。


 わざわざ魔法使いに弟子入りしたり、魔法学校に行ったりせずに魔法が覚えられるのは大きい。高位の魔法は流石に教えられる人がいないようだが。


 そんなこんなで、もうすぐダンジョンに行ける。宝箱は当たり外れがあって、それはそれで楽しいんだよなぁ、うふふっ。楽しみだ。

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