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第04話 隣国に到着

 どれどれ、本当に依頼が受けられてるか見てみよっと。ステータスを頭の中に表示する。


+-------------------------


名前:アラン

Lv:31

HP:160/160

MP:180/180

攻撃:130 + 15

防御:125 + 10

知力:210

素早さ:145

装備:鉄のショートソード、冒険者の服

魔法:生活魔法

スキル:【コンサルティング】

 ・進行中の依頼:<カナディアへ手紙を届ける>


-------------------------+


「よしよし、あるぞ!」


「でも、どんな報酬か受け取るまで分からないのがこのスキルの微妙なとこだよ。まっ簡単な依頼だし、そこまで大した報酬じゃないだろうけど」



 しばらく道を歩くと、前方から何やら気配がする。よく見ると、スケルトンが三体こっちに向かってくる。


「あれ、スケルトンって普通、ダンジョンの中にしかいないはずなんだけど、何でだろ?」


 スケルトンは剣を振りかぶって、三体同時に攻撃を仕掛けてきた。俺はそれをバックステップで避け、ショートソードを抜いて構える。そして動きの遅いこいつらの首を、スパンスパンと刎ね飛ばした。


 流石にD級モンスターのこいつらには負けるわけがない。前のパーティーではメインで戦う機会がなかったけど、パーティーの攻守のバランスを取る立ち回りはしてたし、普通に戦えるのだ。強い相手は多分無理だが……。


 するとスケルトンが来た方向から、今度はデカい図体の化け物が姿を見せる。


「うわ、トロール? いや、でっぷりした腹に灰色の肌、獲物が棍棒と来ればビッグトロールだ! こいつは間違いなくダンジョンの中にいる魔物だぞ。何でいるんだ?」


 D級のパーティーでも苦戦するちょっと危険なモンスターだ。今日はソロだし『最適解』を使っておくか。


 こいつと戦って良いか? 俺は頭の中で【コンサルティング】に問う。


〔それが最適です〕


 よし、俺一人でも勝てる相手か。


「じゃあ、効果がありそうな攻撃は……」


 1.目潰し

 2.急所の首を攻撃

 3.急所の心臓を攻撃


「これでどうかな?」


 俺は頭の中に選択肢を挙げてみる。


〔…〕


「どれも違うってか。んじゃあこれは?」


 4.足を攻撃

 5.背後に回って背中に攻撃


〔四つ目の選択肢が最適です〕


「へー、確かにこのモンスター、上半身はだいぶ硬そうだけど、それを支える足は弱そうだな」


 俺はショートソードを構えて敵に迫る。敵はそれに合わせて巨大な棍棒を振り下ろして来た。1発食らったらアウトだろうが、こんな遅い攻撃は流石に喰らわない。


 横にスッと避けて、ショートソードで敵の太ももを斬りつける。


 「ギャア!」という叫び声をあげ、トロールは体勢を崩した。その隙をついて、もう反対側の足にも強く切りつける。すると敵は立っていることが出来ず、「ドシーン!」と前のめりに倒れた。


「よしよし、次はどうすれば良い?」


 1.急所の首を攻撃

 2.急所の心臓を攻撃

 3.頭部を攻撃


〔一つ目の選択肢が最適です〕


「おっけー」


 早速隙だらけの首元に剣を突き立てる。剣は深々と突き刺さり、トロールは叫び声を上げることもできずに息絶えた。


 ビッグトロールは確か内臓を薬の素材に出来たはずだけど、保存して持ち運べるアイテムもないし、諦めるしかない。


「でも、こいつには魔石があったはず。ゴリゴリゴリ、やっぱりあった! 結構デカいぞ、銀貨一枚ぐらいにはなるだろ。あとは、スケルトンもゴリゴリしてっと」


「小さい魔石三個か。一個につき銅貨十枚ぐらいかな? 銅貨十枚あれば良い飯が食えるし、まぁまぁ儲けたぞ」



 アメリゴを出てから、五時間でやっと隣国カナディアの城下町に到着した。


「はー、やっと着いた。どれ早速冒険者ギルドに行くかぁ」


 通りを歩く人にギルドの場所を聞いて、そっちへ向かう。ギルドの入り口に着くと、少女が一人、ギルドの壁に寄りかかっていた。俯いていて、何だか元気がなさそうだ。


 裾の長いマントを羽織ってフードを被っている。フードの中から見える髪の色は紫だ。それに、どうやら彼女の瞳も透き通った紫色であるらしいのを見ると、魔族だろうな。この大陸じゃあ魔族は差別されがちだし大変そうだ。足元にいる黒猫も、心配そうに主人を見上げてる。


 声を掛けようかと思ったけど、俺の噂が流れてたらどんな顔されるか分からないし怖い。流石にここまではまだ噂が届いていると思えないけど……。



 ギルドに入り、受付嬢に声をかける。


「アメリゴから来た冒険者アランだ。カナディアに手紙を運ぶ依頼を受けた。依頼書と手紙はこれだ。確認を頼む」


「はい、ありがとうございます。確認しますので少々お待ちください」


 数分も経っていないが、確認が終わったようだ。


「確認が取れました。問題ありませんでしたので、こちら報酬になります」


 銅貨五十枚が入った小袋を受け取る。少なっ。分かってはいたけど、これだけじゃ生活できん。宿に一泊するだけでなくなってしまう。


 すると【コンサルティング】の声がした。


〔依頼達成を確認しました。報酬はこちらです〕


+-------------------------


銀貨十枚

鋼のショートソード


-------------------------+



「……はぁ?!」


「ひっ?! なっ、何ですか?! 少ないと言われても、これ以上は渡せませんよ!」


「あっ、いや、違うんだ、報酬に不満を言ったわけではないんだ、すまん」


 受付嬢がホッとした顔をしている。驚かせてしまって申し訳ないけど、俺も死ぬほど驚いた、手の中にある報酬に……。


 銀貨十枚ってなんだ?! ギルド報酬の二十倍じゃないか……。何か貧乏くさいけど、これだけで宿に二十泊できるし、飯なんて百食は食えるぞ!


 それになんか武器もくれた。それほど貴重なものじゃないけど、今の俺の装備よりは良い。いやそれよりも、報酬でアイテム出たの初めてなんだけど……。



 一旦深呼吸してから、先ほど回収した魔石をギルドで引き取ってもらい、ダンジョンで出るはずのモンスターと遭遇したことも伝えた。すぐに調査してくれるらしい。情報料を含めて銀貨二枚もくれた。


 いやいやそれよりもスキルの報酬、何でこんなに貰えるんだ?


 とりあえずギルドを出て、もう宿を取ろう。



 通常料金の宿を選んでひとまず十日分、銀貨五枚を支払う。元々持ってた俺の全財産を合わせると、まだ銀貨十枚程度が手元にある。


 少し整理するか。前にアメリゴで個人から相談を受けてた時は、一番多くても銀貨一枚ぐらいだった。それが、今回のギルドの依頼だと、その十倍になった。


 理由は色々考えられるけど、やっぱり依頼の難易度とか、ギルドみたいな組織から依頼を受けると違うとか、そんな感じなのかなぁ。


 こりゃ考えても分からんだろうな。今日は流石に疲れたし、明日から色々依頼を受けてスキルの効果を試してみよう。

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