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第2章 3人の仲間

階段を上がる途中、女子生徒が2人、降りてくるのが見えた。

「ねぇ、アレン様ってどこのチームなんだろうね?」

「さぁ?でも同じチームの3人はいいねぇ、だって、これからの生活を共にするのがあのアレン様だよ?」

「そーだよねぇ。私も同じチームになりたかったなぁ」


そう会話しながら、彼女たちは私とすれ違って行った。

もうそんな有名人とかいるんだな……

当たり前か。ヴァーゲル魔法学校だもんね、なんてったって。


3回ほど迷った末、第2魔学室についた。

やっと……ついた……

ドアを押す。キィィ……と立て付けの悪そうな音がしてドアは開いた。

そこにいたのは2人の少年と1人の少女。

この3人が、私のパートナー……!

心を弾ませながら、私は3人の横に座る。


茶髪の明るそうな男子ーーアレンが爽やかな笑顔で言う。

「全員揃ったようだな。」


ちょっと待って。

「アレン」ってどこかで聞いた覚えが……

ま、いいか。きっと気のせいだし。


「揃ってもすることなくない……?」

今度は、片目を髪で隠した少女ーーサラーが言った。

確かにその通りだ。

言われた部屋に来てみたはいいものの、何の指示もない。

私たち4人以外誰もいないし。


「暇だな」

アレンが言った瞬間、


ウィンウィンウィンウィンーー

『緊急事態、緊急事態。学校内に悪魔侵入。周囲に警戒してください。』


「なんだって!?」

「……!!」

悪魔……

流石の私でも聞いたことがある。

この国を支配するため、魔法を潰そうとする組織の一味。

まさか、ヴァーゲル魔法学校に入ってくるとは。


4人の頭が混乱する中、いきなり


トゥルルルルルル


電話が鳴った。

先ほどのサイレンにビビっていた私はつい、「ヒッ」と声を出してしまった。恥ずかしい。


黒髪の少年ーーユアンが電話を取る。

「はい、もしもし」

冷静沈着だな。私ならこんな事態が起こってる時点で慌てるのに。ていうか今ものすごく慌ててるんだけど。

「はい、はい、分かりました。ありがとうございます」

ユアンはガチャ、と電話を切った。


「なんて言ってた?」

「悪魔の1匹がこっち来てるって」

「いやそれただことじゃないじゃん!!」


整然として言うユアン。

よくそれ冷静に言えるな。


「……やばいじゃん」

サラーがボソッと言う。

「どうするどうする!?」

私はただ慌てることしかできない。そこに凛とした声が響く。アレンだ。

「落ち着け。魔法戦闘で来る悪魔に応戦しよう。まずは戦闘準備。2つのドアに2人ずつつくぞ。手前側はサラーとエマ、奥は俺とユアンでつくから。」

「了解。」

「分かった!」

アレンは魔法戦闘に慣れているのだろうか。

え、指揮早くない?

しかもめっちゃ的確じゃない?

いや1年生じゃないでしょ。年齢偽ってるでしょさては。

ていうか、私たちのチーム私以外すごい人たちじゃん。今気づいたけど。

私頑張らないと置いてけぼりだよ、こりゃ。

色々な意味で焦りを覚えながら、私はサラーと手前側のドアの前に立つ。


「さて。どうする??」

私はサラーに聞く。


「そうね……私は草葉と対話する能力を持ってるの。ただ、ここでは窓の近くに植えてあるスギしか草木が無い……」

「草葉、か……なかなか難しいね……」


私も思案する。ここは私も見せ場を作らないと。

流石にこのままじゃチーム1番のへっぽこみたいだし。

私は空気を操る能力を持っている。だから空気の壁を作ったり、強力な空気砲を送れることが攻撃方法だ。

組み合わせる方法は無いだろうか……


そうか。


私の脳裏に1つの案が浮かんだ。


「こういうのはどうかな?」

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