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第19話 それは愛に他ならぬ




〜人類統治地域・リズアニア大陸〜




千年前、人、鬼、魔物、それぞれの種族が支配していた3つの大陸。

その1つ、リズアニア大陸は、純人間や亜人など、人の血を引く者達が今の今まで永らく支配していた。




この世界最大規模の軍隊、聖騎士軍はただの軍隊では無かった。

大陸にはそれぞれ女神の逸話が伝わっており、ここでは『アラガ・ミレンザ』と云われる女神が信仰されていた。




聖騎士軍はアラガ教と併合しており、2つの組織を纏める現在の実質的なトップは、アラガ教の大司祭『リラ・キール』であった。

王家は子宝に恵まれず、世王も高齢の為、影響力が弱まっていた。

この大陸において今、全ての実権を握っているのは大司祭リラである。




リズアニア大陸最大の規模を持つ国、バンデッタ。

王宮、アラガ教の大聖堂、聖騎士軍の本部等、主要な建物はここに集中していた。

余談だが、カンテー爺さんの博物館もそれなりの規模で建っていたりする。

入場料は3歳以下無料、17歳以下500メロ、18歳以上700メロである。

お土産の『君もお宝発掘セット』が子供たちには大人気だ。

某100円均一のお店で売っているようなアレである。







そんなアラガ教の大聖堂裏、リラを含む一部の限られた者しか入れない部屋が存在していた。




「ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…」




「急に部屋に転移して来るんですもの。驚きましたよ。前回の『聖合』から暫く時間が開いていたというのに……無理をしましたね」




そこには人と狼の中間のような生き物が、厳重に鎖で繋がれていた。

獣人と呼ぶにはあまりにも不出来。

人にも獣にもなれなかった生き物。




「ハッ…ハ…ッ何人か兵を頂きましたが…やはり、満たされない………グァァアッ!!」




鎖で繋がれた生き物は口から涎を垂らし、リラへと牙を剥く。

しかし鎖で思う様に動けず、リラが噛み付かれる事は無かった。




「あぁ……なんて素敵なんでしょう……♡」




リラは恍惚の表情を浮かべ、その生き物を愛しそうに見つめていた。

すると、不意に入口のドアがノックされた。




「リラ様!お連れしました!」




「…入りなさい」




扉が開くと、アラガ教の幹部と思われる男が、ガラの悪い男を連れてやって来た。




「客人ですね。後は私が。貴方は戻りなさい」




「はっ!」




リラの指示で幹部の男は部屋を出ていった。

部屋にはリラ、鎖に繋がれた生き物、そしてガラの悪い男だけが残った。




「…アンタがここで1番偉い奴か?俺は模部岡(もぶおか)大衆(たいしゅう)……転生者だ」




「えぇ。私は大司祭リラ。よくいらっしゃいました。貴方は……何か特別な力をお持ちのようで」




「おう。俺は『高速自動回復』持ちだ。どんなに怪我を負っても直ぐに回復する。勿論、『コッチ』もな」




模部岡は自身の股間を指差し、ニヤニヤと笑う。

リラはそれを無視し、本を取り出し何かを確認していた。




「『高速自動回復』…成程…『神々の祝福』は即効性がありますが、発動を妨害される可能性がある……こちらの能力は常に自動。便利ですね」




「…オイ、聞いてんのか?大司祭様よォ。それになんだその醜い生き物は…どっかやってくれ、気味悪ィ…」




模部岡は鎖に繋がれた生き物を指差し、気味が悪そうにシッシッと手で払う。




「……貴方、今なんと?」




リラはそれまでの丁寧な態度を崩し、明らかに険悪な雰囲気へと変貌する。




「…『白魔法』光の一章『高速光弾砲(ソニックライトショット)』」




「なっ!?」




詠唱破棄で数発の光弾を、模部岡目掛けて打ち込む。

一発脇腹に命中するが、『高速自動回復』が発動し、模部岡の怪我が直ぐに治癒していく。




「チッ…オイオイオイ、大司祭サマがよォ、んな事やっていいのかよ」




「…立場がよく分かっていない様ね。貴方はこの部屋に連れてこられた時点で『詰み』なの」




「…は?お前何言って……」




リラは男を無視し、鎖で繋がれた生き物の元へと歩いていく。




「さ、食事の時間ですよ……『勇者様』」




「ハァ!?ゆ、勇者!?その化け物が……!?」




リラから告げられた言葉に後ずさる模部岡。

勇者ソルシエラの鎖を外していくリラはこれから起こる事を想像して興奮が抑えきれなかった。




「不細工ですが、脂は乗っているのでは無いでしょうか?」




鎖から解き放たれたソルシエラは一歩、また一歩と模部岡に近づいて行く。




「お、オイオイ……嘘だろ…冗談キツイぜ…ハハ…」




脂汗がダラダラと流れる。

リラが本気だとようやく察したのだろう。

ここから出口まで走れば逃げられるだろうか?

否、後ろを向いたら終わりだ。



後ずさりつつ様々な方法を巡らせるが、答えが出るより先に背中が壁に着いてしまった。

そこからはもう方法なんて考えられなかった。

軽いパニックに陥り、無様に小水を漏らす。




「し、死んで、折角この世界に来たのによぉぉ…この世界でなら、俺も、英雄に…なれるって………嘘だろ…なぁ、なんで、俺は、まだ、あ、あ、あ、あ、あ……ま、また死ぬのか、俺は………」




「グルルルルル…………ゴァァァァッッ!!!!」







「あ…あぁ…!?ああぁぁああぁああ!?!??」




「あぁ……ソルシエラ様ぁ……♡」




壁や床に大量の血液が飛び散る。

興奮を抑えきれないリラの右手は、リラ自身の秘部を、司祭服の上からぐちゅぐちゅとまさぐっていた。




私は、何も間違ってはいない。




これは、紛れもない、愛。







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