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第08話 依頼達成を報告したらチンピラに絡まれる

 町に戻ってきたので、早速ギルドに向かう。


 リーナはレッドグリズリーを倒したらレベルが5から10に上がったみたい。俺も一応1上がりました。



 ギルドに入ると、受付のカウンターで左右を行ったり来たりしているオリビアの姿があった。


「リーナちゃん! アランさん! お帰りなさい!!」


 俺達を見つけると、オリビアがダッシュで駆け寄ってくる。今カウンター飛び越えなかった……?



「リーナちゃん、怪我はない?!」


「はい! 大丈夫です! それよりオリビアさん! 私、魔法が使えるようになったんですっ!」


「ほっ、本当?! 凄いわ! 天才だわ!」


「えへへっ、ありがとうございます!」


 仲良いなぁ。オリビアがべた褒めしてる。褒めすぎ感あるけど、天才っていう部分はあながち間違ってない……。


 続けてリーナが自信満々に言う。


「それで……、レッドグリズリーを倒して、レベルも上がったんです!」


「えぇ?! リーナちゃんが?! ……すっ、凄すぎるわっ! 真の天才だわっ!」


「にゃー!」


 何か黒猫も同意してるし。真の天才って、なに……?


「ゴホンッ。オリビア、悪いが依頼達成の報告をしたい。構わないだろうか?」


「すっ、すみません、アランさん。ちょっと興奮してしまいまして。すぐに準備しますね!」


 そう言ってオリビアがカウンターに戻る。楽しそうなとこごめんね。ちなみに、ちょっとどころの興奮じゃなかった気がするけど、驚くのも無理ないよなぁ。



 カウンターに採集品や討伐証明の部位などを並べて報告する。何かギルドの中にある酒場から、ザワザワ声が聞こえる。少し目立ってしまったか。でも無視だ無視。俺はC級依頼の解決報酬が気になって仕方ないんだ!


 査定が終わり、オリビアが依頼報酬をくれる。ちょっと多めに払ってくれてるようで、モンスターの魔石やらも含めて、全部で銀貨六枚だって。飯60食分だ! うんうん、悪くないぞ! そして……


〔依頼達成を確認しました。報酬はこちらです〕


「げぇ?!」


「なっ、なんですか?!」


「どうしたんです、アランさん?!」


「あっ、いや、すまん、何でもないんだ! 報酬が嬉しくてね! はははっ!」


 いやいや、何だこの報酬は?!


+-------------------------


金貨一枚

銀貨二十枚

マジックバッグ1

魔力回復薬1

体力回復薬2


-------------------------+


 きっ、金貨一枚?! あと、マジックバッグきたー! 大きさにもよるけど、最低金貨一枚はするぞ?! いつの間にか手に握ってるけど、突然バッグが現れたらバレちゃうよっ!


「アッ、アランさん、凄い顔してますけど、そんなに嬉しかったですか……?」


 オリビアが僕に聞く。やべっ、キモい顔してたか。いつものキリッとした顔に戻してっと。


「あっ、ああ。C級の報酬は久しぶりで、嬉しくてね。リーナ、報酬を山分けしたいから、これから食事にでも行かないか?」


「はい! 行きましょう!」


 俺はバッグをそっと服の中に隠し、リーナとギルドを出た。



 ギルドを後にし、バッグを服から出して良く見てみる。小さめだけど、やっぱりマジックバッグだ! これで活動の幅が一気に広がるぞっ!


「あれっ、アランさん、そのバッグ、どうしたんですか? さっきまでは持ってなかったような気が……」


「あっ、ああ、後から説明するよ!」


 リーナには俺のスキルを説明しなくちゃな。突然こんなふうにアイテムが出てきたらびっくりさせてしまうし、何よりスキルで得た報酬も山分けするべきだよな。と言うか、リーナのお陰でC級を受けれるようになったわけだし、しっかり分けたい。



 そんなことを考えながら行きつけの食堂に向かう。人気のない道に入ると、突然後ろから声をかけられた。


「おい、お前ら。さっきはずいぶん稼いでたなぁ。二人で使い切れる額じゃあねぇだろ? 先輩にもちょっと恵んでくれよ」


「おっと、こいつ、よく見ると魔族のガキじゃねえか? まだこの町にいやがったのか」


「何だと? そりゃ都合が良い。今度は捕まえてあの商人のとこに連れて行ってみようぜ」


「面白れぇなそれ! そうしようじゃねえか」


 何だこいつら? 勝手に盛り上がってるな。全部で5人か。ギルドからつけられてるのは気づいてた。


 こいつら、ほんとに冒険者か? ただのチンピラじゃん……。



 んっ、リーナが震えてる? そういやさっき、『まだこの町にいやがったとは』とか言ってたな。


「リーナ、こいつらに何かされたのか?」


「はっ、はい。魔族は嫌われているので……町から出て行けって……。それをオリビアさんに助けていただいたんです……」


 ふーん、こいつらぶっ飛ばすの決定です。それで今度はリーナを捕まえようとしてる? どう言うことだ?


「おい、チンピラ。お前らなぜこの子を捕まえようとしている?」


 俺がチンピラどもに質問する。


「チンピラだとぉ?! こいつっ、舐めやがって! まぁいい、調子に乗るのも今のうちだぁ」


「魔族を誘拐したら、やることなんて売り飛ばすぐらいしかねぇだろぉ。魔族をいたぶるのが好きな金持ちの変態がいるらしい。良かったなぁ、薄汚ねぇお前らでも人様の役に立てるかも知れねぇぞ?」


 誘拐って、ゴリゴリ犯罪行為を口にしちゃってんじゃん……。


「お前ぇ、C級冒険者なんだろぅ? 俺達も全員C級冒険者ってことは、この人数でお前に勝ち目がないのは分かるよなぁ。お前の持ってるアイテムとそこのお荷物魔族を置いていけば見逃してやるぞ?」


 はぁ。舐めてるのはどっちだよ。


「黙れチンピラ。もうかかってこい」


 こういう輩はしっかり叩き潰さないと。


「こいつ! 後悔するなよぉ!」


 そう言って一番前にいたチンピラの一人が、曲剣を手にこちらへ向かってくる。後ろからも二人目、三人目が迫っている。


「【回転斬り】!」


 チンピラがスキルを放ってくる。縦に高速で回転して斬りつけてくる技だ。


 俺はその攻撃をしっかりと見極め、横に飛び退いた。そして横から蹴り込むと、チンピラが吹っ飛んで気絶した。


「リーナ、魔法使っても良いぞ。ただ、レッドグリズリーみたいに殺さないようにな!」


 冗談めかして言うと、リーナは少し驚いた顔をしたが、


「はい!」


 と言って、チンピラどもと相対する。どうやら震えは止まったようだ。


 俺は剣を持って向かってくる二番目のチンピラの攻撃を盾で受けて、顔面に右ストレートをお見舞いする。三番目は近寄らせる前に胸を前蹴りして吹っ飛ばし、倒れたところを盾で殴って気絶させた。


 うーん、弱い……。C級なんてこんなもんか……。


 どれ、二度とちょっかいを掛けて来ないように、残った奴らを入念に脅しておくか。そんなことを思っていると、一瞬空が暗くなり、雷鳴が響き渡る。


「ズッドーーーーーーーン!!!」


 あっ、やっちゃったか……。

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