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第57話 老いては益々壮んなるべし

また長くなってしまった!!

2000文字くらいで切りたい!!切りたい!!




街の規模にもよるが、1つの街につき、数十体の機械兵、通常の機械兵よりも装備が増え、動きも早い、高機動機械兵が数体。

そしてそれらを統括する人間の、重武装アンビシャス兵が1〜3人という体制で制圧が為されていた。




裏の要人の護衛のみならず、暗殺も行っていたテンガイ一派は、機械兵、そしてアンビシャス兵相手に気取られず暗殺を行い、制圧された街を次々と解放していた。

そういう意味では、この仕事はテンガイ一派にとっては、かなりの得意分野であった。

時折、冒険者や傭兵達が抵抗をしている街もあり、そこではテンガイ達が手助けをし、協力して街を解放することもあった。




テンガイ一派とロッシュ、そして武器化したアルム・ルブラは、大陸内を徘徊している機械兵たちを蹴散らしながら、最後の街を目指して森林を走っていた。




「シャッ!!」




テンガイは機械兵の頭をもぎ取りつつ、胴体や木を足場にし、次々と機械兵を機能停止に追いやる。




「やるではないか!坊主!」




「気のせいか、テンガイ様の動きがいつもよりも早く、それに正確に感じます」




テンガイ一派の1人、リーハが首を傾げる。




「そりゃあよ、雇い主の旦那が一国の主になろうってんだ。永久雇用だぜ?俺こそ違うが、リーハも含めて他の奴らは全員、元々孤児やら奴隷だ。そろそろ闇の世界じゃなくて、大手を振って歩ける世界に行くべきだと思ってな」




「……テンガイ様…」




「坊主……ハハハ、益々気に入ったわ!やはり一派の頭を張るだけの事はあるな!」




「いや、俺は組織の頭張るよりか、誰かに使われる方が性に合ってるって思うぜ」




テンガイは細かな所に気が利く性分なので、依頼人が指示した内容の、細かい所を補完する事が得意でもあり、痒い所に手を届かせる柔軟な動きが可能なのである。

勿論、仲間をここまで育て上げたのもテンガイなので、一派を率いるだけのリーダーシップ、そして育成力も兼ね備えている。

その辺りが、裏の世界で彼らが重宝される理由でもあった。




「さぁ、次の街が見えてきた。次の街は今までのとこに比べてデカいな。気ぃ引き締めていくぞ。爺さんは目立つから、また外で見張りだ」




「おうよ。また手早く頼む。退屈で眠ってしまいそうになる」







街に到着したテンガイ達。

テンガイ達はこれまでの街や村と同じく、入口付近を徘徊する機械兵の頭をもぎ取り、難なく倒していく。

そして中へと侵入し、物陰や建物を利用し、見つかること無く、次々と機械兵を機能停止に追いやっていく。




「テンガイ様、こっちは終わりました」




「こっちもです。やはり何も無い入口よりか、起伏や高低差のある市街地の方がやりやすいですね」




「おう、ご苦労。そこなんだよなぁ。確かに得意なんだが、逆にそれに慣れきってるから平地とか戦いにくいだろ?」




起伏や高低差の無い場所では、地形を活かした戦い方が出来ない。

真正面からの単純な力押しでの戦いは、テンガイ達はあまり得意としていなかった。




「あー……ですです。その場合タイマンじゃ勝てないので、陣形で複数人で攻めないとどうにも……」




「ま、その辺は今後の課題だな。次は広場だ」




広場には例のごとく捕らえられた住人、そして人間のアンビシャス兵、機械兵、高機動機械兵が住人を見張りつつ、周囲を警戒していた。




「よし、俺から行く。ここなら2体一気にいけそうだ。お前らはさっき話した担当の機械兵1人ずつ行け」




人間のアンビシャス兵から1番遠い機械兵からじわりじわりと倒し、最後の数体となった所で、アンビシャス兵ごと、纏めて一気に全員で殺すのが決まりとなっている。




「……シャッ!」




音も無く機械兵の肩に高所から飛び乗り、反応を起こす前に小刀で頭と首を切断。

頭と残骸を静かに置き、まずは一体。




そして、続け様にもう一体……




ババババババババババババババ!!!




「うぉっ!?とっ!とっ!っっとぉっ!?」




二体目の機会兵を処理しようとした途端、どこからか機関銃による連射がテンガイを襲った。

慌てて綺麗な宙返りを連続で決め、なんとか銃弾を避ける。




「ッんだコイツは……!?どっから出てきやがった!?」




宙返りの途中、逆さまとなった視界に、かなりの武装が施された機械兵の姿が見えた。

今まで見た事がないタイプの機械兵である。




「ハハハハ!!!ネズミが潜んでいた様だな!『滅銀機械兵』の存在には気が付かなかったか!」




高機動機械兵よりも、更に重装備の『滅銀機械兵』と呼ばれる機械兵。

それは地上ではなく、建物の高所から広場を見下ろしていたらしい。




「テンガイ様!」




一派の1人が、テンガイが体勢を整える時間を稼ぐ為に、滅銀機械兵へと攻撃を仕掛ける。




<攻撃対象です。>




(早────!)




「ぐぁッ!?」




ドォオンッッ!!




背後から攻撃を仕掛けたが、滅銀機械兵は首を180度回転させ、機関銃の付いた腕を回転、みぞおちにモロに叩き込まれ、教会の壁に吹っ飛ばされた。




「ハハハハ!!!甘い、甘いわ!技術部の変人共が鼻息を荒くするのも分かる!!」




アンビシャス兵は満足そうに高笑いをする。

それほどまでに、滅銀機械兵は自信作なのだろう。




攻撃が通らず、テンガイを含めて仲間たちは次々と周囲の建物へと吹っ飛ばされていく。

追撃に散弾を次々と放つ為、テンガイ一派は何とか避けるのがやっとだった。




(……駄目だ、防御が硬い。刀が回路まで届かねぇ。それにあの武装に刻んである文字……魔法耐性用の術式だ。俺らとは相性が悪すぎるぜ……)




「ッ!テリート!!」




滅銀機械兵が機関銃を向ける先、一派の1人、テリートが瓦礫に足が挟まれ、身動きが取れなくなっていた。

もがけば引き抜けるが、そこまで滅銀機械兵は待ってはくれない。




(滅銀機械兵とテリートまで20m!間に合う!)




<攻撃対象を補足。ファイア。>




バババババババ!!!




ギギギギンッ!




「クッ……!!」




テンガイは滅銀機械兵とテリートの間に割って入り、銃弾を二刀の小刀で弾き落とすが、何発かは被弾してしまった。




「…ッ………早く…逃げろ、テリート……!」




荒い息を立て、仲間に逃げるよう諭すテンガイ。

足元には血溜まりが出来つつあり、かなりのダメージを受けてしまった。




<攻撃対象を補足。>




滅銀機械兵は機関銃をテンガイへと向ける。

しかしこの十数秒の間に、血がかなり流れ出てしまい、意識がハッキリとしない。

避けねばならないのだが、身体が思う様に動かなかった。




「テンガイ様!」




「……来るんじゃ、ねぇ…!逃げろ…!」




あー……痛ェ。




仲間の声が遠く聞こえる。

駄目だ、俺を助けに来たら、お前らまでやられちまう。

俺は、ここで死のうが別に何ともねぇ。

残ったアイツらが、旦那のとこでしっかり稼いで、悪ぃ事もしねーで、暮らせりゃ……それに越したことはねぇ……。







<攻撃対象です。ファイア。>




滅銀機械兵の機関銃が、無情にも放たれる。




バババババババ!!!!!!







しかし、放たれた銃弾が、テンガイを蜂の巣にする事は無かった。

視界に広がる男の背中。

これほどまでに、心から頼れる大きな背中を見た事があっただろうか。




「………じ……爺さん……!」




テンガイの前にはロッシュが立っており、滅銀機械兵の銃弾は全て、アルム・ルブラの大きな鉄腕が防ぎきっていた。




「何やら様子がおかしいと思い、来ちまった。だが……予感は当たったようだな。坊主らはよう頑張った。誰か、坊主の治療をしろ」




「爺さん……駄目だ……そいつは、普通の奴とは、訳が違う……」




テンガイがロッシュの背中へと手を伸ばしかけるが、前に倒れ込みそうになる。

それを慌てて仲間が飛び込み、支える。




「馬鹿なガキ共の次は死に損ないの爺か。余程、兵力が不足していると見た。やはり国はアンビシャスが貰い受け……」




……ゾワッ……







「……舐めるんじゃァねぇぞ……(わっぱ)……」




頑固だが人の良さそうな普段のロッシュからは考えられない、冷たく凍りつくような視線がアンビシャス兵を射貫く。




「…ッ!?」




その『凄み』に一歩たじろぐ。

しかしこちらには滅銀機械兵がいる。

老人の一人、なんの問題にもならない筈だ。




「い、行け!!滅銀機械兵!!あの死に損ないを殺してやれ!!」




命令に従い、滅銀機械兵がロッシュの元へと、機関銃を連射しながら突っ込んでくる。




補足(ロック)……充填(チャージ)




直線、相手を包み込むように、真っ直ぐと魔法の障壁が出来上がる。

これで、滅銀機械兵は前後にしか進めない。

ロッシュの前にも障壁は存在し、銃弾は全て弾かれる。




『最後に使ったのは坊主、お前さんが30そこらの頃か。行けるのか?』




「そいつぁお前が一番分かっとる筈だ。アルム・ルブラよ。………愚問だとな」




『フッ……充填完了。行くぞ、坊主!!』




「ウォォォォォォ!!!!」




アルム・ルブラの鉄腕は黄金色の魔力の奔流を放ちながら、自身の前に存在していた障壁ごと破壊、そして、その鉄腕は滅銀機械兵に真っ直ぐとブチ込まれる。




「『百腕一拳』!!!」




ドゴォォォォォォォォォ………!!!




「『砕』!!!」




ォォォォォォオオオオオオオン!!!!




遅れた衝撃が滅銀機械兵の全身へと伝わる。

黄金色の奔流は身体を内部から破壊し、外側の厚い装甲をいとも容易く破壊してしまった。

そして鉄塊となった滅銀機械兵は、真っ直ぐとブッ飛んでいった。




ゴオオオオオオオオオオ……!!!!!




「なっ!?ま、まさか…!?」




そのまさかである。

凄まじい勢いで破壊された滅銀機械兵は、アンビシャス兵の元へと、空を切りながらブッ飛んで行った。




アンビシャス兵は鉄塊となった滅銀機械兵の残骸と共に、街の中心から真っ直ぐ続く入口までぶっ飛ばされても尚、止まらなかった。

やがて大きな大木に直撃し、それをへし折りやっと止まる事が出来た。







「……老いては益々壮んなるべし。玩具に負ける程、俺の生涯は甘かァねぇ……」




「ハハハ……敵わねぇな……」




仲間たちから治療を受けるテンガイは、初めて目の当たりにしたロッシュの本当の力を目の当たりにし、様々な意味で笑ってしまった。













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