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魔物資源活用機構  作者: Ichen
旅の準備に向けて
666/2956

666. 帰り道雑談

 

 本部の騎士たちに礼を言い、幾つかの連絡事項を交わした後。


 外の階段を下りた所に、馬車が来た。誰もが見て分かる、その馬車は王様用。馬車の扉が開く前、フェイドリッドはイーアンを振り向き『ちっとも。そなたと話す時間がないな』と寂しそうに笑った。



「そなたと話したいと思うのに。もう。そんな時間も残されていないような。旅の足音が聞こえる」


「フェイドリッドは、何をお話したいと思うのですか」


「何でも良いのだ。ただ、普通に。普通のこと。そうだな、何かと訊かれると分からないのだが」


 ドルドレンはイーアンの真後ろに立って、睨みを利かせている状態。イーアンは翼を消してあるので、角だけ。そんな角付きイーアンと、灰色の瞳をギラギラ光らせる総長に、王様の横にいるセダンカは怯える。



 ――ただでさえ。このイーアンという女は怖かった。人間でさえないと知った今。出来るだけ関わりたくないのに!この甘ちゃん(←王)は、いつまでこんなこと続けるんだっ!


 角まであるから、もう猛犬どころじゃないではないか。

 微笑む目元涼しい、上品そうな若者も、得体の知れない妖精とのなんちゃら(※適当)だし、やけに目の明るい南国風な若者は、龍の目?とか何とか言っていた。

 見た目は人間でも、自分たちで『人間じゃありませんよ』と朗らかに言う!! 5人中、半数以上が人間じゃないって。おかしいぞ、おかしいって気が付け!!



 馬車の扉が開いているので、セダンカはひくひく痙攣しながら、どうにか甘ちゃんを促しにかかる。

 早く立ち去りたい。甘ちゃんのご要望で、お付きの護衛も追い払った二人旅(※王城から本部=馬車で2分)。

 ここで粘る意味あんのか!ないだろう、お前(←王)!! 心の中で猛烈に叫びながら、セダンカは静かな溜め息をつき『行きましょう。予定が』と囁く。


「ほんの僅かな数分だ。セダンカ。ほんのこの、数分が。この先何年も、イーアンと会えない時間の最後の」


「やだぁ。もう、いるじゃないのよ~」


 王様の後ろから、間延びしたオカマの声が響く。王様の言葉を遮ったその声に、セダンカは嫌な予感がして(※新手登場の予感)さっと馬車の左右を見た。


「おお。終わったか、早くて何より。よし帰るぞ」


 もう一人の声に反応するフェイドリッド。ハッとして『あの声。恐れ知らずの職人』そう呟いて、背の高い男と目が合った。


「ん?王か。話し中だったのか」


 王様相手に普通の態度、タンクラッド・ジョズリン。さすがにフォラヴもシャンガマックも、ちょっと驚いたが、続きにもっと驚いた。


「え?誰って?誰この子。可愛い顔してるけど。うん?あ、何。この子が王様なの?あ~そう~」


 刺青オカマは王様を覗き込んで、ふうん、と一言。ザッカリア以外の騎士たちは、まさかミレイオまで、王様に普通の態度とは思わず(※可能性は高かったけど)自分たちにお咎めが来るのではと、ギョッとした。


 ミレイオは、そんな周囲の凝視など、どこ吹く風。それから、眉根を寄せるフェイドリッド(※初・刺青&顔ピアスの人にビビる)を無視して、横のセダンカを見る。目をかっぴろげたセダンカ、3歩ほど後ずさる。


 ――この人、コワイ!!怖過ぎっ!! 目の色も違えば、髪の色も奇抜、顔中金具、頭と下唇から刺青、指輪がこれでもかってほど付いてる。服もギラッギラでトゲットゲ。これだけでも、充分過ぎる恐ろしさなのに、オカマーーーっっ!!!



「あんたは誰なの。ねぇ、返事しなさい。ねぇ。おい、聞こえてんだろ。こら」


「やめろ、ミレイオ。怯えてる」


「何よ。返事くらいするもんじゃないの。エラそうなのは、あんた一人で充分よ。ほれ、ちょっと、あんた。そのカッコ、貴族じゃないでしょうね。イーアンに何かした?」


 イーアンもビックリして固まっていたが、ハッとして、そそそっとミレイオに近寄り、彼は関係ないことを伝えた。ミレイオはイーアンを抱き寄せて、頭を撫でながら、固まって凝視するセダンカを睨む。


「大丈夫だったの?心配したのよ。遅いから」


「お前は30分置きに『まだか』って煩い。あんまり堪え性がないから、早めに来たのに」


「あんたはもう良いわよ、黙ってて。どうなの、ヤな思いしなかった?この・・・私に答えもしない男(※セダンカ、目を瞑って一生懸命首を振る)に何かされなかった?」


「セダンカは何もしません。フェイドリッドは丁寧で親切です。ここに貴族はいません。だから私は大丈夫です」


 そうなの?ミレイオは、よしよしと、イーアンの頬を撫でながら『なら。まぁ良いか』と頷く。ドルドレンを見て『あんたも頑張ったわね』と微笑んだ。ドルドレンも微笑み返す。


 セダンカはもう、イーアンには絶対に関わりたくなかった。


 この刺青オカマは、イーアン大好きっ!イーアンも、普通に撫でられて受け答えしている・・・って、何でだー! おかしいだろーっ 相手は目の色が左右違って、顔中金具が付いてて、刺青だらけで、触ったら何されるか分からないようなオカマ!!何でイーアンは平気なんだっ これが、人間じゃない能力か(※関係ない)!


 しかし・・・総長も剣職人も、常人離れした肝っ玉だから、気にしないのは分からないでもないが、他の騎士も微笑んでいるのが、信じられない。ちらっと顔を見れば、王はかなり引いている。これが普通だろ~ 青ざめるだろ~(※セダンカ驚愕により、1200Kcalほど消費)


 セダンカの脳で、ここ最近、一番の疲労を猛烈に食らった、この数分。歯鳴りが止まらず、怯える御者に貼り付いて、どうにか早く逃げねばと必死さが募る。

 しかし彼は、この日。こんな午前が吹っ飛ぶくらいの驚愕を目の当たりにするとは、この時、予想もしなかった。



「じゃ。帰りましょ。どこで龍、呼ぶの」


 仲間と会えたからか。意識が仲間に向くミレイオにもタンクラッドにも、度外視を食らっていると知った、王様とセダンカ。セダンカはこれ幸いとばかり、御者に手綱を取るように急いで命じ、開けた扉を自分が持って『殿下。今のうちに帰りますよ!』焦ってせっつく。

 王様は、少し彼らの様子を見つめてから、小さく頷いた。それから溜め息をついて『総長』と呼びかける。


 振り向いたドルドレンは、王様が自分を呼んだので、側へ行った。近くに来た総長を見上げ、フェイドリッドは用件を伝えた。総長の目が少し、探るように止まったが、フェイドリッドは目を逸らさずに頷いて『では後で』と短く挨拶する。


 王様は馬車に乗り込み、セダンカも飛び乗って扉を閉めた。馬車の扉の音を聞いて、イーアンはちょっとそっちを見る。王様相手に挨拶も見送りもない、これは無礼なんだろうなと思いつつ(※思うだけ)ただ、じっと見送った。



「イーアン。行こう」


 ドルドレンが肩を抱いて、城門の外へ歩き出す。外へ徒歩移動ということで、鎧を着けた騎士4人と、イーアン、タンクラッドとミレイオは、雑踏する通りを歩いた。


 少しして、失敗した選択肢であったことを全員が知る。イーアンは何となく、そうなりそうな気がしていたが。


 ドルドレンもタンクラッドも、長身で目立つ。すぐに女性の声が、周囲で聞こえ始めた。後ろを歩くシャンガマックとフォラヴ、ザッカリアも対象になった。ミレイオとイーアンだけは無事。


「ねぇ・・・言っちゃ悪いけど。無駄にうるさくない?」


 ミレイオがぼやくと、イーアンは苦笑いで頷いた。『こうなるのでは、と思いましたが。お顔の際立つ方が集まっていれば。さて、どうしましょうね』ミレイオに答えると、横を歩くドルドレンが愛妻を見た。『どうすれば良いのだ』じりじり輪を縮めて近づく女性の影に、顔をしかめる。


 そのすぐ、()()出来事が始まった。ザッカリアがぎゅっと引っ張られ、驚いて『うわっ』と振り向いたザッカリアに、笑顔の女性が質問攻めする。フォラヴがさっと間に入り、丁寧に断ったが、フォラヴに話しかけられた女性は、今度はフォラヴに言い寄った。


「積極的ねぇ。王都って、人口多いのにね」


「騎士が鎧で歩くのは、ここでは貴族の騎士だけです。貴族と違う騎士と、見抜いた新鮮さかも知れません。顔もイケメン尽くしです」


「めざとい」


 ミレイオが眉を寄せている間に、あれよあれよと女性が群がる。ドルドレンも、離せ触るなと声を上げて叱るし、タンクラッドは怒って、怒鳴り散らしている。シャンガマックも、目を瞑って現実逃避しながら、早足に徹する。


「イーアン」


 伴侶が助けを呼ぶので、イーアンが行こうとすると、ミレイオが腕を掴んだ。『翼出して。周りが驚いたらドルドレンを連れて、外へ出なさい。私はザッカリアを運ぶから』ミレイオは背中のお皿ちゃんを引き抜き、すぐに乗った。


「タンクラッド。フォラヴとシャンガマック、自力で逃げて頂戴(※捨)。私、この子を運ぶわ」


 大声でミレイオが叫び、振り向いたザッカリアの胴体を、ガッと抱えた。『外、出るわよ』そう言うと、刺青パンクは上着を翻して、子供を抱え、宙に飛んだ。


 周囲が一斉に、わっと引いたところで、イーアンも左右背後を急いで確認し、一気に翼を出す。悲鳴が聞こえるが『すみません』と謝り、伴侶を呼んで、腕を伸ばした。ドルドレンも、貼り付かれている体を振り払って、愛妻の伸ばした腕を取る。『イーアン!』両手を掴んだ一瞬。


「ドルドレン、飛びますよ」


 イーアンは人に当たらないように、ぐっと力を集めて勢い良く、真上に飛んだ。ドルドレンの体重がかかるが、龍気を出している分、重さはそれほどでもなかった。あっという間に浮上したドルドレンは、イーアンの両腕から、彼女の腰に腕を回して掴まる。


 下方に小さくなる人々の顔がこちらを向いて、口々に騒いでいる。女性率が異様に高い、その場所を飛び去って、ドルドレンは笑った。


「イーアンが助けてくれた。翼のイーアンが」


「あなたは捕まるから。歩いてはいけませんね」


 苦笑いのイーアンは、腰に抱きつく伴侶を支えて旋回し、城壁の外へ飛んで、ミレイオの待つ姿を見つけて降りる。


「イーアン。この子、見てて。私、フォラヴを助けに行くわ」


 そう言うと優しいミレイオは、お気に入りフォラヴを迎えに、再び飛んだ。救出されたザッカリアは、ちょっと困った顔で『知らない人なのに、何で俺が好きって言うの?』と総長に訊いていた。総長も眉を寄せて『お前には気の毒だが、一生付いて回ると思う』そう、子供の極上イケメン状態に同情した。


「私も。シャンガマックを助けに行きましょうか」


「シャンガマックとタンクラッドは、大丈夫のような」


 重そうな親方は、ミレイオに任せたいところ。このタイミングでシャンガマックの方が良いかな、と思って『一応、助けに行きます』ちょっと笑い、伴侶とザッカリアには龍を呼んでおいてもらうよう、お願いした。


「龍気だけが気になるので、お願いします。行ってきます」


「気をつけて。辛かったら落としなさい(※=シャンガマック)」


 叫ぶ伴侶の気遣いに笑いながら、町の通りに戻るイーアン。『大騒ぎです。重くて落としたら、シャンガマックは2度目の被害』出来ないよ~と笑って、イーアンは褐色の騎士の走る姿を見つける。入れ違いでミレイオがフォラヴを抱えて、飛んで行った。


「シャンガマック」


 上空から叫ぶと、『イーアン』見上げる逃げ惑う騎士。その腕を伸ばしたので、イーアンは滑空して、追いかける女性に当たらないよう、ギリギリで腕を掴んだ。掴んでそのまま、思いっきり浮上する。両腕を掴んだまま、自分の腰に回させ、騎士の体を支えながら旋回して、城壁の外へ向かった。


「シャンガマックはドルドレンより軽いです。助かります」


 ちょっと冗談を言って、褐色の騎士を見ると『え!』ビックリしたイーアンは、大急ぎで、伴侶のいる場所へ戻った。


「シャンガマックが」


 降りてきたイーアンの腰に回した手をそのまま、褐色の騎士の意識が消えていたので、ドルドレンは、硬直している部下の腕をどうにか外し、その気絶した体を預かった。


「腰に抱きついたと錯覚したんだな。だから」


「危険極まりないです」


 ドルドレンもフォラヴも失笑。空中で気絶・・・笑いながら、シャンガマックを草の上に寝かせた。『下手に助けることも出来ん』難しいぞと笑う、ドルドレン。イーアンも苦笑いするだけ。落ちなくて良かった、それには感謝した。


「ミレイオが、タンクラッドを迎えに行っている。嫌がっていたが、後から煩い方がイヤではないかと訊いたら、ぶつくさ言いながら出た」


 間もなく。ぎゃあぎゃあ騒ぐ人影が空に現れて、ケンカしながら二人が降りてきた。


「助けてやったのに。なんなのよ、その言い草!」


「何で俺は、お前なんだ!どうして、俺を最後にした」


「あんた、自分でどうにか出来るでしょ。図体でかいんだから、この子じゃ運べないくらい、分からないの!」


「おい、イーアン!何で俺を助けに来ないんだ!」


 怒る親方に迫られて、翼を盾にしたイーアンが(※翼の新しい使い方)ひ~っとちっちゃくなっているところを、そっとフォラヴが間に入り『あなたの体格は難しいのでは』と微笑んだ。


「総長を運んだじゃないか。俺と彼はそう変わらないぞ。あいつは鎧も着けているし」


「2度も、大きな男性を運ぶのは大変です。彼女は翼を出すだけでも、疲れるのですから」


 ぐうっと唸って、黙る親方。フォラヴは空色の瞳を、じっと親方に合わせて『そうでしょう?』と畳み掛ける。親方敗北。こいつの目は苦手。ちょっと目を逸らした親方は『帰るぞ』と呟いた。


 振り向いたフォラヴに、イーアンはお礼を囁く(※親方に聞こえると怒られる)。フォラヴはニコッと笑って『帰りましょうか』と頷き、笛を吹いた。

 タンクラッドも笛を吹き、龍を呼んで乗る。シャンガマックだけは、まだ気絶中なので、仕方なしドルドレンの龍に乗せた。


 イーアンもミンティンを呼んで、ミレイオも疲れたからと言うことで、一緒に青い龍に乗った。『この仔は安定具合が違うから、気楽に乗れるわ』ミレイオがそう言って、ミンティンを撫でる。青い龍も何となし、頷いていた。



 こうしてちょっと、一騒動を起こした北西の騎士たちは、最後が一番疲れた、と笑って、空の道を戻る。


 イーアンは思う。オーリンも多分、この中にいたら。それなりに追いかけられただろうなと。でも、オーリンだったら、そのまま・・・彼はきっと、そのまま女性に捕まって、笑顔でいられる気がした。


 ミレイオにそれを話すと、ミレイオは笑った。


「誰でも良ければ、そうでしょうけど。好みがあるんじゃないの?」


「あ。そうでした。そうですね。オーリンは何だか、変な印象がついてしまって」


「ハハハ。あいつはそう思えちゃうけどね。でも、私が見た感じ。さっきの女たちに、大した女いなかったわよ。顔の良い女はいるだろうけど、知らない男に群がってる時点でどうなのかね」


 ミレイオの歯に布着せない言葉に、少し笑いながらイーアンも頷く。『出会いが貴重』彼女たちは人生に積極的です、と答えた。



 ドルドレンも、いい加減、気が付いた部下に、お互い大変だと話していた。


「旅でもこんなこと、あるんでしょうか。滅多に行かない王都だから、うっかりしていましたけど、追われると怖いだけです。総長とタンクラッドさんは、(たか)られていましたね」


「危なかった。鎧じゃなかったら、引ん剥かれている気がする。タンクラッドが、背中の剣に手を掛けた時は、ひやっとしたが。気持ちは分かる」


 本当ですねと苦笑いする褐色の騎士。そんな彼を見つめた総長は、余計かなと思いつつも、話を変えて助言する。『お前は。その、誰か。本当に経験しないと(※ああいう経験のこと)』突然、頭上から降った言葉に、シャンガマックは目を丸くして見上げた。


「何て言いましたか?」


「いや。悪いことを言うつもりはないが。さっき、お前は。イーアンに助けられて気絶したから」


「あ・・・・・ はい。すみません。でも、俺、別に。あの、ええっと。未経験じゃなくて」


 すごーく恥ずかしそうに、小さい声で呟くシャンガマックに、ドルドレンが驚く。『本当か?本当に?』驚きが失礼なことにも気が付かず、つい本音で聞き返すと、部下は寂しそうに頷いた。


「そりゃ。そのう、それなりに。こんな年ですから。一応。若い頃に」


「そうか・・・すまなかった。あまりに純情だから。誰ともそう、ないのかと」


「ありますけれど。ええと、そういうんじゃないんです。でも、総長相手に言うことでも」


 あ、そうか、と我に返ったドルドレンは『もうこの話題はやめよう』と自分から言った。シャンガマックもとても恥ずかしそうに、そこからは支部まで黙りこくっていた。


 ドルドレン反省。失礼なことを言ってしまった。シャンガマックは一応、体験済み(※一応かどうかは別だけど)。でもイーアンを好きなのだ。きっと()()()()()()じゃないんだな、と思う。それは、旦那の俺には言えないと思えば、詮索してはいけない。


 いろんな形の、『好き』がある。


 それは十人いたら、十人分の違いもあると思って良いような。イーアンは好かれやすいが、相手は決して、彼女を『恋愛対象として好き』になっているのでもない。家族的な好き、憧れの好き、性質が好き、風変わりだから好き、友達として好き。それは誰にでもあるけれど、イーアンは好かれることが多いから、目立つだけ。


 シャンガマックは見ていると、微妙な線だが・・・俺で言うタムズ(※このフレーズ気に入った)かなと。タムズといちゃこらしたいかと言われると。そりゃしたいけど(危)そうじゃないのだ。

 彼の場合は、憧れ的な好きってだけかな~・・・・・ ドルドレンはそんな理解をして納得した。



 そうこうして、北西支部に着く頃。時間はお昼前。丁度昼の時間に入り、昼食は支部で食べることになった。


 オーリンが手を振って迎えてくれ、龍は支部の外に降りる。シャンガマックにちょっと謝った総長。彼は微笑んで『気にしないで下さい』と言ってくれた。


 ミレイオとタンクラッドは、支部の食事をもらうことになり、一緒に家で食べようと決まる。

 それを聞いたザッカリアは、自分も一緒にと言い始め、フォラヴも『そう?なら私も』となり、シャンガマックは少し間を空けて『俺も良いですか』の子犬目線を総長に送る(※子犬ビーム)。


 なので、全員揃って、おうちで昼食を摂ることになった。ギアッチも呼びたいというザッカリアに、イーアンは是非と微笑む。騎士たちは鎧を置きに広間へ戻り、職人たちは家に入って待った。


 オーリンは、ちゃんと。イーアンの分の腸詰を持って来てくれていた。『でも。俺も支部の昼食もらうぞ』アハハと笑った弓職人は、総長に自分の分もお願いした。

お読み頂き有難うございます。

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